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KATZDENブログ
2025.04.10 コラム

スケルトン階段は老後に後悔する?対策やメリットを解説!

この記事の監修

二級建築士 一級建築施工管理技士/課長 紀熊
二級建築士 一級建築施工管理技士/課長紀熊

新居の階段をスケルトン階段にしたいと思っているものの、「老後に後悔するんじゃないか?」という不安がある方も多いのではないでしょうか。スケルトン階段に限った話ではありませんが、階段を設置する際は老後のことまで考えて安全対策を行うことが大切です。

本記事では、後悔しないためのスケルトン階段の老後対策について解説します。また、スケルトン階段のメリットについてもまとめました。

本記事を読むことで、スケルトン階段の安全性を高めることができ、老後も安心して暮らせるようになります。階段の設置やリフォームを検討している方は参考にしてください。

スケルトン階段とは?


写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」

スケルトン階段とは段板(足を乗せる板)と骨組みのみで構成され、蹴込み板(段板と段板の間を繋ぐ垂直の板)がない階段を指します。シースルー階段やオープン階段、ストリップ階段と呼ばれることもあります。

対して、蹴込み板が存在し箱が積み重なっているように見える階段は箱階段と呼びます。

蹴込み板がないスケルトン階段は、下が見える状態になります。階段下には何も設置しないことで、開放感が出るのがスケルトン階段の特徴です。一方で箱階段の場合、下が見えない状態になります。箱階段の下は収納スペースなどにすることが多いです。

スケルトン階段は老後でも安心して使える?

「年を重ねて足腰が弱くなってくると、スケルトン階段は危ないんじゃないか」このような心配をする方もいるのではないかと思います。

確かに、スケルトン階段には蹴込み板がないため、足を奥まで入れすぎてしまい、足を持ち上げる際に段板にぶつけてしまう可能性は考えられます。足腰が弱くなっている場合、ぶつけることでバランスを崩してしまう場合もあります。

しかし、このようなリスクに対応することは可能です。階段の安全対策をしっかり行っておけば、スケルトン階段でも老後安心して使い続けることができます。

また、スケルトン階段には、デザイン性が良いことや開放感があることなど多くのメリットがあります。デザイン性が高いためリビングに設置する階段として向いています。階段を選ぶ際は、デメリットだけでなくメリットにも目を向けて判断することが大切です。

後悔しないためのスケルトン階段の老後対策


写真:カツデン/階段手すり

後悔しないためのスケルトン階段の老後対策は次の5つです。

  • 手すりにパネルを設置する
  • 蹴込み板を設置して間をふさぐ
  • 階段の勾配を緩くする
  • 直階段よりかね折れ階段や回り階段を選択
  • 家庭用昇降機を設置する可能性を考慮する

老後になって後悔しないために、新居を建てるときから対策を立てておくことが大切です。後で階段をリフォームする手もありますが、勾配を緩くする場合などは階段自体を壊して再製作する必要があり、リフォーム代が高くついてしまいます。

1つ1つの対策方法について詳しく解説していきます。

手すりにパネルを設置する

手すりにパネルを付けることで階段横からの転落に備えることができます。

パネルを付けるとスケルトン階段の開放感が薄れてしまう場合があります。しかし、透明なパネルならそこまで開放感を削ぐことなく、安全性を高められます。

また、パネルを付けることで心理的に安心できるメリットもあります。

カツデンのスケルトン階段製品も、手すりにパネルを付けることが可能です。カツデンでは強化ガラスのパネルを付けることができます。ガラスパネルはアクリルに比べて耐薬品性や耐熱性が優れているのが特徴です。

手すり自体は老後関係なく設置する

そもそも階段に手すりが付いていない、という場合はすぐに付けることをおすすめします。足腰が衰えていない方でも、手すりがないと事故に遭う可能性があるためです。足を踏み外した際や立ち眩みが起きた際に、手すりがないとそのまま落ちて大怪我に繋がります。

