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2024.07.15 コラム

階段の照明にはどのような種類がある?安全性を高める方法やおしゃれに見せる方法を解説!

この記事の監修

インテリアコーディネーター/二級建築施工管理技士 池本 華絵
インテリアコーディネーター/二級建築施工管理技士池本 華絵

階段の照明にはさまざまな種類があります。どの照明を設置するかで、階段の印象が大きく変わります。

本記事では階段照明の種類について解説します。各照明のメリット・デメリットについてまとめました。また、階段の安全性やおしゃれを高める方法についてもまとめています。

本記事を読むことで、階段に設置する照明を決めることができます。階段照明をどれにするか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

階段の照明が重要な理由


写真:ODELIC オーデリック アンバー色ガラス ブラケット OB255127
出典:てるくにでんき

階段の照明にはこだわることをおすすめします。照明は次の2つの重要な役割を担っているためです。

  • 安全性を高めるため
  • 階段をおしゃれに見せるため

階段の照明が重要な理由について、1つ1つ解説していきます。

安全性を高めるため

階段の照明は安全性を高めるために必要です。照明選びを間違えると、階段の足元が上手く照らされない場合があります。足元が暗いと、踏み外すリスクが高くなります。

階段は家の中でも事故が起こりやすい場所です。踏み外して1番下まで落ちてしまうと、大怪我してしまう恐れもあります。階段の安全対策にはさまざまなものがありますが、その中でも手軽にできるのが、照明を変えることです。

照明を変えて足元をしっかり照らせるようにすれば、踏み外すリスクを下げられます。

階段をおしゃれに見せるため

照明は階段をおしゃれに見せるためのものでもあります。照明の色温度や明るさによってその場所の見え方が変わります。

リビングの照明はもちろんですが、階段の照明もおしゃれなものを選択することをおすすめします。階段は毎日使うものですので、おしゃれにこだわることで気分も明るくなります。

また、照明はそれ自体もインテリアの一部になります。さまざまな形状の照明があるので、気に入ったデザインのものを取り入れることをおすすめします。

階段の照明の種類


写真:階段照明のご提案
出典:コンコルディア照明

照明にはさまざまな種類があります。 スポットライト、シーリングライト、スタンドライト、など。照明の中でも、階段に多く設置されるのは次の5つです。

  • ブラケットライト
  • ペンダントライト
  • シャンデリア
  • ダウンライト
  • フットライト

各照明の特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

ブラケットライト

ブラケットライトは壁に取り付けるタイプの照明です。側面に壁があるタイプの階段なら、取り付けることができます。ブラケットライトは照明の中でも使われることが多いタイプです。たとえば、折り返し階段(途中で180度向きを変える階段)の曲がる部分によく設置されます。

ブラケットライトのメリットは、製品の種類が豊富で、階段・住宅のイメージに合ったものを選びやすいことです。製品によって光の放たれ方が異なるのも面白い点です。

デメリットは、側面に設置するので良くも悪くも存在感が出てしまう点です。大きいタイプだと、荷物を持って昇り降りする際に邪魔になる場合もあります。また、ブラケットライト1〜2つだと階段全体を照らすのは難しく、ある程度の個数が必要になります。

ペンダントライト

ペンダントライトは天井からコードやロープなどで吊るすタイプの照明です。おしゃれなカフェやレストランでもよく見かけます。

ペンダントライトのメリットは、デザインが豊富なことです。見た目がおしゃれなものも多くあり、階段全体を美しく彩ってくれます。また、低い位置に吊るすこともできるので、視界に入りやすく、デザイン性の高さを活かすことができます。

デメリットは、吊るされているので地震が起きたときに落下する可能性があることです。また、低い位置に設置すると、身長が高い人にとって邪魔になることもあります。

シャンデリア

シャンデリアは多灯照明器具のことです。灯火を支持するための腕木が複数伸びているものを、一般的には指します。それぞれの光が美しく拡散するように設計されています。

シャンデリアにも色々なタイプがありますが、階段に多く使われているのはペンダント型です。ペンダントライト同様に天井に吊るして使います。

シャンデリアのメリットは、他にはないゴージャスな雰囲気を持っていることです。また、シャンデリアは洋風のイメージが強いですが、和風の製品も一部存在するため、階段・住宅のイメージに合わせて選択できます。

デメリットは装飾が凝っている分、掃除が大変なことです。細かい隙間にほこりや汚れが溜まりやすいので、ブラシなどでしっかりお手入れする必要があります。比較的シンプルなデザインのシャンデリアも中にはあるので、掃除を楽にしたい方は検討しましょう。

ダウンライト

ダウンライトは埋め込み照明のことです。天井に埋め込むようにして設置するのが特徴です。一般住宅の階段や廊下などによく設置されています。

ダウンライトのメリットは、見た目のシンプルさです。照明をあまり強調したくない場合におすすめできます。また、天井が出っ張らずフラットになるため、圧迫感がありません。加えて、埋め込まれている分ホコリが溜まりにくく、掃除が楽なのもメリットです。

デメリットは、照明の真下が眩しすぎる場合がある点です。また、ダウンライトは真下はよく照らしますが、広範囲を照らすのは得意としていません。ただ、最近は広範囲を照らせるものも一部あるので、階段に設置するならそのような製品がおすすめです。

フットライト

フットライトは足元に設置する照明のことです。メインというよりはサブの照明として設置されます。サブとはいえ、階段の安全性を高めるうえで重要になりえるものです。

天井や壁に設置された照明だけだと、足元が暗くなってしまう場合があります。そんなときは、フットライトも併用することをおすすめします。フットライトによって足元を照らせば、踏み外す可能性を下げることができます。

