ガラスでできた美しい階段に憧れる方も多いのではないでしょうか。ガラス階段は光を通すことや開放感が感じられることも魅力として挙げられます。
本記事ではガラス階段のメリット・デメリットについて解説します。ガラス階段の施工事例についてもまとめました。
本記事を読むことでガラス階段について理解を深めることができ、自宅にガラス階段を取り入れるか検討することができます。ガラス階段に興味がある方はぜひ参考にしてください。
ガラス階段とは?
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
ガラス階段とは一般的には、段板(足を置く部分のこと)や手すりのパネルなど、一部分にガラスが使われている階段を指します。階段すべてをガラスで作ることはできませんが、一部をガラスにすることは可能です。
たとえば、カツデンのObjeAという製品は、階段の骨組みや手すりの支柱、トップレールはスチールで作られていますが、段板と手すり面材にはガラスを選択することが可能です。
ガラス階段は透明感や開放感の高さが魅力です。採光性に優れているため、リビングに導入されることが多いです。リビングにガラス階段を導入することで、リビング全体を格調高い雰囲気にすることができます。
ガラス階段の多くはシースルー階段です。シースルー階段とは、蹴込み板がなく骨組みと段板だけで構成された階段を指します。シースルー階段の段板をガラスにすることで、開放感をより高めることが可能です。
ガラスの素材としての特徴
ガラスの素材としての特徴は次のとおりです。
- 透明である
- 光を通す
- 熱を伝えにくい
- 電気を通さない
- 鉄よりも硬い
このような特徴を持っているガラスは、住宅・自動車の窓や食器、スマートフォンのカバー、テレビのディスプレイなどの素材として使われています。
場合によっては、強化ガラスというものが使われることもあります。強化ガラスは一般的なガラスの3〜4倍もの強度を誇り、簡単に割れることがないのが特徴です。階段手すりのパネルには、強化ガラスが使われることも多くあります。
加えて、強化ガラスは万が一割れても、破片が鋭利にならず小さい粒状に砕けるようになっているので、安全性が高いです。
ガラス階段のメリット
写真:ガラス階段
ネット出典:丸豊建硝
ガラス階段(段板がガラスでできた階段)には次の4つのメリットがあります。
- 透明感が美しい
- 光を遮らない
- 空間が広く見える
- オリジナリティを出せる
このようなメリットに惹かれる方は、ガラス階段を検討する余地があると言えます。1つ1つのメリットについて詳しく解説していきます。
透明感が美しい
ガラスのメリットはまず、透明感が美しいことが挙げられます。ガラスは光を吸収することがなく、キラキラと反射する性質を持っており、美しいと感じさせてくれます。
その美しさからガラスは、古くから装飾品の材料としても使われています。
また、ガラスは表面に傷が付きにくく、綺麗な状態で長く使えるのもメリットです。ガラス階段は経年劣化によって、劣化したり腐食したりすることはありません。
光を遮らない
ガラスを光を遮らず通してくれるのも特徴です。
ガラスでできた段板は、窓からの光を邪魔することなく、リビングまで届けてくれます。吹抜けにガラス階段を設置した場合、2階の窓からの光も遮ることがありません。当然ですが、木やスチールなど他の素材の場合は、光を遮ってしまいます。
シースルー階段は、蹴込み板がなく採光性が高いのが特徴ですが、段板をガラスにすることで採光性をさらに高めることができます。
空間が広く見える
段板をガラスにすることで、空間が広く見える効果もあります。ガラスは透明なため視界を遮ることがなく、圧迫感を感じにくくなるためです。
ガラス階段なら狭いリビングでも広く見せることができます。広く見えると開放感が高まって、リビングでゆったり過ごせるようになります。
オリジナリティを出せる
ガラス階段にすることは、オリジナリティを出せるというメリットもあります。そもそも、シースルー階段を導入している住宅自体がそこまで多くありません。それに加えて段板をガラスにしている住宅は、かなり限られます。
導入例が少ない理由として、ガラス階段に対応している階段メーカーが少ないことや、導入費用が多くかかることなどが挙げられます。
ガラス階段にすれば、お客さんにも驚かれることが多いです。話の種になることもありますし、住宅デザインにこだわっている家庭だと一目置かれる可能性もあります。
ガラス階段のデメリット
写真:ガラス階段のある家
ネット出典:株式会社ハウゼ
続いて、ガラス階段(段板がガラスでできた階段)のデメリットについて解説します。デメリットは次の3つです。
- 怖いと感じる人もいる
- 費用が高くなる
- 指紋やホコリが目立つことも
デメリットも知っておかないと、ガラス階段にした結果、後悔してしまう可能性もあります。良い面・悪い面を両方知ったうえで、導入するか決めるのが大切です。
1つ1つのデメリットについて詳しく解説していきます。
怖いと感じる人もいる
ガラス階段は人によって、怖いと感じる場合もあります。段板が透明になっており、下が見えてしまうためです。高所恐怖症の人が家族にいる場合は、避けた方が良いと言えます。
また、使っていくうちにガラスが割れてしまわないか、不安になる方もいます。実際はガラスは経年劣化することがなく、長く使ったとしても割れやすくなることはありませんが、そうは言っても、不安に感じる方はいるので配慮は必要です。
費用が高くなる
ガラス階段はどうしても費用が高くなってしまいます。
たとえば、カツデンのObjeAでは階段のささら桁(骨組み)や手すり、段板をさまざまな素材・デザインから選ぶことができますが、トラス×ガラスDPG手すり×ガラス段板の組み合わせがもっとも高価になります。
反対に、階段の段板などを木に変えると、費用を安くできることが多いです。
ガラス階段を導入するかどうかは、予算も加味して決める必要があります。
指紋やホコリが目立つことも
