

新居の階段を折り返し形状のスケルトン階段にしようと思っている、という方も多いのではないでしょうか。開放感の高さが魅力のスケルトン階段は最近人気を集めています。
本記事ではスケルトン階段と折返し階段のメリット・デメリットを解説します。また、スケルトン階段の固定方法の種類や折返し階段以外の形状の種類についてもまとめました。
本記事を読むことで、折り返し形状のスケルトン階段にすべきか、それとも他の組み合わせにすべきか考えることができます。階段の設置を検討している方はぜひ参考にしてください。
スケルトン階段とは?

写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
スケルトン階段とは、蹴込み板がなく骨組みと段板(足を乗せるための板)のみで作られた階段を指します。シースルー階段、オープン階段、ストリップ階段とも呼ばれます。
蹴込み板とは、階段の蹴込み(地面に対して垂直である部分)に付ける板のことです。蹴込み板があることで、昇降の際に階段下が見えなくなり恐怖感を和らげることができます。
スケルトン階段はそのような蹴込み板をあえてなくし、開放感を出すことを目的として設置されることが多いです。蹴込み板がなければ、階段は視界を遮ることはなく、向こう側が見えるようになります。
また、スケルトン階段は両側が壁で覆われていないのも特徴です。壁がない側には手すりを設けることで、横からの落下を防止します。
スケルトン階段は特にリビングに設置する階段として人気が高いです。蹴込み板がないことで、リビングの開放感を高めることができます。
折返し階段とは?

写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA PREMIUM」
折返し階段とは階段の途中に踊り場があって、180度曲がる階段を指します。折返すことによって階段を降りるときの安全性を高めるのが目的です。階段から転落した場合、まっすぐの形状では下まで一気に転がり落ちてしまいますが、折返し階段では踊り場で転落が止まることで大怪我を防げる可能性があります。
折返し階段はコの字型階段、屈折階段、Uターン階段とも呼ばれています。
スケルトン階段のメリット・デメリット

写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
スケルトン階段のメリット・デメリットについて解説します。
蹴込み板がある通常の階段は箱階段と呼ばれています。箱階段と比べてスケルトン階段はどのようなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。
メリット
スケルトン階段の代表的なメリットは開放感を高められることです。蹴込み板がなく、更に階段の下はあえて何にも使わず余白を持たせることで、圧迫感を減らします。リビングに設置する階段としてスケルトン階段は特に優秀です。
また、蹴込み板がないことですっきりと美しい印象になるのもメリットと言えます。おしゃれな階段があると、リビング全体のデザイン性も高まります。
その他、採光性を高められるメリットもあります。蹴込み板が2階の窓からの光を邪魔することなく、1階まで届いてくれます。また、風通しが良くなるのもメリットです。
スケルトン階段は吹抜けとの組み合わせもおすすめできます。吹抜けとは、1階の天井がなく、上下階が繋がっている空間のことです。吹抜けと組み合わせることで、開放感や採光性、風通しの良さといったメリットを更に高められます。
デメリット
スケルトン階段のデメリットは階段下を収納スペースにできないことです。蹴込み板のある箱階段の場合は階段下を収納スペースにすることができます。スケルトン階段にする場合、住宅の他の場所に収納スペースを設けることを考えないといけません。
また、蹴込み板がなくても十分な強度を保つようにしないといけないため、設置費用が高くなってしまうのもデメリットです。
加えて、スケルトン階段の壁がない側から落下するリスクもあります。壁がない側には手すりが設けられますが、小さい子どもの場合手すりから顔を出して遊んでしまう場合もあります。安全性を高めるなら、手すり面材としてガラスなどを入れるのがおすすめです。
ただし、階段用の手すりとしては、ガラスだと子どもが握る部分がなく、転落しやすくなるため、カツデンのバリエーションでいう「横桟」がオススメです。
折返し階段のメリット・デメリット

写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA PREMIUM」
折返し階段のメリット・デメリットについて解説します。階段の形状には直階段やかね折れ階段などさまざまな種類がありますが、それらと比べて折返し階段はどのような特徴があるのか見ていきましょう。
メリット
途中に踊り場があることで、落下しても1番下まで落ちることがないのがメリットです。更に、昇る途中で踊り場で休憩できるのも高齢者に優しい点と言えます。
デメリット
折返し階段のデメリットは複雑な設計、加工、施工が必要となり、費用が高くなりがちな点です。
とはいえ、折返し階段の安全性の高さは大きなメリットです。高齢者や足腰の弱い方がいる場合は特に、費用が高くなっても折返し階段を選択した方が良い可能性があります。
その他、家具の搬入が大変になるのもデメリットです。大きめの家具は上手く向きを変えて運ばないといけません。運ぶのが困難な場合は、2階のベランダなどから釣り上げて搬入しなくてはいけないケースもあります。
折り返し形状のスケルトン階段はおすすめ?

