オープン階段に憧れているものの、導入した後に後悔しないか不安、という方も多いのではないでしょうか。階段は決して安い買い物ではないため、選択に勇気がいることかと思います。
本記事ではオープン階段の導入後に後悔するよくあるパターンについて解説します。加えて、それらの対策方法もご紹介します。
本記事を読むことでオープン階段を導入する際に、どういった点に気をつければ良いかが分かり設置後に後悔することがなくなります。オープン階段に興味がある方はぜひお読みください。
オープン階段は後悔することが多い?
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA PREMIUM」
オープン階段とは、段板(足を乗せる箇所)と骨組みのみで構成されたシンプルな階段を指します。箱階段と呼ばれる一般的な階段には、蹴込み板と呼ばれる段板と段板を繋ぐものがありますが、オープン階段ではそれが取り払われています。
オープン階段は箱階段よりも設置費用がかかります。蹴込み板がなくても耐久性を担保できるように設計しなくてはいけないこと、オーダーメイドで作ることが多いこと、などが費用が高くなる理由として挙げられます。
費用が高い分、購入する勇気がなかなか出ない方も多いかと思います。設置後に後悔したらどうしようと心配になる方もいるでしょう。
確かにオープン階段には、デメリットや扱いにくい特徴もいくつかあります。しかし、それらについて理解し、対処方法をあらかじめ考えておけば、後悔することはなくなります。
また、オープン階段にはデメリットがある一方、デザイン性や開放感などのメリットも多くあります。デメリットを解消すると共に、メリットを活かせるようにすることが大切です。
オープン階段を導入して後悔した理由と対策
写真:カツデン/シースルー階段「FRIS」
オープン階段を導入した後悔する理由の中でも多いものは、次の4つです。
- 階段下を活用できない
- 階段からホコリが落ちる
- 子どもが落下しないか心配
- 費用がかかってしまった
1つ1つの後悔理由とその対処方法について順番に解説していきます。
階段下を活用できない
オープン階段と箱階段の大きな違いは、階段下を部屋にできないことです。箱階段は階段下が見えないため、下に物置部屋やトイレを作ることができます。
オープン階段は蹴込み板をなくし開放感を出すことが目的であるため、下を部屋にできないのは仕方がないことと言えます。階段下は、何か別の用途に使う必要があります。
階段下を持て余してしまう方は多いです。あるいは、乱雑に物を置くスペースと化してしまう場合もあります。せっかくデザイン性の高いオープン階段を設置したのに、階段下が乱雑としていては台無しになってしまいます。
対策1:作業スペースとして活用する
階段下は、作業スペースとして活用するのもおすすめです。机や椅子、本棚、時計などを設置し、集中して作業できる場を作ることができます。狭い場所の方が視界に入ってくる情報が少ないため、目の前の作業に集中しやすくなります。
ただし、作業スペースとして活用する場合、階段に頭をぶつけないように注意する必要があります。
対策2:テレビスペースとして活用する
階段下をテレビスペースとして活用するのもおすすめです。
リビングにテレビを設けるとスペースを圧迫してしまいますが、階段下なら邪魔になることはありません。また、リビングにあると食事中や作業中にテレビを観るようになってしまいます。テレビスペースを設けた方が、テレビの時間とそれ以外の時間とでメリハリを付けることができるメリットもあります。
対策3:魅せる収納スペースにする
オープン階段の下を収納スペースにするのは、基本的にはおすすめしません。オープン階段のせっかくの抜け感とデザイン性が損なわれてしまうためです。
ただ、どうしても他に活用方法が思いつかないなら、収納スペースにするのも手です。その場合、「魅せる収納スペース」にすることを意識するのがポイントです。
具体的には、見た目を美しくするために小物やオブジェを配置したり、観葉植物を置いて雰囲気を良くしたりすることが大切です。
また、オープン階段の色や素材に合った物を置くことも重要です。たとえば、スチールの黒い階段の場合は同じく黒い棚を配置することで、統一感を出すことができます。
階段からホコリが落ちる
