


皆さん、こんにちは。カツデン編集部です。
「新築ではリビングに階段を設置したいけど、リビング階段ってどうなの?」
「リビングに階段設置したら寒くないの?設置して後悔しない?」
このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。リビング階段は最近注目されているものの、まだ導入に抵抗を持つ方もいらっしゃるかもしれません。確かにリビングは家の中で1番の憩いの場であり、そこに階段を設置するというのは勇気も必要でしょう。
本記事では、リビング階段ってどうなのか?という点について解説します。リビング階段の特徴や寒さ対策、間取りの考え方、などについてまとめました。また、カツデンのリビング階段の施工事例についてもご紹介しています。
本記事を読むことでリビング階段に関する疑問を解決することが可能です。リビング階段に興味を持っている方はぜひ参考にしてください。
リビング階段とは?
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
リビング階段とは文字通りリビングに設置された階段を指します。ただし、リビングを通過して利用する階段もリビング階段に含まれる場合があります。
リビングに階段を設置することで、家族間のコミュニケーションが増えやすくなる、リビングがおしゃれになるなどのメリットがあります。特にインテリアを重視する人から人気が高いです。
ホール階段とは?
写真:ウィザースホームの建築実例詳細
出典:SUUMO
ホール階段は廊下(ホール)に設置された階段を指します。玄関から帰宅して、リビングを通らずに2階に上がることが可能です。昔の階段はホール階段が主流でしたが、2000年代以降から割合がどんどん減っていって、2024年現在では半分ぐらいと言われています。
ホール階段の場合、リビングを通過しなくて良いため、プライバシーが確保されやすいメリットがあります。反面、家族間のコミュニケーションが取りにくくなるデメリットがあります。
ホール階段とリビング階段はどちらも一長一短であり、どちらを選択すべきかは、好みの問題と言えます。
リビング階段のメリット
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA PREMIUM」
リビング階段のメリットは次の4つです。
- コミュニケーションが増えやすい
- リビングに開放感をもたらしてくれる
- 吹抜け+シースルー階段との相性が良い
- 様々な活用方法が考えられる
1つ1つのメリットについて詳しく解説していきます。
コミュニケーションが増えやすい
写真:カツデン/シースルー階段「FRIS」
リビングは家族が集まる場所であり、そこに階段を設置することで自然とコミュニケーションが増えることになります。階段を通らないと2階にある自分の部屋に辿り着けないため、リビングにいる家族と顔を合わせることになり、学校や会社で今日あったことなどを話すきっかけが生まれます。
また、来客があった際も、リビングにいるお客様と家族が挨拶する機会が増えます。お客様に家族の顔を覚えてもらうことができるでしょう。
ただ、これに関しては、「気を使わないといけない」ということでもあります。お客様がいる間にトイレや洗面所に行きたい場合、パジャマから着替えないといけなくなるかもしれません。この辺りに関しては、間取りを工夫することで対処できる可能性はあります。
リビングに開放感をもたらしてくれる
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
リビング階段の魅力と言えば何と言っても、開放感です。リビングから2階が見渡せるうえに、階段があるので視覚効果によってリビングが広く見えます。また、2階に窓がある場合は、日差しがリビング全体を照らしてくれるため、更に気持ちよさがアップします。
開放感があると毎日快適に過ごすことができます。気持ちがポジティブになり、学校での勉強や会社での仕事にも精を出せるようになるかもしれません。
また、インテリアを工夫することで、更に快適な空間を作り上げることが可能です。たとえば、階段の色と家具の色を合わせて統一感を出すなど、階段をデザインの一部として組み込みましょう。
吹抜け+シースルー階段との相性が良い
階段をリビングに設置するなら、吹抜け+シースルー階段にするのもおすすめです。
吹抜けとは1階の天井がなく上下階が繋がっている空間を指します。吹抜けに階段を設置することで、縦に広々としているように感じられます。
シースルー階段とは蹴込み板がない階段を指します。蹴込み板とは段板と段板と間を繋ぐ床と垂直の板のことです。蹴込み板がないため、階段の向こう側が見えるようになり、空間の広さを感じやすくなります。
吹抜け+シースルー階段にすることで、リビングの開放感をより高めることが可能です。開放感を高めることで、リビングでリラックスして過ごすことができます。
様々な活用方法が考えられる
