皆さん、こんにちは。カツデンの編集部です。
スケルトン階段に興味があるものの、既製品を選択すべきか、思い切ってオーダーメイドを注文してみようか悩んでいるという方も多いのではないでしょうか。既製品とオーダーメイドでは、費用や自由度が大きく異なります。
本記事ではスケルトン階段は既製品とオーダーメイド、どちらが良いかについて解説します。それぞれのメリットを解説しますので、参考にしてください。
そもそも既製品とオーダーメイドの違いは?
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
そもそも既製品とオーダーメイドの違いは何なのか、についてまず解説します。オーダーメイドはセミオーダーとフルオーダーの2種類に分けることができます。つまり、階段には次の3つの設置方法があるということです。
- 既製品
- セミオーダー
- フルオーダー
これら3つの定義について順番に説明していきましょう。
既製品
写真:ユニ・クール E
ネット出典:AIネクスト
既製品とは、注文されて作るのではなく、すでに完成された製品を指します。規格品と呼ばれることもあります。
たとえば洋服の場合、衣料事業者が各デザインの服をサイズ別に大量生産し、それが店頭に並べられます。ユーザーは店頭にある服から、体型や好みに合ったものを選び購入します。
階段の場合、完全な既製品を販売している業者はほぼありません。大抵の場合、形状・カラーなど、一部分を変更することはできます。
既製品に近いもので言いますと、AIネクストのユニ・クール Eが該当します。ユニ・クール Eは、2つのフレームデザイン、かつストレートタイプのみに限定されています。カラーや手すりの形状などは多少の選択肢があります。また、階高(床から上階の床までの高さ)に関しては5ミリ単位で調整可能です。
既製品のメリット
既製品のメリットは価格が安いことです。予め決められた基準に沿って制作するため、安く抑えることができます。また、制作期間も短いことが多いです。
ユニ・クール Eは、手に取りやすい価格であることをアピールしており、希望小売価格は650,000円(税別)です。あくまで参考価格ですが、スチール階段の中では安いです。
AIネクストでは、ユニ・クールという別のシリーズも販売しているのですが、そちらは686,000円(税別)〜+ オプションとなっています。手すりの変更や踊り場の導入などで別途オプション料金がかかった場合、高額になる可能性もあります。
ただし、階段の値段は素材や形状によって大きく変わるため、既製品=安いとは必ずしもならない点は注意してください。
既製品のデメリット
既製品のデメリットは、細かい箇所は変更できないため、理想通りの階段を完成させられない、あるいはそもそも設置が難しい可能性があることです。
自由度に関しては、安さとトレードオフなので仕方がないとも言えます。階段の利便性やおしゃれ感を高めたいなら、ある程度予算を費やす必要があります。
また、階段の安全度を高めるためのオプションも付けることができません。セミオーダーの場合、製品にもよりますが、手すりにパネルを付ける、といった落下防止対策が可能です。
セミオーダー
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
セミオーダーは予め決められたスタイルから、要所要所をカスタマイズすることができる製品を指します。カツデンではObjeAを始め、セミオーダーの階段製品を複数扱っています。また、他のメーカーでは、横森製作所、ウッドワン、タハラなどもセミオーダーで階段を製作しています。
セミオーダーの場合、階高、掛け幅(階段の横幅)や段板の幅、形状などを住宅の間取りに合わせて変更することが可能です。そのため「設置が難しい」という状況を回避できます。
既製品のユニ・クール Eでは形状はストレートしか選択できませんでしたが、ObjeAでは次の6つの候補から選べます。
- ストレート
- 上曲がり
- 下曲がり
- L型
- Uターン
- ミニモ
また、ささら桁のデザインや手すりの形状、段板の種類などもObjeAではカスタマイズすることが可能です。
その他、ObjeAには多くのオプションが用意されています。たとえば、蹴込み板を付けられる、上段框を付けられる、などがあります。施工主はどのオプションを組み合わせるか、階段メーカーと話し合いながら決めていくことができます。
