「新居に屋上を設置したい」「リフォームで屋上を付けたい」と考えているものの、屋上に昇るための階段のことを検討していなかった、という方は多いのではないでしょうか。
本記事では屋上に昇る階段を設置するポイントを解説します。また、屋上用の階段は屋外と屋内のどっちに付けるのが良いか、についても説明していきます。
本記事を読むことで、屋上に昇るための階段について検討できるようになります。屋上を設置する予定の方はぜひ参考にしてください。
屋上を使えるようにするなら階段が重要
写真:夏はBBQ、冬は富士を満喫できる屋上への階段
出典:Re:est(リエスト)
屋上とは屋根の上のことですが、「建物の最上部を平面にし、出入りできるようにした場所」を指すことが一般的です。屋上はマンションや学校などで見る機会がありますが、一戸建てでも設置することは可能です。
屋上を設置する場合、防水対策や落下防止のための手すりをどうするか、など考えるべきことは多くあります。さらに、屋上用の階段をどうするかも検討しなくてはいけません。
階段は非常に重要です。なぜなら、せっかく屋上を設置したのに、昇るのが面倒だったり怖かったりするためにあまり使わない、というパターンがあるためです。
たとえば、屋上を洗濯物干し場にしたが洗濯物を持って昇るのが面倒になった、バーベキューがしたいがグリルを持ったまま昇るのが怖い、ということがあります。
そのため、階段の安全性や昇りやすさには気を配ることが大切です。
屋上は何のために設置する?
屋上を設置する前に、「そもそも屋上を何に使うのか」を考える必要があります。屋上は設置費用が多くかかりますので、せっかく作るなら持て余すことがないようにしたいもの。
よくある用途としては次の4つが挙げられます。
- 気分転換を行う
- 家庭菜園を行う
- 洗濯物を干す
- アウトドアを楽しむ
1つ1つの屋上の用途について詳しく解説していきます。
気分転換を行う
屋上は気分転換にはうってつけの場所と言えます。綺麗な夜景を見たり、気持ち良い風に当たったりすることで、気分がリフレッシュされます。仕事で疲れたときや嫌なことがあったときなども、屋上に昇ることで気持ちを切り替えられるかもしれません。
また、気分転換を行うために、屋上にジャグジーを設置する例も一部で存在します。ジャグジーがあれば、自宅にいながらリゾート気分を味わうことができます。ただし、給排水設備を整えること、目隠しを設けることが必要で、コストも期間もかかってしまう点は注意が必要です。
家庭菜園を行う
屋上は家庭菜園やガーデニングを行うのにもぴったりです。特に都心部は広い庭を設置することが難しいです。高い費用をかけて庭を作るよりも、屋上を作った方が良いという考えもあります。屋上は庭同様に野菜や花を育てることができます。
ただし、屋上で家庭菜園などを行う場合、土や植物の落ち葉が原因で排水口が詰まる可能性があります。そのため、こまめに掃除を行うこと、排水口の点検を行うことが大事です。
洗濯物を干す
屋上は洗濯物を干すのにも使えます。屋上が壁で囲ってあるのなら、周囲から洗濯物が見えることがありません。屋上はスペースが十分にあるため、大量の洗濯物を干すことが可能です。また、もちろん日当たりは良好なので、すぐに乾かすことができます。
注意点は、風が強いと物干し竿が落ちてしまう恐れがある点です。竿止めを付けるなどして工夫する必要があります。
アウトドアを楽しむ
屋上は家族でアウトドアを楽しむことにも使えます。コンロなどを持ち込んでバーベキューをしたり、テントを張ってキャンプ気分を味わったりすることができます。
自宅でアウトドアを楽しむメリットは、大量の荷物を持ってバーベキュー場などまで行く必要がないのと、足りない荷物があったらすぐに取ってこれることです。
また、屋上は子どもの遊び場としても活用できます。夏場はビニールプールを出すことも可能です。コロナやインフルエンザが流行っている時期でも、外で遊ばせることができます。