また、現在の建築基準法では手すりの設置は義務化されています。建築基準法では「高さ1m以上の階段の少なくとも片側には手すりが必要」「手すりがない側には壁が必要」と定められています。しかし、この決まりができたのは平成12年からであり、それ以前の階段には手すりがない場合も多くあります。

手すりがないと現行の安全基準を満たしていないので、リフォームして付けることをおすすめします。

蹴込み板を設置して間をふさぐ

スケルトン階段に蹴込み板を設置して、間をふさぐのも安全対策の1つです。蹴込み板は、深く踏み込んだときにつまずくのを防止するものでもあります。また、下が見えなくなるので、恐怖感を減らせるというメリットもあります。

カツデンのスケルトン階段製品の場合、パンチングパネルやアクリルパネルの蹴込み板を設置できます。

ただし、蹴込み板を設置すれば、スケルトン階段特有の開放感は損なわれてしまいます。また、採光性や風通しの良さも失われてしまいます。

そのため、これから階段を設置する場合は蹴込み板なしのスケルトン階段にして、年を重ねて安全性を高める必要性が出てきたらリフォームで設置するのも選択肢の1つです。

階段の勾配を緩くする

スケルトン階段に限った話ではありませんが、勾配(傾き度合い)を緩くした方が昇り降りしやすくなります。足腰が弱くなっている高齢者は、足を高く持ち上げるとバランスを崩す可能性があるためです。勾配は39度〜43度くらいにすると高齢者でも使いやすいです。

建築基準法では階段は「蹴上23cm以下、踏面15cm以上」に設計しなければいけないと定められています。ただ、この基準はあくまで最低ラインです。蹴上23cm、踏面15cmにしてしまうと、勾配は57度程度になり、かなり昇りにくくなります。

蹴上はもう少し短く、踏面は長くすることで勾配を緩くすることができます。ただし、その分段数が増えてしまい、費用が高くなる点には注意が必要です。

直階段よりかね折れ階段や回り階段を選択

階段の形状には次のようにさまざまな種類があります。

  • 直階段:まっすぐ昇降する階段
  • かね折れ階段:途中で90度折れ曲がる階段
  • 回り階段:途中で90度に2回折れ曲がる階段
  • らせん階段:くるくると旋回しながら昇降する階段

もっとも費用を抑えられるのはシンプルな直階段ですが、安全性を高めるならかね折れ階段や回り階段を選択することをおすすめします。

足を踏み外した場合でも、かね折れ階段などは折れ曲がった部分に留まることができ、大怪我は免れる可能性があるためです。

家庭用昇降機を設置する可能性を考慮する

家庭用昇降機を将来設置する可能性を考慮することも大切です。家庭用昇降機とは高齢者や足が不自由な方でも階段を昇れるようにしたもので、壁にレールを取り付けて、レールの上を椅子が移動できるようになっています。

家庭用昇降機を設置する場合、階段幅が狭くなってしまい、普通に階段を使用する方が昇り降りしにくくなってしまう場合があります。

建築基準法に従うだけなら階段幅は75cm以上にすれば問題ありません。しかし、75cmだと家庭用昇降機を設置しにくくなってしまいます。階段昇降機は折りたたんだ状態でも25cm〜30mもあるためです。

階段幅が100cm程度あるなら、家庭用昇降機を付けても昇り降りしやすくなります。もし将来、家庭用昇降機を設置する予定があるなら、階段幅に気をつけましょう。

スケルトン階段での子どもの事故を防ぐには?