写真:カツデン/片持ち階段「DANDEL」
ホール階段の場合、階段は単に昇り降りするものであり、階段下を収納やトイレとして使われることが多いですが、リビング階段の場合はさまざまな活用方法が考えられます。
例えば、階段下を作業スペースにすることが可能です。リビング内に作業スペースがあれば、家族との接点を持ちながら仕事などを行うことができます。他には、雨の日に洗濯物を干したり、懸垂器具として使ったり、さまざまな用途が考えられます。
なお、階段下を子どもの遊び場として活用したい人もいるかもしれませんが、階段に頭をぶつけたり上から物が落ちてきたりする可能性もあるため、注意が必要です。
また、「収納スペースがどうしても足りない」という場合は、階段下を収納スペースにすることも一応可能ですが、ホール階段の方が収納できる量が多いため、効率的な活用方法かと言われると難しいところです。とはいえ、おしゃれな収納箱を置くなどして、収納スペースもインテリアの一部として活かすのであれば選択肢としてありでしょう。
リビング階段のデメリットと対策
リビング階段のデメリットは次の3つです。
- プライバシーが確保されなくなる
- 小さい子どもが昇ってしまう可能性がある
- 音や臭いが広がりやすい
各デメリットについて対策も併せて解説していきます。
プライバシーが確保されなくなる
リビング階段のデメリットはプライバシーが確保しにくくなる点です。
リビングに階段を設置すると、帰宅後に2階の自分の部屋へ向かうのに必ずリビングを経由する必要があります。コミュニケーションが増えることに繋がる一方、必ず家族と顔を合わせないといけないのが、面倒だと感じる場合もあります。
特に思春期の子どもは1人の時間が欲しいと感じることが多く、すぐに部屋にこもりたいと思うようになる場合もあります。
対策:トイレと洗面所を2階にも設ける
リビング階段にする以上、プライバシーを完全に確保することは難しいです。コミュニケーションの取りやすさとプライバシーの確保は基本的にはトレードオフとなります。
それでもプライバシーを守りたい場合は、トイレと洗面所を2階にも設けることをおすすめします。トイレなどが2階にあれば、頻繁にリビングに顔を出すことは避けられます。
また、思春期になるとトイレや洗面所に向かう様子を親に見られることを恥ずかしいと感じる場合もあるので、その点からも2階に設けた方が良いです。
小さい子どもが昇ってしまう可能性がある
リビングで遊んでいた小さい子どもが、いつの間にか階段に昇ってしまう可能性もあります。両側に壁がない階段の場合、手すりの隙間から落下し大怪我を負ってしまうかもしれません。
子どもの様子をずっと見守っているというのがもちろん理想ですが、来客が玄関に来た場合など、目を離さざるを得ない場合もあります。また、キッチンが独立している場合、料理しながら子どもの様子を見るのが難しくなります。
対策:安全ネットを付ける
子どもがまだ小さい場合は、階段に安全ネットを付けるのがおすすめです。
安全ネットを付ければ、横から落下しても大怪我を負わなくて済みます。安全ネットは子どもが大きくなったら取り外せるので、景観を損ねる心配がありません。その上、5,000円程度で購入可能です。
他には、子どもが階段に昇るのを防ぎたいなら、ベビーゲートを付ける手もあります。ただ、取り付けの手間と費用がかかります。
音や臭いが広がりやすい
写真:カツデン/シースルー階段「FRIS」
リビングと2階が繋がるため、音や匂いが気になることもあります。
テレビの音や会話が2階の個室にいてもうるさいと感じる場合があります。また、キッチンがリビングから独立していない場合、料理の匂いも気になることがあります。
特に、吹抜けに階段を設置すると開放感が高まる一方、音や匂いが広がりやすくなります。
対策:2階の個室を防音ドアにする
騒音対策に関しては、2階の個室を防音ドアにするのがおすすめです。音は振動によって伝わります。ドアの隙間を埋めて部屋の空気と外の空気を分離できれば、音は聞こえなくなります。防音ドアにはゴムパッキンが付いていて、隙間を埋めてくれます。
防音ドアは安いものだと5万円程度で買えますが、防音性能が低いものが中心です。しっかり騒音対策を行いたいなら、20〜30万程度のドアを購入することをおすすめします。
対策:換気扇を強力なものにする
匂い対策に関しては、換気扇を強力なものと交換するのがおすすめです。最近では換気扇も進化していて、音が静かでかつ換気力が高い製品もあります。
リビング階段は寒い?代表的な寒さ対策
写真:【2023年】20畳以上向けのエアコンのおすすめ18選 部屋の特徴に合わせて選ぼう
出典:ビックカメラ
冬場に限った話しですが、リビング階段は寒い、と言われることもあります。確かに、リビングと2階を遮るものがないわけですから、冷暖房の効きはホール階段よりは悪くなることは多いです。
また、コールドドラフト現象というものがあります。冷たい空気は下に溜まり、暖かい空気は上に溜まるという現象のことです。そのため、暖房の空気が2階に行ってしまう可能性があります。
