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2023.11.29 コラム

二階リビングとは?メリット・デメリット、階段を設置するポイントを解説!

この記事の監修

二級建築士/係長 高木 智加
二級建築士/係長高木 智加

皆さん、こんにちは。カツデンの編集部です。

リビングを二階にすることに憧れているものの、設置した後に後悔しないか不安な方も多いのではないでしょうか。

本記事では、二階リビングのメリット・デメリットについて解説します。また、二階リビングにする場合の階段設置のポイントについてもまとめました。

本記事を読むことで、二階リビングを設置する際に何に気をつけるべきかが分かり、後悔することがなくなるでしょう。二階リビングに興味がある方はぜひお読みください。

二階リビングとは?


写真:2階リビングのメリット・デメリットを知って、将来の暮らしを想像しよう。
ネット出典:暮らしのBLOG_vegahouse

二階リビングとは、その名の通りリビング(居間)を二階に設けることを指します。リビングは家族が集まって、ごはんを食べたりテレビを見たりコミュニケーションを取ったりする、大切な場所と言えます。

基本的にリビングは一階に設置する場合が多いです。しかし最近は二階に設置する人も増えています。二階に設置すると、いちいち階段を昇らないといけないので不便と思われがちですが、メリットも多くあります。

二階リビングのメリット


写真:2階リビングの間取り、メリットは? 家族が集まる心地よい空間をつくろう
ネット出典:ホームズ

二階リビングのメリットは次の5つです。

  • 日当たりが良い
  • 景色を楽しめる
  • 勾配天井にすることができる
  • 耐震性が高まりやすい
  • 近所を気遣う必要がない

これらのメリットに惹かれる方は二階リビングがおすすめできます。1つ1つのメリットについて、詳しく解説していきます。

日当たりが良い

二階リビングには日当たりが良いというメリットがあります。一階の場合、近隣住宅の陰になってしまい電気をつけないと暗くなってしまう可能性もあります。特に住宅密集地の場合、日当たりが悪くなってしまうことが多いです。

二階をリビングにすれば、近隣住宅に光を遮られることがありません。また、 リビングに大きな窓を設けたり、高窓や天窓を設置したりすれば、採光性をさらに高めることが可能です。もちろん、風通しも良くなるでしょう。

日当たりが良いと毎日気持ちよく過ごすことができますし、昼間なら電気なしで生活することができます。

景色を楽しめる

二階リビングの醍醐味と聞いて多くの人が思い浮かべるのが、景色を楽しめることではないでしょうか。ごはんを食べたりリラックスしたりしながら綺麗な景色を見ることができます。大きな窓を設置すれば、更に景色を堪能しやすくなるでしょう。

とはいえ、景色を楽しめるかどうかは近隣の状況にもよります。周囲がビルや家ばかりならそこまで楽しめないかもしれませんが、公園などが近くにある場合は視界を遮ることがなく、気持ちよく景色を楽しむことができます。

勾配天井にすることができる

二階リビングの場合勾配天井を選択することも可能です。勾配天井とは屋根の角度に合わせて斜めに作られた天井を指します。一階の場合は、天井の高さが必ず一定になります。

勾配天井を選択することで、高いところは開放的に、低いところは落ち着いた雰囲気にと、空間利用に奥行きを持たせることができることに加え、開放感を高めることが可能です。また、勾配天井の高い位置に窓を付けるとおしゃれになりますし、太陽の光をリビング全体に届けてくれます。

ただし、天井が高い部分は窓や照明の掃除が面倒になるデメリットもあります。そのあたりも考慮して勾配天井を導入するか決めましょう。

耐震性が高まりやすい

二階リビングにすると、住宅の耐震性を高めることが可能です。なぜなら、必然的に一階の部屋数が多くなり、二階を多くの柱と壁で支えることができるためです。耐震性を高めることで安心して毎日を過ごせるのは大きなことです。

近所を気遣う必要がない

二階リビングの方が、近所の状況に気遣う必要がなくなります。一階にリビングがあると、家の前を歩く人や隣に住む人に、リビングの様子を見られてしまう可能性もあります。そのため、カーテンを閉めないといけない時間帯が発生するかもしれません。カーテンを閉めると、リビングの開放感が削がれてしまいます。