また、フットライトには人感センサー付きのタイプもあります。人感センサーがある場合、階段に近づくと勝手に点灯してくれるので、付けるのが面倒になりません。

フットライトのデメリットは、強いて言えば設置コストがかかる点です。とはいえ、足元が暗いようなら設置することをおすすめします。

階段照明の安全性を高めるポイント


写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」

続いて、階段照明の安全性を高めるためのポイントを紹介します。ポイントは次の2つです。

  • 眩しくならないようにする
  • 邪魔にならない位置に設置する

2つのポイントを意識することで、階段を踏み外すリスクを下げられます。安心して毎日昇り降りするためにも、安全対策は怠らないようにしましょう。

1つ1つのポイントについて詳しく解説していきます。

眩しくならないようにする

階段の照明は眩しくならないようにすることが大切です。光が直接目に入ってきたり、リビングや廊下と明るさが違いすぎたりすると、眩しくて目がチカチカしてしまいます。かえって足元が見えにくくなったり、立ち眩みを引き起こしたりすることもあります。

足元がしっかり照らされるようなら、それ以上の明るさは必要ありません。

眩しくならないようにするには、照明の位置を工夫する必要があります。目線の先に光源があると光が直接目に入ってくるので、場所を調整しましょう。

邪魔にならない位置に設置する

階段の照明は邪魔にならない位置に設置することも大切です。

壁に設置するブラケットライトの場合、荷物を持って昇り降りする際にぶつかってしまう恐れがあります。そのため、ぶつかりそうな位置は避けるようにしましょう。

また、ペンダントライトなど天井に吊るすタイプは、設置場所が低いと背が高い人の頭がぶつかってしまうかもしれません。目安としては、照明直下の段から2m以上の高さにすると、背が高い人も気にしないで昇り降りできるようになります。

階段照明をおしゃれにするポイント


写真:カツデン/シースルー階段「FRIS」

続いて、階段照明をおしゃれにするポイントを解説します。ポイントは次の2つです。

  • 階段・住宅と統一感を出すことを意識する
  • 好みの色温度にする

1つ1つのポイントについて詳しく解説していきます。

階段・住宅と統一感を出すことを意識する

階段・住宅のイメージに合う照明を選ぶことが大切です。どんなに美しい照明でも、階段・住宅に合わなければ浮いてしまい、おしゃれではなくなってしまいます。

たとえば、黒くて引き締まったスチール階段の場合、照明もシンプルで無駄なパーツが少ないものにすると、統一感を出すことができます。

また、段板がガラスでできているなど優雅な雰囲気のある階段の場合、照明をシャンデリアなどにすることで、よりゴージャス感を出すことができます。

好みの色温度にする

照明を選ぶ際は、色温度にも気をつける必要があります。色温度によって、照明の印象が大きく異なるためです。

色温度はだいたい3000K〜6000K程度が多いです。色温度が低いほどオレンジっぽくなり、明るくて元気な印象になります。色温度が高いと青っぽくなり、クールな印象になります。

また、色温度によって、次のような言い方をされることもあります。

  • 電球色:3000K前後
  • 温白色:3500K前後
  • 白色:4000K前後
  • 昼白色:5000K前後
  • 昼光色:6500K前後

色温度についても、階段のイメージに合わせて選択することが大切です。ただし、色温度が低すぎると眩しくなってしまうので、注意しましょう。

照明以外に階段の安全性を高めるうえで重要なこと


写真:カツデン/補助手すり

階段の照明を変えることは、踏み外しを防ぐのに効果があります。しかし、高齢者の方が家族にいる場合、他の安全対策も行うことをおすすめします。高齢者の場合足腰が弱くなっているため、足元がたとえ見えやすくても、バランスを崩して転倒する可能性があります。

階段の安全対策の中でも手軽に行えるものとして、次の2つをおすすめします。

  • 手すりを設置する
  • 踏面の滑り対策を行う

1つ1つの安全対策について詳しく解説していきます。

手すりを設置する

階段の安全性を高めるなら、手すりを設置することをおすすめします。手すりがあれば万が一踏み外しても、とっさに掴まって助かる可能性があります。

現在の建築基準法では、手すりの設置が義務化されています。両側に壁がある階段でも、どちらか一方には手すりを設置しなくてはいけません。また、壁がない側には、必ず手すりが必要となります。

建築基準法の改正前に建築された住宅には、手すりがないことも多いです。特に高齢者の方が家族にいるなら、手すりを後付けすることをおすすめします。

踏面の滑り対策を行う

階段の踏面(足を置く部分)の滑り対策を行うことも大切です。急いで昇り降りしているときは特に、滑って転倒する可能性があります。

簡単にできる滑り対策としては、滑り止めテープを貼ることが挙げられます。ただ、使っているうちにテープの一部が剥がれてしまうと、かえって危険性が高まってしまうので、剥がれたら貼り替えを行う必要があります。

滑り対策をしっかり行うなら、踏面を滑りにくいものに変更する手もあります。リフォームで滑り止め加工された段板に変更すれば、安全度が向上します。

まとめ

本記事では、階段の照明について解説しました。階段に多く設置されている照明の種類や、照明を変更することで階段の安全性・デザイン性を高める方法が、お分かりいただけたかと思います。

階段照明は、安全性とデザイン性と両立できるものを選ぶのがポイントです。そのためには、階段の大きさや形状に合った照明を選択する必要があります。階段全体を美しく魅せ、かつ足元までしっかり照らし、踏み外しを防げる照明を選択しましょう。足元がどうしても暗くなってしまうなら、フットライトを組み合わせるのがおすすめです。

また、家族に高齢者がいて階段の安全性をより高めたいなら、手すりを設置したり踏面を滑りにくい素材にしたり、といった対策も必要になります。

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