皆さん、こんにちは。カツデンの編集部です。
新居にガレージを設置したいと思うものの、設置後に後悔しないか不安という方は多いのではないでしょうか。ガレージはカーポートなどに比べ設置費用がかかるため、悩んでしまう方もいるでしょう。また、ガレージを活用するための階段のデザインをどうするかも、考えるべきことです。
本記事ではガレージのメリット・デメリットやガレージ階段を設置するポイントについて解説します。ガレージ階段の設置事例についてもまとめました。
本記事を読むことで、ガレージ設置後に後悔することがなくなります。新居にガレージを設置することを検討している方はぜひ参考にしてください。
ガレージとは?
写真:福岡県北九州市 T様邸〈ガレージ設計・建築工事〉
出典:株式会社喜信
ガレージとは、自動車やバイクなどの車を停めておくための場所の1種です。車を停めておく場所は、3つの種類に分けることができます。
- カースペース:壁も屋根もない場所
- カーポート:壁はないが屋根はある場所
- ガレージ:壁や屋根があり建物のようになっている場所
ガレージはカースペースやカーポートとは異なり、「建物」とみなされます。
ガレージには固定資産税がかかる?
固定資産税とは、所有する固定資産に対してかかる税金のことです。一軒家を建てた場合、固定資産税を支払う必要がありますが、ガレージの場合はどうなのか分からない方もいるでしょう。結論から言うと、ガレージにも固定資産税がかかります。
ガレージは建物とみなされるため、固定資産に分類されます。反対に、カースペースやカーポートや建物とはみなされないため、固定資産税はかかりません。
そもそも何をもって建物とみなされるのか、ご存知でしょうか。不動産登記規則第111条では「建物」を次のように定義しています。
「建物は、屋根及び周壁又はこれに類するものを有し、地に定着した建造物であってその目的とする用途に供し得る状態にあるもの」
ガレージには屋根と壁があり、かつ土地に固定されています。加えて、車を停めるという用途性もあるわけなので、建物に分類されてしまうのです。
ガレージの建ぺい率について
ガレージを設置する際にもう1つ考えなくてはいけないのが建ぺい率です。
建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合を指します。建築物は、地域によって定められた建ぺい率を超えないように建てないといけません。
建ぺい率がある理由は、全員が建物を敷地全体に広げると、建物が密集してしまうためです。建物が密集してしまうとプライバシーが保護されにくくなりますし、火事の被害が隣の建物にまで及ぶ可能性が高くなります。
先ほど解説したようにガレージは建物に分類されるため、建ぺい率を厳守する必要があります。建ぺい率は市役所の都市計画課などに問い合わせることで知ることが可能です。
ガレージを設置するメリット
写真:憧れのガレージハウスを平屋で叶える!
出典:新和建設
ガレージを設置するメリットは次の4つです。
- 車が汚れるのを防げる
- 車の乗り降りの際に雨に濡れなくていい
- 防犯性を高めることが可能
- 車を停める以外にも使える
これらのメリットに共感する方にはガレージがおすすめできます。1つ1つのメリットについて詳しく解説していきます。
車が汚れるのを防げる
ガレージの代表的なメリットは、車が汚れるのを防げることです。カースペースやカーポートと違い屋根も壁もあるため、雨や雪、紫外線、鳥のフンといったものから愛車を守ってくれます。
ガレージに保管することで、車のコーティングが長持ちします。コーティングが剥がれてしまうと、洗車しても汚れが中々落ちなくなったり、輝きが減ってしまったりします。
車を大切に扱いたい方やメンテナンスの手間を減らしたい方、売却価格を下げたくない方にガレージはおすすめできます。
ただし、後述しますがガレージは設置費用・管理費用が多くかかるため、売却価格が下がらないこと以上のメリットがあるかどうかは車の値段などにもよります。
車の乗り降りの際に雨に濡れなくていい
車の乗り降りの際に雨に濡れなくて良いのも、屋根があるガレージのメリットです。短時間とはいえ、髪や服が濡れるのは避けたいもの。せっかくのお出かけの日にいきなり濡れてしまうと、気分も沈んでしまいますよね。