ガラスは透明なため、指紋やホコリがどうしても目立ってしまいます。指紋やホコリが多く付いていると、せっかくの美しさが損なわれてしまうので、こまめにお手入れすることが大切です。
しかし、ガラスは表面が滑らかで、汚れを落としやすい点はメリットです。階段に飲み物などをこぼしても、さっと拭き取れば跡が残ることはありません。
階段手すりにガラスパネルを付けるメリット
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
階段製品によっては、階段手すりにガラスパネルを付けることが可能です。
階段の両側に壁がない場合、横から転落してしまう可能性があります。手すりの設置は、横からの落下を防止するためでもあります。
ただ、身長が小さい子どもの場合、手すりの下から落ちてしまう可能性があります。手すりにガラスパネルが付いていれば、小さい子どもでも落ちる心配がなくなります。
ガラスパネルではなく、手すりに格子を付けることでも転落防止になりますが、格子の場合子どもが隙間から顔や足を出して遊んでしまう可能性もあるので、ガラスパネルの方がより安全であると言えます。
なお、カツデンでは特注対応となりますが、ガラスパネルではなくアクリルパネルを設置する手もあります。アクリルはガラスの10倍ほど割れにくいと言われています。ただ、強化ガラスでも十分に割れにくいですし、ガラスの方が傷が付きにくいというメリットがあります。
階段手すりにガラスパネルを付けるデメリット
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
小さい子どもにとって握る部分がないことで、落下リスクは減るものの、転げ落ちるリスクは上がる点も要注意です。
パネル以外であれば何かしら握れる部分があるため、どちらを優先すべきか事前に考えておきましょう。
その問題を解決するため、カツデンではガラスパネルのときに使用される「階段内手すり」というオプションがあります。
後は、単純に追加費用がかかってしまうというデメリットはあります。
ガラス以外の階段の素材について
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
階段の段板や手すりなどには、ガラス以外に次の2つの素材が多く使われます。
- 木
- スチール
階段を選ぶ際は、これらの素材の特徴も知っておく必要があります。各素材の特徴について詳しく解説していきます。
木
木は階段の素材としてもっとも多く使われています。スチールなどの金属と比べて、樹種次第では価格が安いものも選択できるためです。
木の良さはナチュラルな雰囲気を出せる点です。また、段板や手すりを木にすることで、木の温もりや肌触りを楽しむことができるのも魅力と言えます。
カツデンのスチール階段製品の場合、もっとも多く使用される段板は木です。スチール階段に木を取り入れることで、スタイリッシュな雰囲気はそのままに、温かみをプラスできます。
スチール
スチールで作られた階段も人気があります。スチールは、鉄に少量の炭素などを混ぜて作る合金のことです。鉄に炭素を混ぜることで耐久力を高めることができます。
スチールは耐久力が高いため、段板や手すりを細いデザインにすることも可能です。また、金属ならではの引き締まった見た目も魅力と言えます。
スチールの階段の価格は、一般的な木製の階段の3〜5倍程度します。しかしその分、一般住宅での導入数が多くないため、オリジナリティを出せるのがメリットです。
おしゃれなガラス階段の施工事例
おしゃれなガラス階段の施工事例を1つ紹介します。こちらは、カツデンのObjeAという製品であり、段板をガラスに変更した事例となっています。カツデンのPHOTO CONTESTで、2021年最優秀賞を獲得した階段でもあります。
ガラスの段板とスチールの骨組み・手すりが上手くマッチしており、全体的に上品さが感じられます。
ObjeAは間取りに合わせて設計できる柔軟性が特徴です。また、ささら桁や手すり、段板を好きな素材・デザインにカスタマイズすることができます。
段板は6種類から選ぶことができ、ガラスを選択するとこのような見た目・雰囲気になります。写真を見て分かるとおり、窓からの光をガラスの段板がしっかり通してくれるため、この明るさを実現しています。
手すりには、DPGというガラスパネルを設置しています。DPG(Dot Point Glazing)は穴を開けたガラスを金物で留めるという施工方法です。固定部分を最小限にし、シンプルな見た目にできるのが特徴です。
ガラスパネル付きの階段の施工事例
こちらは、アパートのエントランスの吹抜け部分に階段を設置した事例です。ObjeA PREMIUMというスチール階段製品に、ガラスパネルが付けられています。
ObjeA PREMIUMは集合住宅やオフィス向けのカツデンの製品であり、シンプルかつ高級感のある見た目が特徴です。写真を見て分かる通り、ガラスパネルがそこまで圧迫感を感じさせず、むしろ良い影響を与えています。
また、カツデンでは吹抜け手すりも販売しています。こちらの施工事例では、吹抜けも手すりも同じ種類のガラスにしたことで、統一感を出すことに成功しています。
このようにカツデンでは、階段の段板をガラスに変更したり、階段や吹抜けの手すりにガラスパネルを付けたりすることが可能です。
まとめ
本記事では、ガラス階段について解説しました。ガラス階段のメリット・デメリットがお分かりいただけたかと思います。
階段の段板をガラスにすることには、階段の美しさを高められたり、窓からの光を遮らずリビングまで通せるようになったりと、多くのメリットがあります。
また、階段手すりにガラスパネルを付けることは、階段からの落下防止になったり、空間の良いアクセントになったりするメリットがあります。
もちろん、段板をガラスにしたり、手すりにガラスパネルを付けたりすると、その分費用は高くなります。しかし、ガラスのゴージャスさや格調高さに惹かれる場合、費用が高くなったとしても、ガラスを取り入れる価値はあると言えます。
階段のデザインは妥協しない方が、後々後悔することもなく、愛着を持って使い続けることができます。