


新居をリビング階段の間取りにしたいけれど、「後悔した」「やめておけばよかった」という声を聞き、迷っている方も多いのではないでしょうか?
確かにリビング階段のデメリットを予め把握していないと、住んでみてから理想と違うことを知り、後悔する羽目になってしまいます。ですが、デメリットをしっかり把握して対策を立てておけば後悔することはなく、リビング階段のメリットだけを感じることができます。
本記事では、リビング階段の後悔のポイントとその対策について解説します。また、リビング階段のメリットや、リビング階段を設置した事例についてもまとめました。
リビング階段の後悔(デメリット)ポイントとその対策
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
リビング階段のよくある後悔ポイントとして次の6つが挙げられます。
- リビングを通らないと2階に行けない
- 来客と家族が鉢合わせることになる
- 2階に家具を運ぶのが大変
- 暖房が効きにくい
- 生活音が伝わりやすい
- キッチンの匂いが伝わりやすい
各後悔ポイントとその対策について説明していきましょう。
リビングを通らないと2階に行けない
リビングに階段を設置すれば、当然リビングを通らないと2階に行くことはできません。
帰宅後リビングにいる家族と必ず顔を合わせる必要があり、「喧嘩中のときに気まずい」と感じる方もいます。顔を合わせることで仲直りに繋がれば良いのですが、かえって仲が悪くなってしまうこともあります。
また、思春期になった子どもから「プライベートが確保されない」と嫌がられてしまう可能性もあります。洗面所やトイレに行くときもリビングを通る必要があり、思春期の子どもにとってストレスになることもあります。
対策:間取りの見直しを行う
仲直りするきっかけや、プライバシーの要不要の議論はさておき、住宅の間取りの見直しを行うことで、このデメリットは解決する可能性があります。
まず、洗面所やトイレは2階にも設置するのがおすすめです。思春期の子どもが洗面所などを使う際に、家族と顔を合わせなくて良くなります。
後は、階段をリビングの入口付近に設置するのもおすすめです。家族と話したくないときは、すぐ2階に上がることができます。
来客と家族が鉢合わせることになる
来客と家族が鉢合わせることになるのも、リビング階段の悩みどころです。
会社の人などが自宅に来ている場合、2階から降りにくくなってしまいます。わざわざ部屋着から着替えないといけなくなる場合もあります。
また、子どもが友達や恋人を自分の部屋に呼ぶ際は、リビングを片付けないといけなくなります。また、リビングでくつろいでいる姿を家族の友達や恋人に見られて気まずくなることもあります。
対策:ゲストルームを設ける
対処法としては、ゲストルームを設ける手があります。玄関付近にゲストルームを設置し、そちらに案内すれば家族と鉢合わせするのを避けられます。部屋を増やすのが難しい場合は、先ほども解説したように階段をリビングの入口付近に設置するのがおすすめです。
また、子どもの友達や恋人とリビングで鉢合わせたくないなら、2階などにセカンドリビングを設ける手もあります。子どもから連絡があったらセカンドリビングに移動するようにすれば、鉢合わせるのを防げます。
2階に家具を運ぶのが大変
リビング階段の場合、2階に家具を運ぶのが大変というデメリットもあります。玄関ホール階段なら、玄関からすぐに2階に運ぶことができて楽です。
途中にドアもあるので、家具を運ぶのが大変です。そもそも学習机やピアノ、ベッドなどの大きい家具が、ドアを通れない可能性もあります。
対策:家具を運ぶことを考慮して間取りを考える
間取りを検討する際は、ドアを広めにしておくなど、家具を運ぶ際のことも考えることが大切です。今使っている家具を部屋に運ぶ際に障害となるものがないか確認しましょう。
家具を運ぶのは引っ越しのときだけでなく、子どもが一人暮らしを始めるときや模様替えをするときもなので、その際の負担が減るようにしておくことは大切です。
また、別途料金がかかってしまいますが、家具を運ぶのが難しい場合は2階のベランダなどから吊り上げて運ぶことも検討しましょう。
暖房が効きにくい
リビング階段は暖房が効きにくいのも、よくデメリットとして挙げられます。