セミオーダーのメリット
セミオーダーは既製品に比べ自由度が高く、住宅の間取りに合わせやすいのがメリットです。また、製品によってはデザインのバリエーションも豊富で、好みや住宅のイメージに合わせたものを選択できます。
加えて、オプションを付けることで、安全性を高められるメリットもあります。カツデン以外ですと、横森製作所のシステアは、ささら桁の一部デザインの角部分に安全クッションを付けられます。また、LIXILのFisは特注で階段にフットライトを設置することが可能です。
また、既製品・セミオーダーに共通するメリットとして、強度や安全性、品質などの試験を実施しやすいことが挙げられます。対してフルオーダーは、強度計算はされていても、試験まで実施することはほぼありません。既製品・セミオーダーはすでにデザインが決められており、そのデザインでの試験が実施できますが、フルオーダーはそれが難しいためです。
セミオーダーは安心して長い期間使用できることと、自由度の高さを両立しています。
セミオーダーのデメリット
セミオーダーのデメリットは、既製品よりは費用が上がってしまう点です。予算に余裕がない場合、気に入ったオプションを断念しないといけないこともあります。
とはいえ、先ほども解説した通り、安さと自由度はトレードオフです。値段だけを見て決めると、後で後悔する羽目になります。
また、メーカーによって変更できる箇所やオプションは異なります。更に言えば、同じメーカーでも製品によって違います。
フルオーダー
写真:階段が描くメタルスパイラル。 – Aichi Metal
ネット出典:アイチ金属
フルオーダーとは、依頼人のためだけに1から設計・作成することを指します。フルオーダーの形態を取っているメーカーに、アイチ金属があります。
アイチ金属のサイトには、施工事例は掲載されているものの、製品情報はありません。セミオーダーは予め存在する製品をカスタマイズしていくやり方でしたが、フルオーダーは階段の形状や素材など、すべてをまっさらな状態から決めていきます。オプションという概念もありません。
アイチ金属では発注を受けると、造作の必要不必要などをまず確認します。対応可能と判断したら、正式に発注してもらい、扱う素材や階段の加飾方法などを決めていきます。それが完了したら、ようやく製作工程へ移行します。
なお、フルオーダーは全てを自由にやれるというわけではなく、メーカーの技術的な問題などでできないことはもちろんありますし、建築基準法などの法律的な制約もあります。
フルオーダーのメリット
フルオーダーのメリットは、自分の要望を反映しやすいことです。1から設計するため、細かい部分の調整が可能です。
1つ例を紹介します。下記はアイチ金属の施工事例です。
この階段の、住宅に合わせて曲線を描くフレームの形状は、セミオーダーでは対応が難しい場合もあります。
フルオーダーのデメリット
フルオーダーのデメリットは、1から作らなくてはいけないため、費用が高額になることです。また、制作期間も長くなります。
フルオーダーについては、費用相場を挙げることが困難です。どこまでこだわるかによって、500万、1000万……と際限なく増えていくためです。
自由に決められるからと細部までこだわってしまうと、予算をオーバーしてしまうかもしれません。
スケルトン階段の設置費用をなるべく抑えるには
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
スケルトン階段はささら桁のある通常の階段に比べると、設置費用が高くなってしまうことも多いです。普通の階段は20万程度で設置できることもありますが、スケルトン階段だとかなり安い製品でも30万円以上する場合が多いです。
既製品に興味がある方は、設置費用をなるべく抑えたいと思っている方が多いかと思います。そこで、スケルトン階段の設置費用を抑える方法を紹介しましょう。
- シンプルな形状を選択する
- 階段の素材を検討する
この2つの方法を実行することで、設置費用を抑えられる可能性があります。1つ1つの設置費用を抑える方法について詳しく解説しましょう。
シンプルな形状を選択する
設置費用を抑えたいなら、シンプルな形状のスケルトン階段がおすすめです。具体的には、まっすぐな形の直階段が良いでしょう。途中でL字に折れる階段や2箇所折れ曲がる回り階段は、形状が複雑な分、施工費がかかります。
階段の素材を検討する
