皆さん、こんにちは。カツデンの編集部です。
新居に設置する階段を決めたいものの、階段にはどんな種類があるのか分からないという方も多いのではないでしょうか。階段の種類にはさまざまな呼び方があって、ややこしいですよね。
本記事では階段の種類についてまとめました。各階段の特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説しています。
本記事を読むことで一般家庭用の階段について知見を深めることができ、後悔しない階段選びを行うことができるでしょう。階段の種類に興味がある方はぜひお読みください。
階段の各箇所の名称について
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
階段の種類についてみていく前に、階段の各箇所の名称について解説します。階段の各箇所の名称について知っておくと、業者との打ち合わせもスムーズになるでしょう。
階段は次の3つの部位に大きく分けることができます。
- 踏み板(段板)
- ささら桁(側桁、力桁)
- 蹴込み板
各部位の特徴やどんな役割を担っているかについて、詳しく解説しましょう。
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踏み板(段板)
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
踏み板(段板)は足を乗せる板のことを言います。踏み板は溝を掘ったり、滑り止めを付けたりする場合が多いです。階段は踏み板を何枚か用いることで、2階へと移動できるようになっています。
また、足が乗る面に関しては「踏面(ふみづら)」と呼ばれています。踏面は「奥行15cm以上」にしなければいけない決まりになっています。そのため、階段の面積を少なくできない場合もあります。
ささら桁(側桁、力桁)
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
ささら桁は踏み板を支えるために、両端、あるいは片方に設けられる板を指します。ささら桁は階段の種類によっては、外から見えるものもあります。
ささら桁のデザインは階段の印象を大きく変えるため、おしゃれな雰囲気にしたい方にとっては重視したい箇所と言えるでしょう。
また、ささら桁は段板の側面にある「側桁」と段板の下の「力桁」に分けることができます。
蹴込み板
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
蹴込み板とは、踏み板と踏み板の間を繋ぐ垂直部分のことです。蹴込み板があることで、階段の下が見えないようになります。また、踏み板と蹴込み板が繋がることで、耐久力を高めている意味もあります。
階段の種類によっては、蹴込み板がない場合もあります。蹴込み板がないと、開放的な印象になります。ただし、踏み板とささら桁のみで支えるため、その2つの強度を上げるために板厚を上げるなど、構造を理解した上で設計する必要があります。
階段の種類
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA PREMIUM」
階段は大きく次の3種類に分類分けすることが可能です。
- 種類1.箱階段(ボックス)
- 種類2.オープン階段(シースルー、ストリップ、スケルトン)
- 種類3.片持ち階段(フローティング)
まずは、この3つの違いを知るところから階段選びは始まると言って良いでしょう。この3つのうちどれを選択するかによって、利便性やデザイン性が変わってきます。
各階段の種類について詳しく解説していきます。
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種類1.箱階段(ボックス階段)
写真:階段箪笥(箱階段)
出典:Wikipedia
箱階段は箱を積み上げたかのような見た目をしている、昔ながらの階段のことです。箱階段の1番の特徴は、階段の下を収納スペースとして使えることです。
階段下にタンスを作ったり、小さい引き出しを何個も作って物入れにしたりすることもできます。また、トイレや風呂場、床暖房のパイプスペースとして使うことも可能です。家の面積に余裕がない場合におすすめの階段と言えるでしょう。
反面、よくある階段なので、オリジナリティを重視する方には物足りなく感じるかもしれません。また、階段の両側、あるいは片側が壁で覆われているため、圧迫感を抱く人もいます。
とはいえ、導入コストも安いため、悩んだら箱階段にする手もあるでしょう。
種類2.オープン階段(シースルー階段、ストリップ階段、スケルトン階段)
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
オープン階段は、蹴込み板がなくオープンになっている階段のことです。横も壁で覆われておらず、手すりだけになっている場合が多いです。
箱階段は玄関に設置されることが多いですが、オープン階段はリビングに設置される場合もあります。リビングに階段を設置すると通常は圧迫感が出てしまいますが、オープン階段は隙間が多いため、むしろ開放感があります。また、窓からの光を遮ることがないのもリビングと相性が良い理由です。
