カツデンアーキテック株式会社

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KDATブログ

2018.10.30 商品開発

プロダクトデザイナーMarcelo Alegre氏インタビュー

ベトナム駐在の坂田光穂です。
2018年で当社は創業60周年を迎え、6月には多くの方をゲストに迎えて記念式典とパーティーを開催しました。
その場で、カツデンアーキテックの歴史を語る上で外せない2名に講演をしていただきました。

1人はベトナムで建築家として活躍されている西澤俊理氏。彼にはKATZDEN ARCHITEC VIETNAMの工場のデザインをしてもらいました。
西澤俊理(にしざわ しゅんり)

そしてもう1人はスペインでプロダクトデザイナーをしているMarcelo Alegre氏。彼とは2013年にリリースした『D-NA CESTA』を始めとして、当社の数々の製品のデザインを手掛け、コラボレーションを行ってきました。
Alegre Marcelo(アレグレ・マルセロ)

その場では英語での講演で通訳の方を介しており、多くのことは語れなかったため、改めてMarcelo氏が何を考えてデザインを作り上げているのか、またプロダクトデザイナーとしてのポリシーをインタビューしてみました。

どんな生活を想像して製品をデザインしたのか?

D-NA CESTA

ターゲット:公園、公共施設など
製品コンセプト:自転車を自立させられる構造のユニークなデザインのサイクルスタンド
サイクルスタンド『D-NA CESTA(ディーナ チェスタ)』
これはカツデンアーキテックとの最初のプロジェクトだね。
主に公共施設なんかに設置するイメージだったようだから、日本の景観を調べたりイメージしたりして、革新的な構造だけどシンプルなデザインにしたんだ。
モチーフはチェスタ・プンタというスポーツで使用するラケットで、『CESTA(チェスタ)』という名前になった。
シェアサイクル用の駐輪ポートにも採用されたことで、最近では日本中に設置されているらしいね。
『CESTA』は幾何学的概念に基づいてデザインしたんだけど、そこからアルミ鋳物のサイクルスタンド『Llatina(ラティーナ)』のデザインにもつながったんだ。
サイクルスタンド『D-NA CESTA(ディーナ チェスタ)』
製品紹介 詳細

KIDS Lofty

ターゲット:子供部屋のある住宅
製品コンセプト:見た目からワクワクする遊具のようなロフト階段
ロフト階段『KIDS Lofty(キッズロフティー)』
まずは日本の住宅に馴染むような製品、というイメージで考えた。
ただ、子どもがターゲットとなると親しみやすさは欠かせない。
そこでデザインの方向性は、カツデンアーキテックの製品全体のコンセプトに沿いつつも、子どもが興味をもって触りだすような、そんなシンプルでいて楽しいロフト階段にしていったんだ。
もちろん、安全性も忘れずにね。
ロフト階段というのは、日本の狭小地住宅やアパートにもスペースを有効活用できる製品だ。
これからそういうところでも使われていくと面白いよね。
製品紹介 詳細

Athletic Series DECO

ターゲット:室内で運動をしたい親子
製品コンセプト:ポップで運動意欲を刺激しながらも、リビングに付けて違和感のないもの
アスレチックシリーズ『DECO(デコ)』
コンセプトを聞いたとき、この製品の目的は運動することだけじゃなくて、家の中で親子が一緒に過ごす場所を作ることだと僕は思ったんだ。
そうしてデザインしたのが『DECO(デコ)』。
健康増進とレジャー、この2つを両立させるものとなったんだ。
子どもにとっては心と体両方の成長のきっかけに、大人にとっては家で運動できるから健康的な生活を送る手助けになる。
もちろん子どもをターゲットにするから、『KIDS Lofty』と同様に安全性も考えられたデザインだ。
アスレチックシリーズ『DECO(デコ)』
製品紹介 詳細

NeconoMa

ターゲット:猫を飼っている家庭
製品コンセプト:インテリアデザインに馴染み、余計なスペースを取らないキャットグッズ
キャットシェルフ『NeconoMa(ネコノマ)』
『NeconoMa(ネコノマ)』は猫も含めて家族全員がその空間に一緒にいられるスペースを作ることだった。
ダイナミックに飛び跳ねて遊んだり、ちょっと休んだり、彼らにとってリラックス出来る家をイメージしてデザインした。
猫と人が一緒に暮らしながらも、時にはお互いのプライバシーを大事にして距離を保てるような生活が必要だと思うんだ。
四六時中近い距離で暮らすのは疲れちゃうからね。
デザインバリエーションは全部で3種類。
モチーフをデフォルメしてシンプルなデザインにしているから、日本の住宅の内装に馴染みやすいはずだよ。
キャットシェルフ『NeconoMa(ネコノマ)』
製品紹介 詳細

Pablo

ターゲット:駐車スペースの意匠性にこだわる家庭、駐車場オーナー
製品コンセプト:自動車とカラーを合わせられ、ポップ&クールなスペースを作り出す車輪止め

『Pablo(パブロ)』は今まで室内製品ばかりデザインしていた僕たちには、新しいチャレンジとなる製品だった。
サイクルスタンド『D-NA』のコンセプトと合わせて、デザインと使いやすさを両方叶える「車輪止め」として考えたんだ。
パーキングブロック『Pablo(パブロ)』
製品紹介 詳細

我々から依頼を受けてからデザインを作り出すまでにどんなことをしますか?

