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KATZDENブログ
2020.06.25 コラム

不動産バブルのベトナムはチャンス!とは一概には言えない!?

ベトナム 住宅 不動産バブル

こんにちは。坂田光穂です。

ベトナムにおいて、現地の住宅業界へ階段をはじめとしたスチール製品の販売活動を2018年より行っていますがこれがなかなか苦戦しています。

「ベトナムは不動産バブルって聞いたけど…?」と思う人もいるかもしれませんが、実際に階段を売るとなるとまた話が違ってくるのです。

今回は、営業活動をはじめてわかった点、そしてベトナム人の考えなどをまとめていきます。

ベトナムの住宅とは?

ベトナムでは、この写真のように間口が狭く、高さと奥行きが長い住宅が数多く見られます。

フランス統治時代は道路に面している幅(間口)によって税金を決めていたため、できる限り安く抑えたいがために長方形の土地が極端に多くなったと言われています。

その後は、ベトナムで一般に受け入れられている風水の観点からもこの形状は良いとされたことに加え、土地区分のしやすさも重なったのでしょうか、現在まで多くの住宅がこの土地の形状に合わせて建てられています。

今ではもちろん、きちんと土地の大きさで税金が決められるようになっています。

ある程度決まったモジュールがあるので、建築する側からすれば考えることが少なく手間がかかりません。

ただ、この形状の住宅が良くない点としては、横並びに住宅が密着していることで、窓を正面にしか設置できないケースが多く、非常に圧迫感があることです。
さらにベトナムでは大家族で住むことが多いため、個室を多く確保しがちで、ひとつひとつの部屋は狭くなってしまいます。

カツデンアーキテックが解決できること

当社のメイン商材である『ObjeA(オブジェア)』をはじめとした階段は、シンプルでシースルー性の高いデザインが特徴。

部屋を広く見せることができることに加えて光が通りやすくなり、明るくて開放感のある空間を作り上げることが可能です。

狭い間口の住宅になりがちなベトナムの住宅を快適にできる、「透ける」「兼ねる」「抜ける」というポイントを押さえているため、日本の都市部の狭小住宅と同じ効果が得られると思います。

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しかし、便利を知らないと不便を感じないと言われるように、多くのベトナム人は圧迫感のある住宅に慣れ親しみ、窮屈さや不快感を感じる方はまだ少数とのこと。
なんなら現在高所得者が多い40代以上はコンクリートで作られたこの住宅こそが成功の証というようなイメージもあるようで、その意識の差が価格への抵抗をも生んでいると考えられます。

住宅価格に対しての階段価格

日本の新築住宅は、㎡単価の平均が約15万円と言われており、当社階段の日本での平均売値は約120万円

一方でホーチミン都市部の新築住宅は、㎡単価が約7,000,000VNDで、当社階段のベトナムでの同スペックの売値は約60,000,000VND(日本円で約300万円)。

3階建で1フロア50㎡で階段を2台設置するとして計算すると、階段の価格が占める割合は、以下の通り同じぐらいの割合になります。

日本
住宅価格:2250万円
階段価格:240万円
階段価格が占める割合:10.7%

ベトナム
住宅価格:1,050,000,000VND(日本円で約500万円)
階段価格:120,000,000VND(日本円で約60万円)
階段価格が占める割合:11.4%

「階段価格が占める割合」が大きく変わらないのに、興味の度合いが日本とベトナムで異なる理由としては、住宅や店舗の中でもっとも大きい部材である階段に対して日本人以上に意識しないこともありますが、住心地に対する投資への優先度が低いのではないかと推測しました。

ベトナム人は何を優先するのか?

では実際にベトナム人が優先することについて。
私がベトナムに駐在してから約3年がたった現在までに接してきた中流程度とされるベトナム人100名にヒアリングしてみました。

すると、以下の順位で優先するとの回答がありました。

1.移動手段(バイク、車)
2.スマートフォン、通信
3.住居(主に投資用として)
4.自己研鑽
5.飲食

これを見ると、多くの日本人とは感覚が異なることが分かるのではないでしょうか?
バイクや車は生活する上では必需品であるものの、なんと年収以上の金額を使うこともあります。

また、ベトナムでは日本と同様、スマートフォンの中でも高額なiPhoneがもっとも人気で、これも所得によっては給料の1ヶ月分以上を使って購入する方も。

衣食住の中で、「住」への関心度がそこまで高くないことも見て取れますね。
現在のベトナムは不動産バブルの様相を呈しており、住宅購入者はいずれ売却することを考えて自分用に最適化しないで、当たり障りのない間取りやデザインにすることが多いです。
そのことも影響してあくまで投資用と割り切って、物件オーナーはもちろんですが、多くの建築事業者も住み心地のことを考えません。

インターネットが興味関心を変えた?

datareportalのデータから、ベトナムのインターネト事情を調べてみました。

するとインターネットユーザーは全人口の70%程度おり、パソコン所有率は66.1%・スマートフォンの所有率は96.9%とメインはスマートフォンで、小さい子ども以外はスマホは所有していると思われます。

その中でもSNS利用者は人口の70%、Facebook系(InstagramやMessenger含)・YouTubeはもちろん多いのですが、実際に住宅建築に携わる複数企業に話を聞くと一部ではありますがPinterest等でも参考画像を探してくる方が徐々に増えてきているとのことでした。

SNS利用者も若者がメインで、海外の生活やトレンドをキャッチアップする人は多く、新しいものへの憧れがとても強いと住んでいて感じています。

[参照:DIGITAL 2020:ベトナム(datareportal)

ただし「海外のイケてるデザインにしたい」という気持ちはあるものの、「なんとなくの見た目だけで良い」という気持ちの人が多くを占めていることを忘れてはいけません。
残念ながら、機能にお金を払える人はごく一部であり、さらにその中でも機能や品質に価値を感じられる人はさらに限られた人しかいないと言われています。
そのため建材や家具も、良く見ればチープなものやフェイク品、強度保証できないものが購入されています。

安定しない生活の中では「長期間保証」などというメリットが響きにくいため、これからの経済の発展と安定がもたらされた後にブレイクスルーが起こるのではと考えられています。

まとめ

今後、不動産バブルが収束していくに連れて、住み心地を追求する人が増えていく流れになっていくのは間違いありません。
ただ、その時期がいつになるのかというのは判断がつかないという意見が多いです。

3年後なのか5年後なのか、それとももっと続いていくのか・・・そのタイミングを見極めて、本当に価値のあるものを提供できる企業が残っていくのだと信じて。

私たちは今日もコンテンツを作り、住み心地の良さとは何かをベトナムの地で広め続けます。

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