Facebook Instagram
MENUCLOSE
KDATブログ
2022.02.28 コラム

たまに見かけるISOってなに?

こんにちは。
品質管理部に異動して1年が経った坂田光穂です。
今回は、ISO管理責任者でもある私が、世の中で知らず知らずに触れている「ISO」についてお話していきます。

はじめに

製品やサービスを提供する際に、「品質が一定水準以上である」と証明するためには、どんなことをすれば良いと思いますか?
・仕入先を開示する
・規定やルールを明確化する
・組織ごとの役割を明確化する
・業務内容の一連をフロー化する
・不良品の防止策をフロー化する
・不良品が出た後の対処法を明確化する

などが考えられることかと思います。

ただ、これらの中で開示できるもの、できないものもありますし、「他の会社と比べてどうか?」を調べるほど、顧客は暇ではありません。
また、国ごとの文化に左右されて基準がバラバラになってしまっては、国際的な取引を行う際に調べることが膨大になってしまい、それに応じてハードルが高くなってしまいます。

「世界各国で基準を明確にして、そこをクリアしている会社を分かるようにして欲しい・・・」
という要求に応えるのがISOです。
聞いたことがあるようなないような・・・そんなISOについて以下詳しく解説していきます。

1.ISOとは

ISOは「International Organization for Standardization(国際標準化機構)」の頭文字をとった略称で、スイスのジュネーブに本部がある非営利法人です。
まず最初に
「頭文字を並べるとIOSじゃないか!」
と引っ掛かりますが、ギリシャ語の「isos:均等、同等」が由来となり、発音しやすいなどの理由から「ISO」と略されることになったとされています。

名前のとおり、ISOは世界の標準を定める団体であり、このISOが決めている規格は以下の2種類。

・モノ規格
・マネジメントシステム規格

このISO自体は各国1団体のみが参加できますが、2018年1月時点で162もの団体で構成されており、日本からはJIS基準を考える団体でもある日本産業標準調査会 (JISC)が参加しています。

ISO認証はその名の通り提供する製品の品質やサービスが規定以上だと認められた時に、機関から認証される公的証書のことです。
認証を受けるには、第三者機関から社内のマネジメントシステムがしっかりと動いており、かつ改善されているかというのを認められる必要があります。

また取得して終わりではなく、1~2年後に「維持審査」、3年後には「更新審査」を受けることが必要でなかなか骨の折れる審査となっています。

2.モノ規格

非常口のデザインはモノ規格の代表的なものです。

ネジや電池のサイズもISOで定められているものです。

これらがもしバラバラであったなら、海外旅行中にホテルで火災があったときに避難経路が分からなくなってしまいますし、家電メーカーは国ごとに電池の種類に応じたサイズでバリエーション展開をするコストがかかってしまいます。

「それらモノに関わるものが世界で統一されていたら便利だよね」
というのがモノ規格の根本にあると理解してもらえれば分かりやすいかと思います。

当社の製品は、デザインやサイズなどを定めて得する人も損する人もおらず、求められていないためモノ規格には該当せず、認証を取得していません。

3.マネジメントシステム規格

モノ規格と比べると普段の生活では意識しない「組織の運用方法」についてもISOは定めています。

・組織の目標をどうやって達成するのか?
・どういう役割分担をするのか?
・目標達成できなさそうなときはどうするのか?
・目標達成できなかったときはどうするのか?

などをルール化&徹底させることで組織運営が円滑に進むことが定められている目的です。
このマネジメントシステムが機能している企業=ISOの認証を取得した企業は、すごく簡単にいえば「しっかりとした組織運営をしている」ということになり、顧客やユーザーは安心して取引をすることができることになります。

本来であれば、組織の運営方法は様々なかたちであって良いはずです。
すべての行動をルールで決めて厳格化することも自由ですし、逆にルールフリーで各々が勝手に動き回るような組織にするのも自由です。

ただ、顧客やユーザーからすれば、極端な組織だと求めたサービスを受け取れない可能性が出てきてしまうため、ISOで認証された組織を区別することが求められることもあるよという理解で構わないと思います。

カツデンアーキテック株式会社としては、このマネジメントシステム規格の認証を取得しています。

4.マネジメントシステム規格の種類

マネジメントシステムも、業界によって求められるものが異なるため、様々な種類があります。

ISO9001:品質
ISO14001:環境
ISO22301:事業継続
ISO27001:情報セキュリティ
ISO45001:労働安全衛生

ざっとメジャーなものは上記で、全部合わせると11種類もあります。
この中でもっともポピュラーなISO9001は製品やサービスにおける品質向上を目的とした規格で、全世界で100万社以上の組織で認証されています。

最大の目的は「顧客満足度の向上」であり、その他「一貫した製品・サービスの提供」「継続的なプロセスの改善」「リスク低減」「企業価値の向上」などを求められています。
どんな業種でも取得ができますが、製造業・建設業の取得率が高いそうです。