しかし、最近の家は気密性や断熱性に優れているため、リビング階段でもそこまで寒くないことが多いです。そのため過剰に気にしすぎることはありません。とはいえ、冷暖房代はなるべく節約したいもの。
そこで、リビング階段の寒さ対策についてご紹介します。代表的な寒さ対策は次の4つです。
- 住宅の気密性・断熱性を高める
- 空気を循環させる
- リビングと階段を仕切る
- 床暖房を導入する
これらの対策を取ることで、リビングが寒いと感じにくくなり快適に過ごせるようになります。簡単にできる対策もありますので、ぜひ参考にしてみてください。1つ1つの対策について詳しく解説します。
住宅の気密性・断熱性を高める
写真:マンションの断熱|住まい選びのコツ
出典:リノベーションの株式会社リビタ
まず重要なのが、住宅の気密性・断熱性を高めること。気密性とは簡単に言うと、家に隙間が少なく、暖房の風が外に逃げ出さない性能のことです。断熱性とは、外の熱気や冷風を室内に入れないように遮断する性能のことです。
気密性・断熱性を高めるには、家の窓を少なくしたり気密性・断熱性に優れた窓を採用したりする方法があります。
空気を循環させる
写真:シーリングファンライト リモコン付き
出典:楽天市場
コールドドラフト現象を防ぐために空気を循環させることが大切です。換気扇やサーキュレーターを利用して、暖かい空気と冷たい空気を循環させましょう。換気扇などには料理の臭いが2階に広がってしまうのを防ぐ効果もあります。
リビングと階段を仕切る
写真:防音ドア ノンケーシング 室内ドア
出典:Yahoo!ショッピング
リビングと階段を何らかで遮るようにすれば、冷暖房の風はリビングに留まってくれます。
例えば、2階に上がったところに扉をつける方法があります。扉をつければ気密性・断熱性は格段に上がるでしょう。ただ、階段をインテリアとして活かしにくくなってしまいます。
床暖房を導入する
写真:床暖房にはどんな種類がある? 選ぶ際のポイントも解説
出典:ホームズ
寒いのが気になるという場合、思い切って床暖房も導入するのも手です。寒さは足元からくるとよく言われますが、床暖房があるだけでかなり寒さを乗り越えやすくなります。また、床暖房はエアコンと違い空気が乾燥しにくいのもメリットです。
もちろん、床暖房は導入費用がかかります。あくまで目安ですが、1畳あたり6〜10万円程度かかってきます。とはいえ、リビングを快適な空間にしたいのであれば、投資する価値は十分にあると言えるでしょう。
リビング階段の間取りはどうする?
写真:リビング階段(リビングイン階段)はどうつくる? 寒さ対策や間取り例を紹介
出典:SUUMO
リビング階段を設置する場合、悩みどころなのがリビングのどこに設置するのか、という点。リビング階段の間取りとしては、次の3パターンが考えられます。
- リビングの入り口付近につける
- リビングの真ん中につける
- リビングの奥につける
それぞれの間取りのメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
リビングの入り口付近につける
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
まず、リビングの入り口付近につけるパターンです。玄関から帰ってすぐに2階に上がれるようになるため、生活動線がスムーズになるメリットがあります。
また、入り口付近に階段があるなら、来客がある際もあまり気を使わずに済むでしょう。来客が多いなら入り口付近につけるのは良いかもしれません。
ただし、家族間のコミュニケーションの機会は減ってしまいます。とはいえ、ホール階段とは違い、子供の帰りなどは確認しやすくはなります。
リビングの真ん中につける
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
2つ目がリビングの真ん中につけるパターンです。真ん中につければ当然階段の存在感は増します。おしゃれな階段を真ん中につけることで、リビング全体もおしゃれにすることが可能です。
また、階段を使う際はリビングの真ん中まで来ないといけないため、必然的に家族が顔を合わせる機会が増えます。コミュニケーションを増やしたいという場合、真ん中につけるのはおすすめです。
ポイントは、家具のレイアウトや種類をしっかり計画することです。生活動線をスムーズにしつつ、階段のイメージに合った家具を配置することが大切です。
リビングの奥につける
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
3つ目はリビングの奥につけるパターンです。奥につける場合、家具のレイアウトに支障がないというメリットがあります。
また、入り口につける場合と違い、コミュニケーションの機会も減りません。ただ、階段まで行くのが若干面倒にはなるのと、来客がある際に気を使わないといけないのが難点です。
リビング階段の形状はどうする?