また、一階のリビングで子どもが騒がしくすると、隣の家まで聞こえてしまう可能性があります。二階リビングなら多少マシになるという意見もありました。

であれば、隣の家の一階で起きた騒音も当然届きにくくなります。家族との時間を静かに過ごしたいという方にも、二階リビングがおすすめできます。

二階リビングのデメリット


写真:家族が集う2階リビングの家
ネット出典:ポウハウス

続いて、二階リビングのデメリットについて解説します。デメリットは次の2つです。

  • 家族間のコミュニケーションが減りやすい
  • 防犯面の心配がある
  • 夏場は暑い可能性がある

これらのデメリットの対処方法についてもまとめました。デメリットが気になる方は参考にしてください。1つ1つのデメリットについて詳しく解説していきます。

家族間のコミュニケーションが減りやすい

二階リビングは家族間のコミュニケーションが減りやすいデメリットがあります。なぜなら、リビングを二階にすると一階を子ども部屋にすることが多いためです。学校から帰ってきた後、リビングに顔を出さず子ども部屋に直行してしまうかもしれません。

特に子どもが思春期になると、家族のコミュニケーションは減ってしまいがちです。コミュニケーションが減ると、子どもに異変があった場合に気がつきにくくなりますし、悩みごとを相談し合う機会も失われてしまいます。

対策:住宅の間取りを工夫する

住宅の間取りを工夫することで、コミュニケーションの問題は解決する可能性があります。たとえば、子ども部屋を二階に設置してリビングを必ず通過するようにする、などです。

他には、階段の昇り口を玄関付近にして、下り口をキッチン付近にするという手もあります。子どもが帰ってきた際に、声をかけやすくなるでしょう。

防犯面の心配がある

二階リビングは防犯面に不安を覚える方も多くいます。生活の中心が二階になるため、一階の様子が分かりにくくなってしまいます。

二階で子どもが騒いでいたり料理しているときの音がうるさかったりすると、泥棒が入ってきても気が付かないこともあるかもしれません。

対策:防犯設備を揃える

戸締まりをしっかりするのは大前提として、それ以外にもさまざまな防犯対策を行っておくことをおすすめします。

たとえば、玄関に人感センサーライトを取り付ける選択肢があります。人が近づいたら自動的に灯りがつくようになるため、不審者の侵入を防げる可能性があります。他には、防犯ガラスを設置して窓からの侵入を防げるようにする、などの対策があります。

防犯面の心配が強い方は複数の対策を行っておくと良いでしょう。

夏場は暑い可能性がある

住宅の断熱性にもよりますが、リビングが二階にあると夏場暑くなってしまうことがあります。なぜなら、暖かい空気は上に溜まり冷たい空気は下に溜まるためです。

もちろん冷房を強くすれば問題ありません。ただ、リビングには誰かがいることが多いため常に冷房をつけなくてはならず、電気代が増えてしまう恐れがあります。最近のエアコンは省エネ性能が高いですが、電気代の方は上がっているので心配な方は多いでしょう。

対策:空気を循環させる

空気を循環させて暖かい空気を逃がすようにする対策があります。

手軽に購入できるものとしては、サーキュレーターがあります。サーキュレーターとは強い風を起こして空気を循環させるためのものであり、3,000円程度で購入することができます。冷房とサーキュレーターを組み合わせれば、効率的に温度を下げられるでしょう。

他には、シーリングファンを設置する選択肢があります。シーリングファンは天井に取り付けるサーキュレーターであり、プロペラを回転させることで空気を循環させます。インテリアとしても楽しむことができるのでおすすめです。

二階リビングにするなら階段にこだわるべき理由


写真:2階リビングから1階階段を見下ろす
ネット出典:fevecasa(フェブカーサ)

ここまで二階リビングのメリット・デメリットについて解説しました。二階リビングを選択するなら、1つ重要なことがあります。それは、階段にこだわるべき、ということです。

住宅の階段には、さまざまな形状や素材があります。階段メーカーに依頼することで、好みの階段を個別に設置することも可能です。

なぜ階段にこだわるべきなのか、その理由は次の3つです。

  • 階段の昇り降り回数が増えるため
  • 荷物を二階まで運ぶ必要があるため
  • 子どもやお年寄りも階段を使うため

1つ1つの理由について詳しく解説していきます。

階段の昇り降り回数が増えるため

二階にリビングがあると、必然的に階段の昇り降り回数が増えます。何回も使うわけですから、安全性や利便性には気を配りたいものです。

たとえば、朝に焦って登校・出社しようとして、階段でつまずいて怪我をする可能性もあります。また、リビングが二階にあると、階段で家族がすれ違う頻度が増えます。そのことも考慮した階段にすることが大切です。