また、屋根がないと車から出し入れする荷物も濡れてしまいます。ガレージならそういった心配もなく、快適に乗車することが可能です。
防犯性を高めることが可能
ガレージにはシャッターを付けることで防犯性を高めることができます。高級車でなくても、盗まれる可能性は決してゼロではありません。車は窃盗グループによって計画的に盗まれ、そのまま海外に売られたりバラして部品を売られたりすることがあるのです。
ガレージにシャッターをつけて施錠すれば、盗まれる可能性は格段に減ります。ただ、シャッターを毎回開くのが面倒に感じる方もいるでしょう。そういった方には、車の中から開閉が可能な電動シャッターがおすすめです。
車を停める以外にも使える
ガレージは車を停める以外にも様々な用途が考えられます。
スペースに余裕があれば、棚や倉庫を設置して収納場所にすることが可能です。車のタイヤやメンテナンス工具はもちろん、家の中に持ち込みたくない汚れやすいアウトドアグッズなども保管できます。
また、ガレージは車がない間、子どもたちの遊び場としても使うことが可能です。卓球など遊びを楽しむことができます。屋根があるため真夏は紫外線から守ってくれます。
ガレージを設置するデメリット
写真:プラン一覧・オプション製品
出典:GARAGE STYLE.COM
続いて、ガレージを設置するデメリットについて解説します。デメリットは次の3つです。
- 設置費用がかかる
- 管理費用がかかる
- 十分な敷地が必要
これらのデメリットが気になる場合、無理してガレージを選択しなくても、カーポートやカースペースで良いかもしれません。メリット・デメリットを両方把握し、折り合いを付けるべきか考えることが大切です。
1つ1つのデメリットについて詳しく解説していきます。
設置費用がかかる
ガレージはカーポートやカースペースよりも工事期間が長くなります。設置費用も当然多くかかってしまいます。
ガレージを選択する際は、本当に必要かどうかを検討することが大切です。設置したのにも関わらず使わないのは、大きな損失になると言えます。
また、ガレージの内装や階段などにこだわるほど、設置費用は高く付きます。ガレージのインテリアを重視する際は、予算とのバランスを考慮することが大切です。
管理費用がかかる
ガレージは設置費用だけでなく管理費用もかかります。冒頭でも触れたように、ガレージは固定資産税の対象になってしまいます。また、ガレージは掃除の手間もかかります。
定期的に綺麗にしないと、せっかくの愛車に埃が付いてしまったり、虫が棲み着いてしまう可能性もあります。ガレージの掃除は大変ですので代行してもらう手もありますが、クリーニング代も決して安くはありません。
管理費用を抑えたいならガレージを諦めるのも選択肢の1つです。
十分な敷地が必要
住宅の敷地内にガレージを設置する場合、十分なスペースが必要です。敷地が狭い場合、ガレージを設置できないかもしれません。
解決方法としては、インナーガレージを選択することが挙げられます。インナーガレージとは、住宅の中に組み込まれたガレージを指します。1階部分の一部を活用するわけですから、狭小敷地でもガレージを作ることが可能です。
ただし、インナーガレージにすると当然、居住面積が削られてしまいます。なので住宅は3階建てにしないと厳しい場合が多いです。
ガレージ階段を設置するポイント
写真:ガレージ階段施工風景
出典:北島工業
ガレージから第2の玄関に繋がる階段を設置したい場合もあるかと思います。また、ガレージを2階建てにする場合も階段が必要になります。
ガレージ階段を設置する場合、次の4つをポイントを意識することが大切です。
- メンテナンスするときのことを考える
- 荷物の運びやすさを重視する
- 階段下の活用方法を検討する
- ガレージ全体でデザインを検討する
階段は空間の中でも目立つものであり、ガレージ全体の印象を左右します。ガレージ階段に関しても、設置後に後悔しないように検討を重ねることが肝心です。
1つ1つのポイントについて詳しく解説していきます。
メンテナンスするときのことを考える