見た目の美しさにも定評があり、リビングをおしゃれにしたい方におすすめです。ただし、1階の床が見えてしまうため、人によっては怖さを感じる場合もあります。とはいえ、正しく使えば見た目ほどは危険ではないのでご安心ください。また、「お子さまが小さくて不安」という方も、通販で売っている安全ネットを取り付ければ安心できます。
種類3.片持ち階段(フローティング階段)
写真:カツデン/片持ち階段「DANDEL」
片持ち階段は、踏み板が片方の壁のみで支えられている階段を指します。もう片方は固定されていないため、まるで宙に浮いているかのような見た目になります。マンションの屋外などでよく見かけることがあるかと思います。
片持ち階段は無駄を徹底的に省いており、洗練されたデザインが魅力的です。オープン階段同様、リビングに設置することでおしゃれ感を出すことができます。
ただし、片方のみで支える訳ですから、固定方法に気を遣うなど安定性に注意した設計が必要になります。そのため、コストは高くなることが多いです。また、オープン階段以上に怖いと感じる人は多いでしょう。
とはいえ、片持ち階段は導入例が少ないため、個性を出せるというメリットはあります。
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階段の種類:素材編
写真:カツデン/シースルー階段「FRIS」
続いて、階段の素材について解説します。階段は木でできたものが多いですが、それ以外の素材で作られたものも多くあります。素材によって、使い心地や耐久力、コストが変わってくるため、階段の素材にも気を配って選ぶことが大切です。
一般家庭用の階段の素材として多く使われているものは次の5つです。
- 種類1.木製
- 種類2.スチール(アイアン)
- 種類3.アルミ
- 種類4.ステンレス
- 種類5.ガラス
各素材の特徴やメリット・デメリットについて解説していきましょう。
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種類1.木製
写真:一戸建ての階段の選び方
出典:SUUMO
木は階段の素材としてもっとも良く使われています。ナチュラルな雰囲気で肌触りも良い木製階段は、多くの人から人気があります。
他の素材に比べるとコストを抑えられるのも利点です。木材の値段も昔に比べると上がっていますが、金属がそれ以上に上がっているためです。ただし、一般的な素材のため独自性を出したい方には物足りないかもしれません。
種類2.スチール(アイアン)
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
スチールとは日本語で鋼を意味します。スチールは耐久性が高いのが特徴です。耐久性が高い分、細いデザインも選択することができ、スマートな雰囲気を作ることができます。
また、スチールは木よりは劣るものの、アルミなど他の金属と比べると加工がしやすいです。幾何学模様の手すりを作るなど、アイデア次第で面白いデザインにできます。ただし、スチールはコストが高めになっており、木で作る場合の3〜5倍程度はかかる場合が多いです。
種類3.アルミ
写真:カツデン/アルミ製屋外用らせん階段「KD Spiral」
アルミニウムも階段の素材としてよく用いられています。錆びにくくて軽いうえに、独自の光沢を持つため光輝いて見えるのが特徴です。コストはスチールと同程度な場合が多いでしょう。
ただし、強度はスチールの1/3程度です。なので耐久性を高めるために、太くしないといけないのがデメリットです。とはいえ、太いデザインも力強い雰囲気で良いと感じる人もいるかと思います。
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種類4.ステンレス
写真:ステンレス階段手摺
出典:株式会社藤田
ステンレスの正式名称は「ステンレススチール」で、日本語で「汚れない鋼」を意味します。鉄にクロムやニッケルを混ぜることで作られており、スチールやアルミよりもサビにくくなっています。
どちらかと言えば、耐候性を活かして屋外に設置することが多いですが、手入れがしやすいメリットもあるため室内に設置する場合もあります。
種類5.ガラス
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
数は少ないですが、ガラスで階段を作る場合もあります。透明感のあるデザインが魅力であり、片持ち階段と組み合わせるとシンプルで洗練された印象になります。
また、光を通すため開放感が生まれるのもメリットです。コストこそかかるものの、おしゃれを追求したい方におすすめできます。
階段の種類:形状編
写真:カツデン/立体トラス階段「DEROUS」
階段は形状もさまざまなものがあります。形状によって、使いやすさや安全性、使う面積などが大きく異なります。そのため、素材と併せて形状も慎重に選ぶことが大切です。
階段の形状の中でも代表的なものは次の5つです。
種類1.直階段(ストレート)
種類2.かね折れ階段(L字型)
種類3.回り階段(コの字型、Uターン型)
種類4.折返し階段(コの字型、、Uターン型 ※踊り場あり)
種類5.らせん階段(スパイラル)
各形状の特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説していきましょう。