オープン階段は蹴込み板がないので、隙間からホコリやゴミが1階の床に落ちてしまいます。リビングにオープン階段を設ける場合、ホコリが料理に入る可能性もあります。
ホコリを放置するのは衛生上好ましくありません。また、せっかくおしゃれなオープン階段を設置したのに、階段下がホコリまみれだと台無しになってしまいます。
対策1:こまめに掃除を行う
まずはこまめに掃除を行うことが大切です。ホコリはすぐに溜まってしまうので、定期的に取り除かないといけません。
階段は一段ごとに掃除しないといけないため、面倒に感じる方も多いかもしれません。ただオープン階段の場合、掃除が楽になる特徴が1つあります。箱階段の場合蹴込み板があるので、角にゴミが多く溜まります。このゴミは地味に取り除きにくいです。オープン階段なら、角にゴミは溜まらず下に落ちてくれます。
対策2:キッチンと階段の距離を離す
リビングにオープン階段を設置するのであれば、キッチンから離すことをおすすめします。その方が、料理にホコリが入る心配もありません。また、キッチンと階段の距離が遠ければ、料理の匂いが2階まで広がってしまうこともなくなります。
対策3:階段下に大事な物を置かない
階段の下には、コレクションや思い出の品など大事な物を置かないことをおすすめします。大事な物がホコリまみれになってしまうためです。どうしてもコレクションを飾りたいなら、ケースに入れておくといった対処が必要になります。
子どもが落下しないか心配
小さい子どもがいる場合、隙間から落ちてしまわないか心配、という方もいるのではないでしょうか。「オープン階段は危険」というイメージがある方もいるでしょう。
とは言え一般的な階段の場合でも、踏み外したりふざけたりして怪我をする危険性はあります。また、公園の遊具には階段よりも危ない遊具が数多くあります。そのため、オープン階段だけが特別に危険というわけではありません。
そうは言っても怖い方は多くいるかと思いますので、安全対策をいくつか紹介します。
対策1:手すりに格子・パネルを付ける
手すりに格子・パネルを付けることで横からの落下を防ぐことができます。格子を適度な間隔で配置すれば、オープン階段の抜け感が損なわれることはありません。また、パネルを付けると開放感は減ってしまいますが、安全度はより高くなります。
ただし、手すりに格子やパネルを付けられるかは製品によって異なります。カツデンのObjeA製品などの場合、縦格子やガラスパネル付きの手すりを選択することも可能です。また、オプションで蹴込み板を付けることもできます。
各メーカーの製品によってはさまざまな安全対策を導入できることがあるので、事前に確認してみることをおすすめします。
対策2:安全ネットを付ける
階段の下に安全ネットを付けるのもおすすめです。安全ネットを付けると景観は悪くなってしまいますが、子どもが大きくなったら取り外すことができます。
安全ネットは、ネットショップなどで5,000円程度で気軽に買えるのもメリットです。5,000円で安心を買えると考えると、非常にコストパフォーマンスが良いのでおすすめです。
費用がかかってしまった
オープン階段を導入した結果、予想以上に費用がかかってしまったということも多くあります。オープン階段の値段はメーカー・製品によって大きく変わります。また、デザインを変更したりオプションを付けたりすると、費用が上乗せされていきます。
更に、セミオーダーではなくフルオーダーを選択すると、相当に費用がかかってしまいます。セミオーダーはすでに用意された製品を元に、間取りや要望に合わせて設計するのに対して、フルオーダーは完全に1から設計を行うためです。
予算を抑えたいなら、セミオーダーを選択した方が良いです。セミオーダーでもデザイン面の改良や安全対策の追加は十分に行えることが多いです。
予算を抑える方法は他にもいくつかあるので、紹介していきます。
対策1:直線階段を選択する
オープン階段の導入費用を抑えたいなら、シンプルな形状を選択するのがおすすめです。階段はさまざまな形状にすることができます。一般的な家庭に多いのは次の4つです。
- 直線階段(ストレート階段)
- かね折れ階段(L字階段)
- 回り階段(U字階段・コの字階段)
- らせん階段(スパイラル階段)