階段の素材は木・スチール・アルミなどがあります。木の階段は比較的安い場合が多いです。スチールの場合、高価で大きい加工設備が必要なうえに、加工にはスキルと時間を有するため、コストが高くなってしまいます。
スケルトン階段を設置するなら、木で作った方が費用を抑えられます。
とはいえ、木よりもスチールのシャープな雰囲気に憧れる方も多いでしょう。その場合は、手すりだけスチールにするのもおすすめです。手すりは階段の印象を大きく変える役割を持つため、手すりだけスチールにしてもかっこよい見た目になります。もしくは、階段の一部のみをスチールにする、という選択肢もあります。
スケルトン階段の製品例
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
最後に、カツデンのスケルトン階段の製品例をご紹介しましょう。カツデンではセミオーダーの形式を取っています。他メーカーのセミオーダーよりもカスタマイズの自由度があるのが、カツデンの大きなメリットです。
カツデンのスケルトン階段の製品例は次の通りです。
- シースルー階段「ObjeA」
- フレキシブル階段「FRIS」
- 片持ち階段「DANDEL」
- 立体トラス階段「DEROUS」
1つ1つの製品の特徴やメリットについて詳しく解説していきます。
シースルー階段「ObjeA」
ObjeAはカツデンの代表とも言える製品です。カツデンではスケルトン階段ではなくシースルー階段として提供していますが、意味はほぼ変わりません。
ObjeAはスケルトン階段の良さを活かすべく細身でシンプルなデザインになっています。シンプルなデザインなので、どのようなリビングに設置しても違和感がありません。
また、ObjeAはバリエーションも豊富であり、カラーや段板の素材、ささら桁や手すりの形状などを多くの種類から選ぶことが可能です。
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フレキシブル階段「FRIS」
FRISはささら桁をなくし、壁とロッドのみで固定したカツデンの製品です。ささら桁がない分、通常のスケルトン階段よりさらに採光性に優れています。リビングの真ん中に設置しても、照明や日光を遮ることなくリビング中に行き渡らせることができます。
またFRISは、「最初の5段だけ入れ替える」「階段の折返し部分まで入れ替える」といったリフォームに対応しやすいのも特徴です。
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片持ち階段「DANDEL」
DANDELはカツデンが提供する片持ち階段です。片持ち階段とは、片方の壁のみで段板を固定している階段のことです。シースルー階段からささら桁をなくしており、まるで空中に浮いているかのようなデザインをしています。
片持ち階段は揺れやすさを心配する方も多いかもしれませんが、DANDELは強度もしっかり備わっています。写真を見て分かる通り、無駄が一切ない洗練されたデザインをしています。さらに、段板の影もおしゃれな雰囲気を作り出してくれます。
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立体トラス階段「DEROUS」
DEROUSは「異形丸鋼」という素材が使われているスケルトン階段です。異形丸鋼は鉄筋コンクリートの骨組としても使われており、力強い見た目が特徴的です。他にはないどこか古めかしい雰囲気に惹かれる方も多いのではないでしょうか。アンティークなタンスや机などの家具と合わせやすいのも魅力です。
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まとめ
本記事では、スケルトン階段は既製品とオーダーメイド、どっちが良いか?について解説しました。既製品・セミオーダー・フルオーダー、それぞれの特徴がお分かりいただけたかと思います。
まとめると、既製品は費用を抑えたい方、フルオーダーは細部までこだわりたい方におすすめです。また、費用をできるだけ抑えつつ、オリジナリティも出したい方にはセミオーダーをおすすめします。
スケルトン階段は採光性の高さやインテリアとしての良さから、リビングに設置する階段として人気が高いです。「スケルトン階段を設置して良かった!」と思えるように、どのような階段を選択すべきか、費用やデザイン面などさまざまな観点から考えると良いでしょう。