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種類1.直階段(ストレート)
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
直階段は真っ直ぐな形をしたもっともシンプルな形状です。シンプルで作るのが比較的容易なため、コストを抑えられる点がメリットです。また、シンプルなので場所や種類を選ばないのも特徴。箱階段ともオープン階段でも相性が良いと言えます。
引っ越しの際などに家具を運びやすいのも意外と利点です。
ただし、踏み外すと1番下まで落ちてしまう危険性があります。安全性を高めるなら、真ん中付近に踊り場を設けるのがおすすめです。
種類2.かね折れ階段(L字型)
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
かね折れ階段は、途中で90度に曲がる階段であり、上から見るとL字型をしています。直階段と違い、踏み外しても1番下まで落ちる危険は少ないのがメリットです。また、直線距離が取れない場合にも、かね折れ階段なら設置しやすいでしょう。
ただし、直階段に比べると多少は費用が多くなります。とはいえ、安全面とコストのバランスが取れており、家の面積も効率的に使えるため、どなたにもおすすめしやすい形状です。
種類3.回り階段(コの字型、Uターン型)
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
回り階段は、途中で90度に2回曲がる階段であり、コの字型をしています。向きが変わる部分には廻踏板を設置します。廻踏板は2段、4段、6段から選べますが、面積を取りすぎないように6段にする場合が多いです。
かね折れ階段よりも更に落下事故を防ぎやすくなっています。また、箱階段の場合、階段下に広い収納スペースを作りやすいでしょう。
デメリットは曲がり角が2箇所もあるため、大型家具を運ぶのに苦労する場合がある点です。家具を上手く回転させて運ぶ必要がありますし、通らない場合は窓から入れることもあります。
種類4.折返し階段(コの字型、Uターン型 ※踊り場あり)
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA PREMIUM」
折返し階段は、回り階段の廻踏板が1つの踊り場になった階段です。学校の校舎などで見かけることが多いでしょう。
踊り場がある分、安全性がより高くなっています。また、踊り場に脚立などを置けるため、窓や電気などの掃除がしやすいのもメリットです。
デメリットはあまりありませんが、強いて言えば回り階段同様に180度回転するため、大型家具を運ぶ際に苦労することがあります。
種類5.らせん階段(スパイラル)
写真:カツデン/シースルーらせん階段「Modelia」
らせん階段は、クルクル回る形をしているユニークな階段です。
らせん階段を設置する一般家庭はさほど多くありません。そのため、オリジナリティを出せるメリットがあります。見た目も非常におしゃれでありデザイン重視の方向けと言えます。
ただし、形状が複雑な分コストは高くなります。また、中心部分の踏み板が狭くなるため、踏み外しには気をつける必要があるでしょう。とはいえ、急いで登るなどしなければ危険というわけでもありませんので、らせん階段に憧れがある人は思いきって導入するのもおすすめです。
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まとめ
今回は「階段の種類」について解説しました。
今回解説した階段の種類について、表でまとめてみましたので参考にしてください。
区分分け | 種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
階段の種類 | 箱階段 | 下を収納スペースにできる | 圧迫感を抱く人もいる |
オープン階段 | 開放感がある | 転落しないか心配な人もいる | |
片持ち階段 | 無駄を省いた美しいデザイン | 安定性に不安を感じる人もいる | |
素材の種類 | 木製 | コストを抑えやすい | 独自性を出しにくい |
スチール | デザインの自由度が高い | コストが若干高め | |
アルミ | 光沢が美しい | 強度が若干低め | |
ステンレス | 強度が高い | コストが高め | |
ガラス | 透明感のあるデザイン | コストがとても高い | |
形状の種類 | 直階段 | コストを抑えられる | 踊り場がない場合は、踏み外しに注意 |
かね折れ階段 | 家の面積を効率的に使える | 直階段よりはコストが高め | |
回り階段 | 落下事故を防ぎやすい | 大型家具を運ぶのに苦労する | |
折返し階段 | 踊り場があるので掃除しやすい | 大型家具を運ぶのに苦労する | |
らせん階段 | 狭いスペースにも設置しやすい | 中心部分の踏板が狭くなるので、踏み外しに注意 |
どの階段にもメリット・デメリットはあるため、ご家族の希望をまとめて、もっとも相性の良いものを選ぶことが大切です。デザインを重視するか?利便性を重視するか?などによって、選ぶべき階段は変わります。