荷物を二階まで運ぶ必要があるため

二階リビングの場合、荷物を二階まで運ぶ頻度も増えるでしょう。キッチンが二階にあるわけですから、スーパーで購入した食材を運びながら階段を昇らなくてはいけません。そのため、より安全性に配慮した階段設計が重要になります。

また、大型家電などは階段の幅などによってそもそも搬入できない場合があります。階段を決める際は、家具の大きさも考慮しなくてはいけません。

子どもやお年寄りも階段を使うため

二階リビングにすると、子どもやお年寄りも階段を使います。一階にリビングおよび個室があれば、小さい子どもやお年寄りは階段を昇らなくても良くすることが可能です。ただ、二階にリビングがある場合はそうもいきません。

二階リビングと相性の良い階段を設置するポイント


写真:2階リビングの間取りとメリットとデメリット対策を解説!
ネット出典:日建ホーム

リビングを二階にするなら、階段にこだわるべきということがお分かりいただけたかと思います。とはいえ、どのような階段にすれば良いのか分からない方がほとんどでしょう。

そこで、二階リビングと相性の良い階段を設置するポイントをまとめました。ポイントは次の4つです。

  • かね折れ階段・回り階段にする
  • 踊り場を設ける
  • 玄関に吹抜けを作る
  • 階段の幅を広くする

これらのポイントを意識することで、階段の使いやすさや安全性を高めることができます。1つ1つのポイントについて詳しく解説していきます。

かね折れ階段・回り階段にする

二階リビングの安全性を高めたいなら、かね折れ階段や回り階段がおすすめです。かね折れ階段は途中で90度L字に曲がる階段、回り階段は途中で90度L字に2回曲がる階段です。

かね折れ階段・回り階段は、足を踏み外しても一番下まで落ちないのがメリットです。一番下まで落ちなければ、大怪我を免れるかもしれません。

ただし、かね折れ階段・回り階段は形状が複雑な分、まっすぐな階段(直階段)よりも設置費用が高くなってしまいます。また、大きな家具などを運ぶ際は途中で回転させなくてはいけません。直階段には直階段のメリットがあるため、予算や好みで選ぶ必要があります。

踊り場を設ける

階段には踊り場を設けるのがおすすめです。踊り場を設ければ、直階段であっても踏み外した際に一番下まで落ちなくなります。また、お年寄りの方は一気に階段を昇るのがきつい場合があるので、踊り場で一旦休憩できるようにした方が良いでしょう。

特に二階にリビングを設ける場合、階段を使う頻度が増えるわけですから、事故の確率も高まります。安全性の高い階段にすることが大切です。

階段の幅を広くする

階段の幅はできれば広くするのがおすすめです。

二階にリビングがあると家族と階段ですれ違う頻度が増えるため、二人が安全に通れる幅にしたいです。また、幅が広ければ小さい子どもやお年寄りと手を繋いで昇り降りしやすくもなります。加えて、大型の家具も運びやすくなるでしょう。

建築基準法に準拠するために階段の幅は、75cm以上する必要があります。ただ、75cmだと狭いと感じる場合が多いので、できれば90cm〜100cm程度にするのがおすすめです。

もちろん、階段の幅を広くするとその分スペースを取ってしまうため、そのあたりも考慮しつつ最適な幅を決める必要があります。

まとめ

本記事では、二階リビングのメリット・デメリットや、二階リビングと相性の良い階段を設置するポイントについて解説しました。

二階リビングは景色を楽しめることや採光性に優れていることなど、多くのメリットがあります。通常は一階に設置することが多いですが、近隣の状況なども踏まえ、あえて二階に設置するのも面白いかと思います。

二階リビングを選択する方は、階段にはこだわった方が良いです。階段の幅を広めにしたり踊り場を設けたりすることで安全性を高めることができます。予算面や住宅スペースなども考慮しつつ、家族が使いやすい階段にすることが大切です。

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