写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
ここまでスケルトン階段と折返し階段のメリット・デメリットを見てきました。
折り返し形状のスケルトン階段にする場合、費用は上がってしまう可能性が高いです。複雑な形状にした上で十分な強度を保てるようにしなくてはならないためです。
ただ、スケルトン階段のデザイン性と折返し階段の安全性というメリットを両方享受できるのは大きな魅力と言えます。費用がかかっても良いのでデザイン性と安全性を両立したい場合に、折り返し形状のスケルトン階段はおすすめです。
折り返し形状のスケルトン階段は、スチールで製作することを検討してみてください。他の材質で作ることもできますが、揺れやすかったり、駆体側の手間がかかったり、スチールと同じくらいの費用がかかったりと、デメリットが大きいケースが多いためです。
ただし、スチール製で、間取りに合わせた形状で、強度や品質が安定している、という階段をつくれる会社はそれほど多くない中で、カツデンはそういった階段を得意としています。
折返し階段以外のスケルトン階段の形状

写真:カツデン/シースルーらせん階段「Modelia」
階段の形状には折返し階段以外にもいくつか種類があります。代表的な階段の形状は次の4つです。
- 直階段
- かね折れ階段
- 回り階段
- らせん階段
階段の形状によって安全度や家具の搬入しやすさ、設置費用などが異なります。ひとつひとつの形状の特徴について詳しく解説していきましょう。
直階段
直階段は途中で曲がることなくまっすぐに昇降する階段を指します。シンプルな形状のため、設置費用をもっとも抑えることが可能です。家具を搬入しやすいのもメリットです。
デメリットは落下時に1番下まで落ちてしまうリスクがあることです。また、直線距離が必要なため、住宅の間取りの関係で導入できない可能性もあります。
かね折れ階段
かね折れ階段は途中の踊り場で90度曲がる階段を指します。折返し階段同様に踊り場があるため、安全性が高まっているのが特徴です。また、階段の壁に沿って設置できるため、間取りに関わらず導入しやすいのもメリットと言えます。
デメリットは直階段に比べると若干費用が上がってしまう点です。
回り階段
回り階段は折返し階段同様に途中で180度曲がる階段ですが、曲がる部分には踊り場ではなく、30度または45度に分割した三角形の段板が使われるのが特徴です。
踊り場にしない分回り階段は省スペースに設置できるのがメリットと言えます。
ただ、体力が衰えた高齢者が休憩したりといった折返し階段のメリットは享受できない点はデメリットです。
らせん階段
らせん階段はらせん状に回りながら昇降する階段を指します。
住宅に設置するほとんどのらせん階段は中心部に段板を支えるための柱があります。柱がないタイプは「無柱らせん階段」と呼ばれます。
らせん階段のメリットはデザイン性が高いことです。細長いデザインは美しく、リビングに設置することでインテリアとして機能します。
デメリットは回り階段や折返し階段より更に家具搬入が難しいことです。また、構造上中心部分は段板が狭くなるので、踏み外しに気をつける必要があります。加えて、構造が複雑な分設置費用が上がりやすいです。
スケルトン階段の段板の支え方の種類

写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
スケルトン階段には段板を支えるためのパーツが必要です。スケルトン階段は段板の支え方によって、次の3種類に分けることができます。
- 側桁階段(がわげたかいだん)
- 力桁階段(ちからげたかいだん)
- 片持ち階段
種類によって階段の強度や圧迫感が異なります。ひとつひとつの階段の種類について、詳しく見ていきましょう。
側桁階段
側桁階段は段板を側桁で支える階段を指します。側桁とは階段の側面にあるささら桁(階段を支える部材)のことです。
側桁階段のメリットは、壁に沿って桁を通すことができるため、かね折れ、回り階段の形状の他、形状の自由度が高い点です。
カツデン商品では、ObjeA セミクローズ、ノコ、サンダー、トラスの他、ObjeA PREMIUMも側桁階段に該当します。
力桁階段
力桁階段は段板を下から受ける形でささら桁が通っている階段を指します。
段板が目立つ形で構成されているため、銘木を使ったり、厚みを持たせたりと、段板を主張させたい場合に適しています。
カツデン商品では、ObjeA オープン、フォルテ、Gradea、DEROUSが力桁階段に該当します。
片持ち階段
片持ち階段は壁から飛び出たデザインが特徴で、ささら桁がない階段を指します。まるで段板が宙に浮いているような見た目になります。
片持ち階段のメリットはささら桁がない分、スケルトン階段の開放感が最大まで高まることです。また、余計なパーツが一切ないため、おしゃれな印象を受けます。
デメリットは壁との固定方法を工夫する必要があることと、揺れやすいこと。製品自体はそれほど高価ではなくても、壁面の作り方や施工に大きくコストがかかるケースがあります。
ちなみに、そのデメリットの2つを解決しているのがDANDEL ARMSであり、当社の片持ち階段の中で圧倒的な人気を誇ります。
カツデン商品としては、そのDANDELの他、WAVES DANDELという商品もあります。
まとめ
本記事では折り返し形状のスケルトン階段について解説しました。スケルトン階段と折返し階段のメリット・デメリットがお分かりいただけたかと思います。
スケルトン階段は開放感の高さとデザイン性の良さが魅力です。折り返し形状のスケルトン階段にすることで、デザイン性と安全性を両立することができます。
ただ、折返し階段にすると費用が上がってしまうのは事実です。直階段やかね折れ階段、回り階段の方が費用は抑えることができます。階段の形状や種類を検討する際は、デザイン性・安全性・費用のバランスをどう取っていくかが重要になると言えます。
どのような階段にするか決められない場合、カツデンのホームページの施工事例もぜひご確認ください。スケルトン階段を実際に使っている方の率直な感想がまとめられています。
また、カツデンのショールームでは実際に階段を昇り降りして、感触を確かめることができます。スケルトン階段に興味がある方はこちらもぜひご活用ください。