この中でもっとも費用を抑えられるのは直線階段です。まっすぐでシンプルな形状なので、比較的作るのが簡単だからです。かね折れ階段などは途中で曲げる必要があるため、作るのが大変になります。
ただし、家の間取り的に直線階段の設置がむずかしい場合も多いです。かね折れ階段などの方が折れ曲がる分直線距離を確保しなくて良いため、設置しやすい場合もあります。
対策2:階段の素材を工夫する
階段はさまざまな素材から作ることができます。室内階段の素材として多く使われているのは次の3つです。
- 木
- スチール
- アルミ
この中でもっとも安く抑えられるのは、木の階段です。スチールやアルミは木の3〜5倍程度の値段がします。
スチールなどを取り入れたい場合は、階段の途中からスチールにする、あるいは手すりだけ変更する、といった対策もあります。
オープン階段は魅力的な面も多くある
写真:カツデン/シースルー階段「FRIS」
ここまでオープン階段のデメリットや後悔する点をお伝えしてきました。オープン階段には確かにデメリットも存在します。しかし一方で魅力的な面も多くあります。
オープン階段の魅力的な面として次の3つが挙げられます。
- デザイン性が高い
- 圧迫感がない
- 採光性・通風性に優れている
1つ1つの特徴について詳しく解説していきます。
デザイン性が高い
オープン階段の魅力はその見た目の美しさです。蹴込み板がなく段板と骨組みのみで構成され、無駄なパーツがないため洗練された印象を受けます。
オープン階段はデザイン性の高さから、リビングに設置する場合も多いです。階段は単に昇り降りするためのものではなく、住宅のインテリアの1つとして捉えることができます。
圧迫感がない
オープン階段は蹴込み板によって視線が遮られることがありません。リビングの真ん中に設置したとしても圧迫感を抱きにくいのもメリットです。開放感のある空間を作ることができると、毎日気分良く過ごすことができます。
採光性・通風性に優れている
オープン階段は風や光の通り道があるため、採光性・通風性にも優れています。2階の窓からの光が1階まで通してくれるため、階段回りが明るい雰囲気になります。また、空気の循環もしやすくなり、綺麗な空気を住宅に取り込むことが可能です。
オープン階段の導入に不安を感じる場合
写真:カツデン/片持ち階段「DANDEL」
オープン階段の導入に不安を感じる場合、次の2つを行ってみてはいかがでしょうか?
- 実際に導入した方の話を聞いてみる
- ショールームに参加する
ネットで調べるだけでは、導入後の具体的なイメージが湧かず、不安だけが募ってしまいがちです。上記2つのことを行うことで、階段を導入した後の生活をイメージしやすくなります。
実際に導入した方の話を聞いてみる
実際にオープン階段を導入した方が家族や友人にいないか探してみましょう。実際に導入した人の話はリアリティーがあり参考になります。たとえば、「生活にどのような変化があったのか」「掃除は大変じゃないのか」など、気になる点を聞いてみると良いです。
カツデンのサイトには、オープン階段を導入した方にインタビューした内容がまとめられています。オープン階段を導入した理由や導入後の感想などが記載されていますので、こちらも参考にしてください。
ショールームに訪問する
階段メーカーによっては各地でショールームを設置していることがあります。カツデンのショールームも全国10箇所に存在します。
ショールームでは実際の階段製品を観賞することが可能です。また、実物に触ったり昇り降りを試したりできる場合もあります。
観賞することで導入イメージも湧きやすくなります。また、昇り降りしてみることで「蹴込み板がないと怖いと思ったが、意外とそうでもなかった」など新しい発見が見つかります。
まとめ
本記事では、オープン階段導入後に後悔する点とその対処方法を中心に解説しました。オープン階段にはデメリットや扱いにくい点もいくつか存在しますが、今回紹介した通り対処方法はしっかりとあります。
また、オープン階段はデザイン性の高さや採光性の高さなど、魅力的な面も多くあります。デメリットだけに目を向けず、良い点・悪い点を両方知って総合的に判断することが大切です。
どうしても決断できないという方は、実際に導入した方の話を聞いてみたり、階段メーカーのショールームで実際の階段製品を観賞してみたりすることをおすすめします。