こんにちは。カツデンの販促企画部長の坂田光穂です。
予算が限られる中で住宅をプランニングする際に、どんな間取りや設備を重視したら良いのか、困る方が多いのではないでしょうか?
施主と住宅のプロの考え方には実はギャップがあります。
SNSでは、ウォークインクローゼット、対面キッチン、シューズクロークなどが便利な間取りとして紹介されることが多い一方、住宅雑誌や住宅メーカーの施工事例では、吹抜けリビング+階段、ランドリールーム、2階リビングなどが多く紹介される傾向にあります。
また、カツデンが提供するようなシースルー階段(スケルトン階段)には、様々なメリットがある反面、コストの高さによって敬遠されるケースもあります。
果たして、どうすれば理想の家づくりができるのでしょうか。
住宅の間取りに関する調査をカツデンが実施したので、考察とともにご覧ください。
マイホームで取り入れたい間取りとは?
まず、間取りに関する質問。
マイホームの建設を検討している方=施主に対しては「取り入れたい間取り」
住宅メーカー勤務者=住宅のプロに対しては「おすすめの間取り」
をそれぞれ複数選択可能で聞いた結果が以下のグラフの通りです。
施主と住宅のプロとで、大きく差があるポイントを考察します。
ウォークインクローゼット
写真:ウォークインクローゼット
ネット出典:セキスイハイム東海
施主:47%
プロ:23%
施主は上位に挙げていますが、住宅のプロはそれほどでもありません。
賃貸のアパート、マンションでは十分な収納がないことで苦労していた方が多く、「できるだけ収納を大きく取りたい」と希望するケースが多いようです。
ただ、戸建住宅になると、各部屋に少しずつ収納を設けたり、アパートにはなかったデッドスペースを収納にしたり、ということもできます。コストやスペースを使ってウォークインクローゼットを作ったとしても、実際にはスペースが余ってしまったり、スペースがある分、物が増えてしまったりすることも・・・
それよりは、対面キッチンなどを優先すべきと多くの住宅メーカーは考えていると推測できます。
たとえウォークインでなくても収納を多く取る方法はありますし、人が入れるスペースを確保する分、他の部屋が狭くなってしまうデメリットは見過ごせないのでしょう。
もちろん、スペースに余裕がある場合には、整理しやすいこと、ゴルフバッグやスーツケースなどの大きいものを収納できることはメリットなので、住宅メーカーも23%は「取り入れるべき」と回答しています。
吹抜けリビング、リビング階段
この2つは、ほぼセットで導入されるケースが多いですが、施主とプロでは違う結果となりました。
[吹抜けリビング]
施主:20%
プロ:24%
[リビング階段]
施主:14%
プロ:21%
この2項目ともに、施主が消極的であることが分かります。
SNSやブログ等で、「おすすめしない間取り」として取り上げられやすいことから、
「リビング階段 後悔」
「リビング階段 やめてよかった」
などの検索ワードが上位に上がっていますし、カツデンブログでも、リビング階段の懸念点は紹介しています。
とはいえ、階段の位置を工夫したり、家族の暮らし方や考え方によってはメリットが大きいケースも多くあります。カツデンの主力商品である階段や吹抜け手すりは年々出荷数が増加していることからも、住宅のプロは施主よりも早く動向を読み取っていると思われます。
住宅のプロはご存知だとは思いますが、吹抜けリビング・リビング階段には、以下の効果があります。
・家族が顔を合わせる機会を増やせる
・無駄な廊下を省き、LDKを広くできる
・開放的な明るい空間で気持ちよく生活できる
カツデンがシースルー階段『ObjeA』を発売した当初は、リビング階段は全住宅の中で1%以下だったのが、2024年現在では20%以上とも言われ、その人気はどんどん伸びていることが、上記効果の裏付けとも言えます。
どんな間取り、設備にもメリット・デメリットがありますが、そのデメリットが取り沙汰されやすい代表格がこの吹抜けリビングとリビング階段だと言っても過言ではありません。
その他、全体を通して
施主の方が多い項目
[対面キッチン]
施主:46%
プロ:28%
[シューズクローク]
施主:26%
プロ:15%
[パントリー]
施主:20%
プロ:12%
写真:対面キッチン
ネット出典:君津住宅
プロの方が多い項目
[2階リビング]
施主:11%
プロ:19%
[勾配天井]
施主:9%
プロ:14%
これらの結果から、施主は「機能」を、住宅のプロは「過ごしやすさ」を重視した選択をしているのでは、と推測できます。
2階リビングや勾配天井というのは、直接的な機能というより、「それがある空間でどう感じるか?」という知見がないと、そもそも発想すら生まれない可能性もあります。
ハウスメーカーの方々からも
「広々とした空間が理想として伝えたいけど、その価値を言語化して伝えること、写真やパースだけで伝えるのは難しい」
と言われることはしばしばあります。
機能が明確な間取り、設備の方が当然イメージしやすく、情報も多く転がっているため、施主が取得しやすいことは、SNSで発信されている内容を見ると明らかです。
ところが、数多くの家を建てているプロからすると、「建ててみて感じた意見」が施主から多く拾い上げられていることで、過ごしやすさに対してフォーカスすることも重要と考えているのではないでしょうか。
まとめ
今回は、施主と住宅のプロにそれぞれ聞いた、取り入れたいor取り入れるべき間取り・設備のアンケートに対する回答を整理しながら考察しました。
「より良い家づくりをしたい」という思いは、両者共通で、メーカーである我々も同じ考えで日々ものづくりをしています。
今は情報がいろんなところに転がっていて、どれが正しいのかを選び取ることも難しくなってきています。
そんな中で、施主と住宅のプロでどういう考え方の違いがあるのかを知ることは大切なことだと思うので、ぜひこのコンテンツを家づくりの参考にしてくれれば嬉しいです。