屋上でアウトドアを楽しむ場合の注意点は、近所の迷惑にならないか確かめることです。隣の家との距離が近いと、騒音がうるさいと感じられてしまうかもしれません。また、バーベキューの煙が隣の家まで行ってしまう可能性もあります。
屋上用の階段は2種類に分けられる
写真:1階屋上から2階屋上へ至る屋外階段
出典:fevecasa(フェブカーサ)
屋上に昇るための階段にはさまざまなものがありますが、大雑把に次の2つに分けることができます。
- 屋外階段
- 屋内階段
階段を屋外に付けるか室内に付けるかは重要な問題です。階段のメンテナンスのしやすさや屋上への昇りやすさに大きく関わってくるためです。
それぞれの階段のメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
屋外階段
屋外階段とは、住宅の外に設置された階段を指します。屋外階段を選択する場合、2階にドアを設置する、もしくはバルコニーから昇ることになります。
スペースや日照権の関係上、ストレート階段よりもらせん階段が用いられることが多いです。らせん階段はくるくると回りながら昇り降りする階段のことで、見た目の美しさも魅力です。
また、屋外階段は雨に濡れることが頻発するため、高価ではあるものの耐食性の高いアルミやステンレスで作られることも多いです。
メリット
屋外に階段を作るメリットは、内部のスペースを削らなくて良い点です。また、内部を改装しなくて良い分、リフォームで屋上を設置する場合、トータルの費用を抑えられる可能性があります。
ただし、階段自体の設置費用は上がってしまうことも多いです。また、バルコニーの改装や構造上の補強などが必要になることもあり、絶対に費用が安くなるわけではない点は注意が必要です。
他のメリットとしては、ペントハウスを作らなくて良い分、屋上を広く使える点が挙げられます。
デメリット
屋外階段のデメリットは、雨風の被害を受けるためサビ止めや塗装などメンテナンスを定期的に行わないといけない点です。また、鳥のフンや土などで汚れるため、こまめに掃除もやらないと、特にフンによるサビ発生や汚れが取れなくなることが起こり得ます。
また、雨に濡れれば滑りやすくなるため、滑り止め塗料を塗るなど安全対策を行う必要があります。
屋内階段
屋内階段とは、家の中に設置された階段を指します。
屋内階段を選択する場合、屋上にペントハウス(階段室)を設ける必要があります。学校の屋上を想像すると、イメージしやすいかと思います。(高級マンションの最上階に設置される部屋もペントハウスと呼ばれていますが、それとは別のものです)
屋内だと雨に濡れる心配がないため、比較的階段の素材は自由です。強度が高く細いデザインが選択可能なスチールや、値段が安くナチュラルな雰囲気が魅力の木などが特に多く用いられています。
メリット
屋内階段は雨の被害を受けることがないため、メンテナンスが不要というわけではありませんが、屋外階段に比べ頻度を減らすことは可能です。
また、屋内の場合外部から侵入される心配もありません。屋外階段の場合、外から飛び移って家に侵入される可能性もゼロではないため、防犯対策が重要になります。
デメリット
リフォームで屋内階段を設置する場合、内部まで工事しないといけないうえに、ペントハウスを作らないといけないため、費用が高額になってしまう恐れがあります。また、階段を作る分、居住スペースを削らないといけないのも難点です。
また、ペントハウスの設置に関しては注意点があります。それは、ペントハウスは場合によっては住宅の新しい階と見なされてしまう恐れがあることです。3階建てに該当すると、建築基準法上の規制が増えてしまい、構造計算の手間と費用がかかってしまいます。
建築基準法では、広さを建築物の建築面積の1/8以下、かつ高さを5m以下にしないと、新しい階に該当してしまいます。
また、ペントハウスが階段室ではなく居室として扱われてしまうように設計にした場合も、新しい階として扱われてしまう可能性があります。たとえば、空いたスペースに収納を設けるなどすると、居室に該当してしまうので注意が必要です。