リビング階段にした場合というよりは、吹抜けにした場合に暖房が効きにくくなってしまいます。吹抜けとは1階の天井がなく、2階の天井まで見える空間を指します。暖かい空気が上に昇ってしまうので、暖房が効きにくいと感じる場合があるのです。
暖房が効きにくいと光熱費が上がってしまいます。最近は光熱費が高騰していることもあり、暖房が効きにくいことを心配する方は多いかと思われます。
対策:住宅の断熱性・気密性を高める
暖房を効きやすくするには、断熱性・気密性を高めることが大切です。住宅の壁・天井・床に断熱材を入れることで、外の冷気が中に伝わりにくくなります。また、住宅の隙間を埋める効果もあり、空気の移動が抑制され気密性を高めることか可能です。
通常、どんな家にも断熱材は入っていますが、断熱材の種類や方法を住宅メーカーの営業に聞いた上で、吹抜けにする場合はより高いグレードの断熱性能にした方が快適に過ごすことができると考えましょう。
また、住宅の窓を複層ガラスにするのも効果があります。複層ガラスはガラスとガラスの間に空気層を作ることで、熱を遮断してくれます。更に、樹脂サッシを選択することで、断熱性がアップします。
アルミ<アルミ樹脂複合<樹脂<木 の順に断熱性能が高いと言われています。予算に余裕がある方は参考にしてみてください。
生活音が伝わりやすい
生活音が伝わりやすいのも、リビング階段のデメリットです。特に吹抜けにした場合、リビングでの会話やキッチンで片付ける音が2階まで届きやすくなります。2階で寝ている子どもが起きたり、受験勉強に集中できなくなったり、ということがあります。
対策:2階の個室を防音ドアにする
対策としては2階の個室を防音ドアにすることが挙げられます。防音ドアにはゴムパッキンが使用されており、ドアの隙間を埋めることで音を遮断できます。
もちろん防音ドアにすると、費用がかかってしまいます。そのため、家族で音に敏感な人がいるならその人の個室だけ防音ドアにする、といったことも考えましょう。
キッチンの匂いが伝わりやすい
キッチンの匂いが広がってしまうのもリビング階段の難点です。料理の匂いや湯気が2階まで広がってしまい、鬱陶しいと感じたり寝にくくなったりすることがあります。特に焼肉など匂いがきつい料理をするときは注意が必要です。
もちろん、キッチンが独立しているならこの心配はありません。ただ、独立キッチンの場合、料理しながら子どもの様子を見られないなど、別のデメリットがあります。
対策:換気扇・レンジフードの性能を上げる
匂いに関しては、換気扇・レンジフードの性能を上げることで解決します。料理の匂いをしっかり外に逃がせるようにすれば、2階まで広がることがありません。
また、換気扇・レンジフードは長く使っていると性能が落ちるので、掃除はしっかり行いましょう。掃除しても性能が良くない場合は、取り替えた方が良いです。
リビング階段にはメリットも多くある
写真:カツデン/箱段板階段「Gradea」
リビング階段のデメリットを紹介してきました。しかし、リビング階段には良い面も多くあります。代表的なメリットは次の4つです。
- コミュニケーションが取りやすい
- 家族の気配を感じやすい
- 階段がリビングのインテリアになる
- 吹抜けと組み合わせると開放感が高い
デメリットも捉え方次第では魅力的な面になり得ます。悪い面だけでなく良い面も知ったうえで、リビング階段にするかどうか決めましょう。1つ1つのメリットについて詳しく解説していきます。
コミュニケーションが取りやすい
リビング階段の代表的なメリットは、家族でコミュニケーションが取りやすいことです。リビングを経由しないと2階の個室に入れないので、リビングにいる家族と必ず顔を合わせることになります。顔を合わせる機会が増えれば、自然とコミュニケーションも増えます。
特に、子どもは思春期になると、帰宅後すぐに自室に入ってしまうことも多いです。リビング階段なら、自室に入る前に軽く声をかけられます。
家族の気配を感じやすい
リビング階段は家族の気配を感じやすいのもメリットです。2階とリビングが繋がっているため、家族の生活音が聞こえやすくなり、安心感が高まります。
また、リビング階段にすれば「子どもが知らないうちに外出していた」ということを防げます。
先ほどは、生活音が伝わりやすいのはデメリットと解説しましたが、同時にメリットでもあるのです。