次にISO14001は、上述のISO9001と合わせて取得する企業が多い規格で、違いは「環境」に対するアプローチであることです。
公害や二酸化炭素をはじめとする地球環境への対応が世界中で叫ばれる中、1996年に発行されました。
自然環境や労働環境など、組織を取り巻くさまざまな環境へのリスク低減やコンプライアンスの推進を目的としています。

日本は世界でも自然災害の多い国として有名です。
地震、豪雨、洪水、また新型コロナウイルスでリスクが顕在化した感染症などの潜在的な緊急事態に備えて効果的な対策や仕組みを作ることを目的とした規格ISO22301です。
災害が発生しても早急に復旧して再開できるようにする仕組みを定める流れで、業務効率化の改善点も明確になり、組織全体を強化する効果も期待できます。

企業の資産ともいえる情報の漏洩(ろうえい)を防ぐことを目的とした規格ISO27001です。
顧客や消費者の情報を多く抱える企業では、情報漏洩によって作業効率低下、取引先や消費者の信頼喪失を招いてしまいます。
情報の機密性・安全性・可用性をマネジメントして情報を守り有効的に活用する仕組みづくりをできることがこの規格の有用性です。
一見するとプライバシーマーク制度と似ていますが、ISO27001は企業全体の情報資産を安全に運用する制度であることに対して、プライバシーマークは個人情報に特化した認定制度です。

ISO45001は、2018年3月にできた新しい国際規格で、組織に属する人間が安全な労働環境で働けることを目的としています。
規格に従って労働環境を整備することで、従業員のモチベーション向上につながり、パフォーマンスUPが期待できます。この規格の導入で約93%もの事業所で労働災害やヒヤリハット体験が改善したと厚生労働省から報告されています。

5.ISO導入のメリット

「こんなに種類があるけど、あれもこれも取得する意味はあるの?」
という疑問が湧きますよね。
そこで、組織の目的に合った規格の認証を取得すると、どういうメリットがあるのかを紹介します。

①信頼性の獲得

最大のメリットは、第三者からの認証を公表することで消費者や取引相手からの信頼を得ることができることです。
その規格のマネジメントシステム通りに組織が動いているという信頼は、特に競争相手の多い業界で差別化を図ることができます。

②PDCAサイクルの構築

もう一つのメリットはPDCAサイクルの構築です。PDCAとは「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(確認)」「Act(改善、調整)」の頭文字を取った略称のことです。
マネジメントシステムを機能させるためには、PDCAサイクルを組織内で構築する必要があるため、認証を受ける中で作業の効率化を見直すことができます。

③第三者のチェック

ISOの認証を受けるためには第三者機関からの審査を通る必要があります。
逆に言えば、第三者機関から審査を受けることで自社では見つけられなかった問題点や改善案が見つかることもあります。
また、1回取得したら永続するわけではなく、定期的に監査が必要なので、システムの形骸化を防ぐこともできます。

6.ISO導入のデメリット

メリットの大きいISO認証ですが、以下の点がデメリットとしてあげられます。

①手間がかかる

なんといっても手間がかかります。
文書や記録などの確実な作成・保管が必要になる上に、新しく文書化、ルール化した内容をしっかり実行しなければなりません。
新しいことを始めるには何事も手間がかかりますが、メリットを全社員に認識してもらってからスタートしないと、導入途中に行き詰まったり、導入後に機能しなくなる可能性があります。
この手間をかけて運営できる組織だからこそ、信頼を勝ち取れると考えると、納得感を持てると思います。

②効果がすぐに出るわけではない

食品や薬よろしく、これをやったから劇的に組織が良くなったり、取引先からの信頼を得られて売上が劇的に伸びたり・・・なんてことはありません。
もちろん目に見えてすぐに効果が出る組織もあるでしょうが、効果が出にくかったり分かりづらい組織もあります。
ダイエットに例えると、1日の運動や食事制限で理想の体重になることがないように、マネジメントシステムを構築して終わりではありません。
日々意識して継続することで、少しずつ効果が出てきます。

7.カツデンアーキテックとISO

当社は設立5年後の2008年に、ISO9001とISO14001の認証を同時取得しています。

ISO導入前は、品質や環境の管理方法が個々の判断に任されており、いつか重大な問題が起こる可能性があると考え、業界内では早めの段階で取得しました。
認証の維持にあたり、第三者機関における監査以外にも部署単位で内部監査を実施するほか、改善活動を日々推進し、年2回の改善活動発表会を開催しています。

取得して終わりではなく、継続的によりよい製品を提供するためのツールとしてISOの仕組みを利用し続けています。

8.手間の分だけ価値があるISO

認証を受ける手間だけでなく、それを維持していく手間もありますが、「顧客満足度向上」「業務改善」「品質向上」のためにISOの仕組みを組織に浸透させることで、常に一定の水準以上のモノやサービスの提供ができるようになりました。

ユーザー目線では、
「取得が大変なものだけど、その分しっかりした企業だ」
という感覚で受け止めてくれれば十分です。
なにかモノやサービスを受け取ったり、その企業に就職する際など、その会社のISOに着目してみてはいかがでしょうか?

PAGETOP