屋上に昇る階段を設置するポイント
写真:天空テラス&屋上のある家
出典:小野寺工務店
屋上に昇る階段を設置するポイントを紹介します。ポイントは次の3つです。
- 屋上への入り口をどこにするか考える
- メンテナンスのことを考える
- 安全性を考慮する
これらのポイントを意識することで、設置後に後悔することがなくなります。1つ1つのポイントについて詳しく解説していきます。
屋上への入り口をどこにするか考える
屋上への入り口をどこにするかは大事な問題です。特に家庭菜園や洗濯物干しなどで屋上を日常的に使う予定があるなら、生活動線を考慮して場所を検討することが必要になります。
たとえば、洗濯物干し場として使う場合、屋上まで毎回洗濯物を運ばないといけません。そのため、ランドリースペースと屋上の入り口の距離が離れていると大変です。また、衣類の収納場所も近くに配置した方が良いですね。
まずは屋上を何に使うか決めてください。そのうえで、屋上を効率的に使うにはどこを入り口にしたら良いか考えることが大切です。
メンテナンスのことを考える
階段を設置する場合は、メンテナンスのことも事前に考えることが大切です。特に屋外階段は錆や腐食が発生しやすく、メンテナンスの頻度が増えてしまいがちです。
メンテナンスを楽にしたい場合は、アルミやステンレスなど金属の中でも錆びにくい素材を選ぶことをおすすめします。逆に、木の階段はメンテナンスが大変です。
他のメンテナンスを楽にする工夫としては、シースルー階段にする方法が挙げられます。シースルー階段は段板と段板と繋ぐささら桁がなく、段板と骨組みのみで作られた階段のことです。ささら桁がないため、段板の交換を行いやすいです。
安全性を考慮する
階段は安全性を考慮して設計することが大切です。階段で転倒し怪我してしまったら大変ですし、その後怖くて屋上を使いたくなくなってしまうかもしれません。
ストレート階段は設置費用を抑えられるメリットがありますが、転倒すると下まで落ちてしまうリスクがあります。そのため、途中で踊り場を設けた方が安心です。
また、らせん階段ですと、内側が狭いため足を踏み外す可能性があるので、段板の幅はできるだけ広くする方が良いです。
他には、手すりにパネルをつけたり格子の数を増やしたりして横からの落下を防ぐなどの安全対策があります。
カツデンの屋外階段『KD Spiral』
カツデンでは『KD Spiral』という製品を提供しています。『KD Spiral』はバルコニーから屋上に上がるための屋外用アルミ製らせん階段です。
アルミの階段は耐食性に優れているのに加え、軽量で建物への負担が少ないのがメリットです。また、スチールなどの他の金属に比べて、柔らかい印象を与えてくれます。
らせん階段は曲線の美しさが魅力です。バルコニーに設置すると非常に存在感があります。直線の多い住宅にらせん階段を設置することで、空間にメリハリをつけることができます。
カツデンの製品はセミオーダーとなっており、デザインやカラーだけでなく、サイズも調整することが可能です。また、手すりの形状などを変更し、安全性を高めることもできます。対して既製品の場合、サイズなどがあらかじめ決められているため、住宅に合わせて設置することが難しくなる可能性があります。
『KD Spiral』に興味を持った方は、ぜひ公式ホームページからより詳しい情報を確認してみてください。
製品紹介 詳細まとめ
本記事では屋上用の階段について解説しました。屋外階段と屋内階段のメリット・デメリットや、階段を設置するポイントなどがお分かりいだたけたかと思います。
階段の安全性や利便性を高めることで、屋上の活用頻度を上げることが可能です。屋上は設置費用も決して安くはありませんので、最大限活用できるようにしたいものです。
屋上を設置することで気分転換を行えたり、バーベキューやジャグジーを楽しめたりするメリットがあります。屋上を何に使うかは、事前にしっかり検討することが大切です。また、アウトドアを楽しみたい場合、住宅が密集していないか、などを事前に確認しましょう。