皆さん、こんにちは。カツデンの編集部です。
夢のマイホームを建てる。あるいはリフォームでより充実した生活空間を手に入れたい。こういった方々の多くは内装にこだわりや理想を持っています。その中でも特に多い要望というのが「開放的で広々とした空間」「日光が差し込み、全体が明るい空間」です。
こういった要望をより効果的に演出する方法は幾つかありますが、その中でも特に強力なアイテムとなるのが「らせん階段」です。ただし、やはり設置費用が気になるという方も多いかと思います。
そこで今回は「らせん階段の設置費用」を中心に、費用感や施工事例、設置におけるメリットデメリットなど基礎知識を分かりやすく解説していきたいと思います。
らせん階段について簡単におさらい
写真:ルーヴル美術館のらせん階段
出典:Wikipedia
らせん階段とは回転型の階段のことを指し、上から見ると円形になっているのが特徴です。もともとはヨーロッパ圏を中心に、歴史ある建造物に取り入れられていましたが、最近ではそのデザイン性の高さに加え、機能性を兼ね備えていることから近代建造にも多く取り入れられるようになっています。
またらせん階段には大きく2種類あり、ごく一般的に見られるのが「回り階段」と呼ばれるらせん階段であり、円の中心には支柱があるのが特徴です。もう1つは「無柱らせん階段」と呼ばれ、文字通り柱を使っていないもので、パリのルーヴル美術館などで採用されています。
このように著名な建造物に取り入れられているらせん階段であり、特に日本でらせん階段のある住宅をお持ちの方が少ないことから、内装アイテムとしては一級品の部類に入ると言っても過言ではないでしょうか。
らせん階段のメリット
らせん階段について概要説明をしたところで、ここで実際にらせん階段を取り入れた場合にどのようなメリット・デメリットがあるのかを確認しておきましょう。まずは「らせん階段のメリット」についてです。
・おしゃれ:洗練されたデザイン
・優れた採光:明るい空間デザイン
・省スペース:一坪でも設置できる
・高い設計自由度:好きな場所に設置できる
おしゃれ:洗練されたデザイン
正直なところ、らせん階段を取り入れる最大の理由は「そのデザイン性の高さ」にあるのではないでしょうか。
これまで「階段を上る」という機能でしかなかった階段。これがらせん階段の場合、機能面もありつつ、美しいデザインから見ているだけで楽しく、空間デザインとしては最高の部類に入るのでしょう。
また先ほども言いましたが、日本にらせん階段がある住宅はまだまだ少なく、他の住宅との差別化はもちろん、来客者をアッと驚かせるキーアイテムとなること請け合いです。
優れた採光:明るい空間デザイン
写真:カツデン/シースルーらせん階段「Modelia」
らせん階段は「優れた採光」がとれることも大きなメリットの1つです。採光とは自然光を取り入れること意味し、明るい空間の演出には特にこだわるべきポイントです。優れた建築デザイナーの多くは、この採光に重きをおいており、窓の枚数や配置など厳密なデザインのもと空間デザインを行っています。
らせん階段はその構造上、日光を遮断することなく部屋全体を明るくするという側面があり、明るいインテリア作りには一役も二役も買ってくれるでしょう。
省スペース:1坪に収まる
写真:カツデン/シースルーらせん階段「Modelia」
らせん階段は通常の階段とは異なり、 支柱を中心に上る構造の階段になるため必要となるスペースが少なくなります。
特に日本は「狭小住宅※1」が多い傾向にありますが、通常の階段を設置するにもスペースの問題からかなり窮屈な階段設計になっていることもよく見られます。最低でも1坪あれば設置可能であるなど、日本の建築事情おいても省スペースならせん階段が活きてくるのです。
※1 小さな土地に建てられた住宅のこと
設計自由度:好きな場所に設置できる
写真:狭小ではない住宅の施工事例
出典:株式会社BLISS
らせん階段は設計自由度が高く、リビング・キッチン・ロフトなど希望に合わせた設置が可能です。またらせん階段の設置はキットの組み立てだけとなるため、工期も比較的に短く、すぐに導入ができる点もポイントと言えるでしょう。
らせん階段のデメリット
ここまで見るとらせん階段にはメリットしかないように思いますが、デメリットも勿論あります。ここでは「らせん階段のデメリット」について確認していきたいと思います。
・踏み面の少なさ
・大型家具の搬入が難しい
・冬場は段板が冷たい
・階段下にはスペースがあまり無い
踏み面の少なさ
写真:階段の各種名称
出典:SUMMO
らせん階段のデメリットの中で最も大きい部分を占めるのが「踏み面の少なさ」ではないでしょうか。
踏み面(ふみづら)とはいわゆる階段で足が乗る水平面の広さのことですが、らせん階段は円形という構造上、四角形の段板ではなく「三角形の段板」になります。そのため上り下りの際に安定感が無いように感じるかもしれません。
こういった問題については、らせん階段の上り下りに慣れてしまえば問題ありませんが、段板を広いものにする。ノンスリップ溝加工や滑り止めテープなど、段板に滑り止め効果のある素材を使う。手すりが利き手側に来るように設置し、しっかりと握る。こういった一工夫でも安全対策は可能です。