ガレージには屋根があるため、階段が雨に濡れる心配は少ないですが、湿気が原因で錆が発生する可能性はあります。錆の発生は破損に繋がりますので、階段の安全性を保つためにも、定期的なメンテナンスが必要になります。
また、木製の階段は腐食や劣化が早いため、メンテナンス頻度が増えてしまいがちです。メンテナンス頻度を減らしたいなら、コンクリートや金属の階段がおすすめです。
荷物の運びやすさを重視する
ガレージ階段は荷物を持ちながら昇り降りすることが多いため、荷物の運びやすさを重視することが大切です。ゆるやかな階段にしたり、スペースに余裕があるなら幅を広めにしたりすることで、転倒のリスクを減らすことができます。また、階段に滑り止めタイルを付けることも効果があります。
階段下の活用方法を検討する
敷地が狭い場合、ガレージを十分なスペースにすることが難しいです。ガレージが狭い場合は、階段下を有効活用したいところ。ここがデッドスペースになるのはもったいないです。
階段下には戸を付けて物置にすることもできます。階段下は天井の高さが変わるため、タイヤ、アウトドア用品など大きさが異なるものを効率的に収納できます。
ガレージ全体でデザインを検討する
ガレージ階段は利便性だけでなく、おしゃれにもこだわりたいところです。階段の見た目が美しいと、ドライブに行く際も気持ちが晴れやかになります。また、綺麗を保ちたいと思うようになり、掃除やメンテナンスにも身が入ります。
階段単体ではなくガレージ全体で見て美しいかを考えて、デザインを決めることが大切です。階段とガレージの色やデザインを合わせることで、統一感を持たせることができます。
たとえば、コンクリート打ちっぱなしの壁にスチール階段を組み合わせることで、スタイリッシュな雰囲気をより高めることができます。
ガレージ階段の施工事例
写真:「眺望を楽しむ高台のガレージハウス」 |
出典:山川設計
最後に、階段のあるガレージの施工事例を紹介します。
- 事例1.シースルー階段のある開放的なガレージ
- 事例2.ガレージの雰囲気に合った木製階段
- 事例3.モダンでスタイリッシュなガレージハウス
他の方がどのようなガレージを作り上げているか知ることで、自分好みのガレージを考えるためのアイデアも湧きやすくなりますよ。
1つ1つの施工事例について詳しく解説していきます。
事例1.シースルー階段のある開放的なガレージ
写真のガレージではシースルー階段が採用されています。シースルー階段は、骨組みと足を乗せる段板のみで構成されたシンプルな階段です。蹴込み板がない分、視線を遮ることがなく開放感をガレージに与えてくれます。階段の光沢も美しく思わず昇りたくなりますね。
事例2.ガレージの雰囲気に合った木製階段
写真のガレージには木製の階段が採用されています。木製はナチュラルな雰囲気を作ることができるのが魅力です。階段付近にある木の物入れや脚立と統一感を出せていますね。
ガレージ全体も広々として使いやすそうです。高低差のある敷地を利用したインナーガレージだそうです。インナーガレージは限られたスペースを有効活用できるのが特徴です。
事例3.モダンでスタイリッシュなガレージハウス
思わず憧れを抱いてしまうガレージハウスです。ガレージハウスは愛車をいつでもリビングなどから眺めることができるのが魅力です。建築コストはかかりますが、愛車をしっかり守れるという観点からもおすすめできます。
階段もモダンでスタイリッシュな雰囲気になっており、魅力を感じます。無駄がなく視線を遮ることがないシースルー階段は、ガレージの開放感を最大限に高めていますね。
まとめ
本記事ではガレージのメリット・デメリットやガレージ階段の設置ポイントについて解説しました。
雨風を防げる場所で車のメンテナンスができて、利便性・防犯性にも優れたガレージに憧れる方は多いかと思います。愛車を持つ方は、車を守るためにもガレージの導入もおすすめできます。ただし、ガレージは設置費用がかかるうえに固定資産税もかかるため、そのあたりも加味して導入するか決めることが大切です。
階段を設置する場合は、ガレージ全体を通してデザインを考えることが重要です。どんなに美しい階段でもガレージから浮いてしまっては意味がありません。また、荷物を持ちながら昇り降りしやすいかや、メンテナンスのしやすさにも気を配るようにしたいものです。