階段がリビングのインテリアになる
階段を含めてリビングのインテリアを楽しめるのもメリットです。階段はリビングの良いアクセントになってくれます。おしゃれで住宅の雰囲気に合った階段を設置することで、家族がリビングで快適に過ごせるようになります。
せっかくリビング階段にするなら、インテリアも重視しましょう。
吹抜けと組み合わせると開放感が高い
リビング階段は吹抜けと組み合わせると開放感を高めることが可能です。吹抜けにすると縦に広くなるため開放感を高めることができ、視覚効果でリビング全体も広く感じます。
更に、吹抜けに階段を設置することで、採光性も高められます。2階部分に窓を設置した場合、1階のリビングまで光が届くので、昼間電気を付けずに生活できます。
もちろん、先ほど解説したとおり、吹抜けにすると生活音や匂いも広がってしまいます。また、暖房も効きにくくなってしまいます。これらの対策は考えておく必要があります。
【実列】リビング階段にしても後悔せず成功した事例
写真:カツデン/シースルー階段「FRIS」
最後に、リビング階段にしても後悔することなく、快適な家づくりに成功した事例を紹介します。
- 「2階から階段を通じて広がる景色」
- 「階段はリビングの主役」
- 「リビングの中心に配置したシースルー階段」
「2階から階段を通じて広がる景色」
こちらは白を基調とした美しく清潔感のあるリビングとなっています。白は空間を広く見せる効果があります。そこに吹抜け階段を設置することで、開放感を更に高めています。
階段も白とシルバーにしており統一感が出ています。階段は最初黒にしようとしましたが、コーディネーターから黒だと邪魔になるとアドバイスを受け、白にしたようです。
これから子どもが大きくなって反抗期や思春期があり、親と喋らない機会が増えてしまう。それを避けるために施主様はリビング階段を選択したとのことです。
「階段はリビングの主役」
こちらもリビングにカツデンの階段を設置した事例です。こちらのリビングは白と黒の2色でまとめられています。シャンデリアも相まってゴージャスな雰囲気があります。
吹抜けと階段廊下の天井が繋がっており、開放感を高めているのも特徴です。カツデンの無駄がない階段と手すりを採用することで、開放感が更に高まっています。
吹抜けは暖房が効きにくいのがデメリットですが、こちらの住宅は断熱性を高めており、更に床暖房を導入することで快適に過ごせているようです。光熱費に関しては、マンションのときとほとんど変わらないとのこと。
「リビングの中心に配置したシースルー階段」
こちらはリビングの中央に階段を設置した事例です。中央に階段を設置すると圧迫感が出てしまうこともありますが、カツデンの階段は細くてシンプルなデザインということもあり、部屋が狭く見えることもなく、むしろ大満足の結果になったとのことです。
施主様はせっかくリビング階段にするなら、デザイン性を良くしたいと考え、スチールの階段を選択しました。カツデンはスチールの階段を中心に提供しています。スチールは耐久力があり、細くておしゃれなデザインにしやすいのが特徴です。
また、カツデンの製品に関しては、本体や段板の色、手すりの種類などをかなり自由にカスタマイズできます。そのため、住宅と相性の良い階段を設置することが可能です。
こちらの住宅は、黒とウォールナットで全体に統一感を持たせています。階段もそれに合わせて本体は黒、段板は床の色に合わせて暗めのココアカラーを選択しています。
まとめ
本記事ではリビング階段にして後悔したこととその対策について解説しました。
リビング階段は玄関ホールに比べて、家族間のコミュニケーションの取りやすさが魅力です。しかしその反面、機嫌が悪いときでも家族と顔を合わせないといけなくなったり、家族がリビングにいるときに友人を家に呼びにくかったり、といった問題が発生します。
リビング階段を選ぶなら、これらの問題とどう向き合うのか家族で話し合っておくことが大切です。全員で話し合って対策を考えておけば、家族が不満なく過ごせるようになります。
「リビング階段にしたいけど不安もある」という方は、カツデンのサイトに掲載されている、施工実例も参考にしてください。施工事例を読むことで、リビング階段のメリットはもちろん、他の家族がデメリットにどう向き合っているのか知ることができます。