大型家具の搬入が難しい
らせん階段は省スペースであるという半面、大型家具の搬入が難しくなるという側面も併せ持っています。
組み立て式のベッドなど、パーツごとに搬入するといった工夫で何とかなる場合がありますが、50インチを超える大型テレビ、電子ピアノの搬入などは困難な場合が多いでしょう。
こういった場合はクレーン車を使った搬入が必要になってくるため、その都度費用が掛かるということをあらかじめ覚えておきましょう。ちなみにクレーン車を使った搬入費用の例は以下のようになります。
・2階への吊り上げ:16,500円
・3階への吊り上げ:22,000円
・4階への吊り上げ:33,500円
出典:株式会社ユーニック
冬場は段板が冷たい
写真:スチール製らせん階段
出典:有限会社 酒牧製作所
らせん階段は段板に使われる素材によりけりですが、金属製だと冬場は段板が冷たくなります。
後ほど詳しく解説しますが、最も安価な素材であるスチール製のらせん階段はその影響を受けやすく、暖房が掛かってる部屋ならまだしも、そうでない場所であればかなり冷たくなるでしょう。
こういう場合は段板を木製にすることで緩和する他、スリッパや室内履きで代用するといった方法でも簡単に解決することができます。
階段下にはスペースがあまり無い
写真:カツデン/シースルーらせん階段「Modelia」
らせん階段は通常の階段と異なり、物を置くスペースがあまりありません。
もちろん全くスペース無いわけではありませんが、物置としては大した機能はしないでしょう。ただせっかくのデザイン性を、物を置いて景観を崩してしまっては元も子もありません。らせん階段の下は収納スペースにしないことが何よりの得策でしょう。
らせん階段の設置にかかる費用・相場
写真:カツデン/オリガミらせん階段「WAVES spiral」
では今回の本題である「らせん階段の設置費用」について解説していきます。
まず1つ金額を左右する要素として挙げられるのが「らせん階段に使われる材質」です。最も安価な材質はスチール製。これに木製やガラスなどの材質を織り交ぜたものもあり、その材質の量によって価格が前後します。
また既製品かオーダーメイドかでも費用は異なります。既製品はデザイン・材質の変更が出来ない代わりに低コストで約40万円から。オーダーメイドは段板/手すりのデザイン・材質・色などの変更が可能で約100万円からといった価格が相場になります。
決め手としては、やはり「コストパフォーマンス」なのか「デザイン」なのかが大きな部分を占めるかと思います。決して安い金額とは言えませんのでよく考え、後悔のない選択をしたいところです。
らせん階段の施工事例
写真:カツデン「WAVES spiral オリガミらせん階段」
最後に当社が提供している「セミオーダーメイドらせん階段の施工事例」「オーダー時に選べる項目」についてご紹介して終わりたいと思います。
・カツデンの施工事例
・手すり
・カラー
・仕様
カツデンの施工事例
当社が提供する室内向けらせん階段は、「Modelia シースルーらせん階段」「WAVES spiral オリガミらせん階段」の2種類。
「Modelia シースルーらせん階段」は、”ファッションモデルを思わせる、静かで気品にあふれた佇まい。”をコンセプトに、すっきりとしてスタイリッシュなデザインがポイント。また「1坪に収まること」も特徴の1つです。
「WAVES spiral オリガミらせん階段」は、1枚の板を曲げただけに見えるシンプルモダンな階段です。らせん階段にも関わらず安定感があり、揺れづらい構造になっているのも特徴です。
手すり
写真:カツデン「Modelia シースルーらせん階段」- 手すりのバリエーション
Modeliaの手すりには全8種類のバリエーションがあります。詳細は以下の通りです。
商品名 | 格子の数 | 格子の間 |
---|---|---|
ミニマム格子 | 0.5(2段おきに1) | なし |
シングル格子 | 1 | なし |
ダブル格子 | 2 | なし |
トリプル格子 | 3 | なし |
ワイヤー | 1 | 格子間をワイヤーで連結 |
ガラス | 1 | 格子間をガラスで連結 |
カラー
写真:カツデン「Modelia シースルーらせん階段」- カラー
カラーは本体色が10種類、木製段板色が5種類となっています。
関連記事:階段の色でお悩みのあなたへ!室内製品、階段の人気色について
まとめ
写真:カツデン/シースルーらせん階段「Modelia」
今回は「らせん階段の設置費用」を中心に様々な基礎知識をご紹介してきました。らせん階段について「ある程度はイメージできるようになった」と思って頂ければ幸いです。
らせん階段はそのデザイン性の高さ、優れた採光から空間デザインとしては最高の部類と言えます。さらに機能面から見ても1坪で収まるほどの省スペース、設計自由度の高さから来る融通の利きやすさ。勿論デメリットも多少なりともありながら、どれも対策や工夫次第で解決するものです。
夢のマイホームを建てる。リフォームでより生活を充実させたい。こういった方であれば、ぜひらせん階段を導入し、「明るく開放的な空間」「他とは違うおしゃれな家」を手に入れてみてはいかがでしょうか。