階段はさまざまな形状のものがあります。
- 直階段:まっすぐな形状の階段
- かね折れ階段:途中で90度に曲がる階段
- 回り階段:途中で90度に2回曲がる階段
- らせん階段:くるくると回りながら昇る階段
基本的には住宅の間取りや条件に併せて、階段の形状を決めることになります。たとえば直階段の場合、ある程度の直線距離が必要となります。また、らせん階段は省スペースに設置できますが、設置場所は吹抜けにする必要があります。
後は、安全性や設置費用なども考慮して選ぶと良いです。たとえば、直階段は設置費用がもっとも安いです。かね折れ階段や回り階段の場合、設置費用は高くなりますが、直階段より安全性は高まります。途中で折れ曲がるため、踏み外しても下まで落下しないためです。
リビング階段の下の活用方法
階段には大きく、箱階段とシースルー階段があります。箱階段は蹴込み板があり、下が見えなくなっています。箱階段の下は収納スペースやトイレにする場合が多いです。
一方で、シースルー階段は蹴込み板がなく、下には何も設置しない場合が多いです。ただ、シースルー階段の下は棚を置いて小物を飾ったり、机を置いてワークスペースにしたりすることもできます。
階段下に何か物を置くなら、階段本体とのバランスを考慮し景観を損ねないようにすることが大切です。たとえば、階段が和テイストなら、階段下も和風の棚や小物を配置することを意識すると、統一感が出て散らかっている印象を受けなくなります。
リビング階段の製品例
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
最後に、カツデンのリビング階段の施工事例についてまとめました。カツデンではさまざまな階段製品を提供していますが、その中でも今回は以下の3つをご紹介します。
- ObjeA
- FRIS
- DANDEL
各製品の特徴やメリット、バリエーションについて詳しく解説していきます。
ObjeA
ObjeAはシンプルなデザインのリビング階段です。細いデザインにしているため、太陽の光をしっかりリビングに届けてくれて、開放的な空間をもたらしてくれます。また、バリエーションの豊富さもObjeAの魅力です。好みや間取りに応じて、ささら桁や段板、手すりを幅広いバリエーションから選択できます。
製品紹介

FRIS
FRISは壁とロッドのみで固定されたリビング階段です。ささら桁がなく、照明や日光を最大まで活かすことができます。華奢なデザインであるものの、ロッドが格子状になっているため揺れにくく、安全性が高いため安心して使い続けられます。
また、価格がリーズナブルなのもFRISの魅力です。地域によって異なりますが、ロッドを手すりとして見なして良い場合があり、その場合更にコストを抑えられます。それでいて形状のバリエーションが豊富で「ストレート」「上 / 下曲がり」「Uターン」から選べます。
製品紹介

DANDEL
DANDELは片持ち階段のリビング階段です。片持ち階段とは、片方の壁のみで固定された階段を指します。まるで宙に浮いているかのような印象を受けます。無駄がなく洗練されたデザインでもあり、おしゃれを極めたい方や他とは違うデザインにしたい方におすすめです。
製品紹介

まとめ
本記事ではリビング階段について解説しました。リビング階段の特徴や間取りの考え方、製品例などがお分かりいただけたかと思います。
リビング階段のメリットはやはり、コミュニケーションが増えることにあります。特に子供が思春期になると、会話が減ってしまうことも多いので、顔を合わせる機会を自然と増やせる間取りを意識することは大切です。
また、「リビング階段は寒い」と言われることもありますが、本記事で紹介した対策を打てば、そこまで寒いと感じることもありません。インテリアを損なわずに、寒さ対策をする方法も多くあります。
予算面も考慮しつつ、長く気に入って使えるリビング階段をぜひ導入してください。