まず、カツデンアーキテックの材料の加工技術というベースがある。
彼らは最新鋭の生産ラインを持っている訳ではないけど、とても良いオリジナリティを持っていて色んな視点から多くの製品が生み出されているよね。
それに対して僕らは、彼らが想定している新たな製品の使い方と求められるであろうニーズについてリサーチを行う必要がある。
その上で、それを解決するための製品としてデザインに落とし込むんだ。

デザインした製品の用途が顧客の要望にマッチしているかどうかは一番大事だよね。
だからそこを徹底的に分析し、使われる環境や人間の行動を観察しながら、具体的なアイディアやコンセプトを検討するところから始めるんだ。

一緒に働く上で、何がカツデンアーキテックの魅力ですか?

僕たちのミッションは日本の生活に溶け込む製品を創造すること。
カツデンアーキテックは革新的なものを作ってきたし、これからも日本にはないものを作ろうとしている。
その行動力が僕たちにとっては新鮮で楽しいからこそ、一緒に仕事するとモチベーションが上がるんだ。
そこが彼らの魅力だと思うよ。

我々の製品をデザインする上で苦労するのは何ですか?

カツデンアーキテックは優れた製品を作り出すと同時に、普遍的なソリューションを生み出している。
その実績があることで、僕らのようなデザイナーにとっては難しいと感じさせるし、ハードルが高いと感じさせるときもある。
なぜなら材料や構造を考えるときに、今までの実績を壊してしまわないように、可能な限り注意を払わないといけないから。
カツデンアーキテックから提供される製品の元となるアイディアのコアとなる部分を保ちながらも、他の製品のコンセプトとも一貫させることが苦労と言えるかもしれないね。

あなたがデザインした後に製品を実現する会社として、我々に求めることは何ですか?

コンパクトでスピーディーな決定フローを持っていることと、製造力に長けてベトナム工場とも連携できること。
この2点を実現している現段階では、次のステップに行くことを考えたほうがいいんじゃないかな。
例えば、開発時のマーケティングの考え方や顧客とのコミュニケーションを見直したり。
エンドユーザーやマーケットに対して効果的にリーチすることを考えながら製品開発をすると、さらに良い発見があるかもしれないね。
あと海外への輸出について、もっと考えてみたらどうかな?

今までに存在しない製品をデザインするために必要なことは何ですか?

これはとても良い質問だね。
良いものを作り出すには、未来を見て、市場を観察し、社会のニーズを常に把握しておくことが必要だ。
その方法の1例としては、他企業とコラボレーションするための体制を作ると良い。
消費者や人々の習慣をより深く研究するためにね。
僕らの場合、製造能力を持つカツデンアーキテックと協力できていて、現に彼らの新製品を良いものにしてマーケットに触れる機会を得られている。
そこから学ぶことが多く、より良いデザインを着想するきっかけになっていくんだ。
Alegre Design

まとめ

インタビューは以上です。
洋画の吹き替えのようなイメージで翻訳したため、本人が発していたニュアンスと異なる点があるかもしれませんが、ご容赦ください。

当社はMarcelo氏を含めたAlegre Designとは、5年ほど前からパートナーとして共に仕事をしています。
通訳の方を通してですが、仕事以外のコミュニケーションを取る機会が多くあり、その中でお互いへのリスペクトや考え方の共通項が生まれていきました。
そこで重要なことは、インタビュー内容でも感じ取れることでもある「対等であること」です。
「デザインをAlegre Designが考える、カツデンは作る」というのは、決してどちらが上でも下でもありません。
だからこそお互いに言いたいことは言い、それが的を射たものであれば取り入れ、違うのであれば徹底的に議論をします。
「こんなの作れるわけない」「難しすぎる」「コストがかかりすぎる」と思いながらも生産側がキャパシティを高め、またデザイナーの側では難しい制約にできる限り応えながらオリジナルの美観も損ねないようギリギリの改変を重ねていくというような形は、お互いに切磋琢磨してレベルを上げていきます。

海外のデザイナーと”継続して”商品やサービスを開発をするには、意思疎通、文化の違い、デザインへの考え方などが噛み合わず、うまくいくケースは多くないようです。
我々がMarcelo氏との成功体験で伝えられることを、これから海外進出する方やデザインをアウトソースする方にとって何かしらのきっかけになれば幸いです。
Alegre Design & KATZDEN ARCHITEC

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