写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」

階段は老後の安全対策も大切ですが、小さい子どもの安全対策も重要です。小さい子どもの場合、階段で遊んでしまって事故に繋がることがあります。スケルトン階段の場合、蹴込み板がないので、子どもが隙間に入って遊んでしまう可能性もあります。

そこで、小さい子どもがいる期間のみ、転落防止ネットを付けることをおすすめします。ネットを付ければ、落ちても大怪我を防ぐことができます。子どもが大きくなったらネットは取り外せば良いので、スケルトン階段の美しさを損ねる心配はありません。ただし、ネットを取り付けたことによって階段が傷つく可能性も高いため、補修業者に依頼することも考慮に入れましょう。

また、階段上、階段下にベビーゲートを付けるのもおすすめです。ベビーゲートを付ければ、子どもが階段を昇ることはできなくなります。

スケルトン階段のメリット


写真:カツデン/シースルー階段「FRIS」

スケルトン階段のメリットは次の5つです。

  • デザイン性に優れている
  • 開放感がある
  • 採光性を高められる
  • 風通しが良くなる
  • 吹抜けとの相性が良い

スケルトン階段はきちんと対策を立てれば、老後も安心して使い続けることができます。また、箱階段に比べて良い面が多くあるので、スケルトン階段に憧れる方は検討してみましょう。

1つ1つのメリットについて詳しく解説していきます。

デザイン性に優れている

スケルトン階段はデザイン性に優れているのもメリットです。段板と骨組みのみという最小限のパーツのみで構成されているため、無駄がなく美しさを感じさせます。

特に、素材をスチールにした場合、美しさが高まります。スチールは光沢が綺麗でシャープさを感じさせるのが魅力です。また、耐久力もあるため細いデザインも選択できます。

スケルトン階段はデザイン性の高さから、リビングに設置する階段として特に適しています。リビングの家具や壁紙と、階段の色合い・雰囲気を合わせることで、更におしゃれにすることが可能です。

開放感がある

スケルトン階段は開放感が高いのもメリットです。蹴込み板がないため、階段が視界を完全には遮りません。リビング中央に設置しても、階段の向こう側を見ることができます。そのため、圧迫感を抱きにくく、空間が広く感じる効果があります。

採光性を高められる

スケルトン階段は採光性が高いのもメリットです。

階段の2階部分に窓を設置した場合、1階まで光を通してくれます。リビングにスケルトン階段を設置した場合、リビングを明るい空間にすることが可能です。電気代削減はもちろん、自然光を浴びることによる健康効果を得られます。

リビング階段にするなら、窓の枚数や配置などはこだわるべきポイントです。自然光をより多く取り入れられるようにしたいです。

風通しが良くなる

スケルトン階段にすることで、風通しも良くなります。階段の隙間は風が通り抜けるので、窓を開けることによる空気の入れ替えがスムーズになります。新鮮な空気を取り込むことには、リフレッシュ効果があります。

吹抜けとの相性が良い

スケルトン階段は吹抜けとの相性が良いです。吹抜けとは1階の天井がなく、1階と2階が繋がっている空間を指します。階段部分を吹抜けにすれば、縦に広く感じられるようになり、開放感が更に高まります。

また、採光性も更に良くなります。吹抜けの高所に設置した窓が、リビング全体を照らしてくれます。

ただし、吹抜けには空調が効きにくい、音や匂いが広がるなどのデメリットもあるので注意です。メリット・デメリットを両方考慮したうえで取り入れるか決めましょう。

まとめ

本記事では、スケルトン階段を老後でも安心して使うための対策方法について解説しました。階段からの踏み外しや横からの転落を防ぐ方法などが、お分かりいただけたかと思います。

スケルトン階段は、きちんと対策を立てれば老後も安心して使うことができます。また、箱階段に比べて危険度が大きく向上する、というわけでもありません。

箱階段でもスケルトン階段でも事故のリスクはあります。大切なのは、階段の利便性やデザイン性を考慮しつつ、できるかぎり安全性を高めることです。

また、スケルトン階段には開放感や採光性の高さ、風通しの良さなどメリットも多くあります。本記事も参考に、スケルトン階段にすべきか検討してみることをおすすめします。

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