商品開発部の小椋です。
5月に入り4月に入社した21名の新入社員が各地に配属されました。
4月末には3回目の緊急事態宣言が発出され、各地で新型コロナウイルスによる打撃を受けていますが、ありがたいことに、当社への仕事の引き合いは昨年を上回る勢いで増えており、こうして新入社員を迎えることができました。
さてそんな当社ですが室内製品ではさまざまなカラーバリエーションを用意しています。
人気1位であるシースルー階段『ObjeA』をはじめとし、ほかのインテリアに合うような色味やその製品の魅力を生み出す色味だけではなく、時代や住宅トレンド・お客様のご要望に合わせてこれまでカラーの追加やリニューアルをしています。
今回は当社の室内製品のカラーについてご紹介します。
スチールカラー
2003年、カツデンアーキテックが設立したときのスチールカラーバリエーションは、
①アイボリー、シルバー、ステンカラーの3種類。
その後は以下のような変遷をたどります。
②2008年:塗装方法を粉体塗装にすることから、ステンカラー廃止。半艶ブラック、ピュアホワイト、パールベージュ追加
2011年:コゲ茶追加
2015年:パールベージュ廃止。パールグレー追加
2019年:アスレチックシリーズで採用していた赤黄青緑を他の部材にも適用
2020年:パールグレー、コゲ茶廃止→艶消しブラック、ラスティーアイロン追加
【現在のバリエーション:ピュアホワイト、アイボリー、シルバー、半艶ブラック、艶消しブラック、ラスティーアイロン、シグナルレッド、トラフィックイエロー、ペールグリーン、パステルブルー】
現在では全10色になり、メタリック、モノトーン、カラフルと、その時々にお客様から要望が多かったカラーを追加してきています。
2008年に追加された半艶ブラックとピュアホワイトは、現在では売上No.1とNo.3であり、選ばれやすいカラーであることが分かります。
そして昨年追加された艶消しブラックは、今まで要望があった際には特注対応としていたものの、標準色に入れることで売上No.2の人気色となりました。
木製段板色
木製段板のカラーバリエーションは、発売時には本体色に合わせた明るめの中間色というラインナップで、以下の4色。
エクリュ、ライト、ミディアム、ダーク
その後は
2008年:ミディアム、エクリュ、ライト廃止→クリア、ホワイト、ブラック、ココア追加
2011年:ブラック廃止→リアルブラック追加
【現在のバリエーション:ホワイト、クリア、ダーク、ココア、リアルブラック】
木製段板については、トレンドよりもベーシックなラインナップになっているためか、現在の内装トレンド(ラスティックやグレー系)に合わせたいというご要望や、フローリングカラーに合わせたいといったご要望も多く、そういったご要望には特注で色合わせを行っています。
そんな中、社内の営業からはそういったトレンドカラーや、売れているフロアカラーに合わせた色を標準色にできないかという要望があり、直近5年の出荷データを分析して標準色の出荷頻度の推移を集計してみました。
ここ最近では、本体色はモノトーン、木製段板色はダークとクリアで過半数を占めていることが分かります。
これらは内装の人気テイストであるウォルナット系やラスティック系のインテリアと相性が良いからではないかと推測されます。
また、思ったよりも特注色対応が伸びていないことに対しては、さまざまな家具や建具のカラーバリエーションが増えてきていることにより、すべての色を合わせることは予算的に厳しいため、別途費用がかさむ場合は見送っているのではないかと推測しました。
特注色が増えているようであれば、特に段板に関しては新色追加を検討しようかと思ったのですが、住宅メーカーによって人気色の傾向が異なっており、現状の市場でトレンドと言われている通りの色が求められているわけではなかったため、ひとまずは現状通りのバリエーションで進めることになりました。
もちろん、今後は傾向が変わる可能性もあるので、データ分析を継続して行って需要に合わせたバリエーション管理をしていきます。
内装のトレンドは、世界的に見るとミラノサローネ国際家具見本市から発信されて数年後に日本に伝わってくるということをあるお客様から聞きました。
ミラノサローネとは、イタリアのミラノで開催される世界最大規模の家具見本市で、正式名称は「Salone del Mobile.Milano(サローネ・デル・モービレ・ミラノ)」です。
その開催期間には、展示会場の外でも自主的な展示が行われ、出展者と来場者を合わせて100万人ほどとのこと。
残念ながら昨年はコロナ禍によりミラノサローネが開催されず、今年は9月に延期となったそうで、新たな流行の発信は先延ばしになってしまうのかなという気がします。
さらに色に関する世界的な流れで言うと、PANTONEが毎年のカラートレンド予測を出すのですが、2021年は自然に基づいたものや明るく落ち着いた色が選ばれ、激動の一年から新年に向けて多くの人が希望や明るさ、リフレッシュの感覚を求める傾向に寄り添ったとのことです。
PANTONEのエグゼクティブ・ディレクターであるLeatrice Eisemanは、「希望を込めてこの選択をした。私たちはまだ団結や安定からほど遠いが、そこを目指している。灰色の雲の裏には明るい太陽の光がある」という意図で「イルミネイティング」「アルティメットグレー」の2色をカラーオブザイヤーと発表しました。
PANTONE 17-5104 Ultimate Gray + PANTONE 13-0647 Illuminating, a marriage of color conveying a message of strength and hopefulness that is both enduring and uplifting.
Visit http://t.co/Tskl0gMXYB to discover more.#Pantone #pantone2021 pic.twitter.com/utJ0sceAA9— PANTONE (@pantone) December 9, 2020
まとめ
最後の1/3程度は少し話が逸れてしまいましたが、カツデンアーキテックにおける色に対する考え方と、どういう推移を経て現在の本体色、木製段板色になっているかをご紹介できたと思います。
色ごとの製品出荷数に関しては、2021年5月現在での情報ですので、また来年度には変わる可能性もあります。
その都度、お客様の需要に合わせながら変化し、対応していく所存ですので、今後ともよろしくお願いいたします。