皆さん、こんにちは。カツデンの編集部です。
新居を木製階段にするか悩んでいるという方も多いのではないでしょうか。木製階段には確かに多くのメリットがありますが、同時にデメリットもあります。良い面・悪い面を両方知った上で、どのような階段にするか決めることが大切です。
本記事では木製階段のメリット・デメリットについて解説します。また、木製階段と比較対象に挙がるスチール製階段との違いについてもまとめました。
本記事を読むことで木製階段の特徴が分かり、新居の階段の素材を決めることができます。木製階段について知見を深めたい方はぜひお読みください。
木製階段とは?
写真:ノンスリップ階段(無垢・無垢突板・無垢集成)
ネット出典:建材ナビ
木製階段は文字通り木で作られた階段を指します。一部のみを木で作ったものもあれば、全てのパーツを木で作ったものもあります。
階段は骨組みと段板(階段の踏み板のこと)、蹴込み板(段板の間を繋ぐもの)で構成されるのが基本です。ただし、蹴込み板に関してはない階段もあります。蹴込み板がある場合は箱階段、ない場合はシースルー階段と呼ばれます。木は箱階段の素材に使われる場合が多いです。ただ、中には木のシースルー階段を提供するメーカーもあります。
木は日本では古来から使われてきた資材です。ヨーロッパでは住宅や階段をレンガなどで作る場合も多いですが、地震が多い日本では耐震性がある木が使われやすいのです。
住宅や階段の素材として使われる木材は、「集成材」と「無垢材」の2つに分けられます。各木材の特徴を解説していきましょう。
集成材
集成材は人工的に作られた木材を指します。複数の板を接着剤を使って貼り合わせることによって作られます。いくつもの継ぎ目があり、見ただけで集成材と分かります。
しっかり品質管理されていることもあり、安定性があるのが特徴です。無垢材と比べて耐久性が高く、水分による反りが少なくなっています。
無垢材
無垢材は接着剤を使っていない木材を指します。伐採した木をそのまま切り出して、住宅の素材として使います。
無垢材は集成材よりも高価ですが、木の雰囲気をより感じやすいのがメリットです。また、木が本来持つ調湿作用を発揮してくれるため、湿度が低いときは水分を取り入れ、逆に高いときは水分を吸収してくれます。
ただし、人工的に作られていない分、耐久性は劣り、反りやきしみが発生する可能性が高くなります。
木製階段のメリット
写真:プレカット対応木製階段材 TADA
ネット出典:株式会社ナガイ
続いて、木製階段のメリットについて解説します。メリットは次の4つです。
- コストを抑えられる
- 木の香りや触り心地を楽しめる
- 住宅のデザインに統一感を出せる
- 軽い傷程度なら修繕しやすい
このようなメリットもあり、木製階段は日本の住宅の多くで導入されています。1つ1つのメリットについて詳しく解説していきます。
コストを抑えられる
木製階段はコストを抑えられるのがメリットです。木自体が金属に比べて安いですし、加工しやすいため製作費用、設置費用を抑えられるのも大きいです。手に届きやすい値段であるため、特に素材にこだわりがないなら、木製階段を選ぶ方が多いです。
木の香りや触り心地を楽しめる
木製階段は香りや木の触り心地を楽しめるのもメリットです。
木の香りにはリラックス効果があります。森など木が多い場所に行くと気分が安らぐ方は多いかと思います。樹種にもよりますが、木には精油成分が含まれており、フィトンチッドと呼ばれる精油成分の働きによって、良い香りを感じることができます。
また、木はどこか柔らかみを感じる手触りも魅力です。階段の手すりを木にすることで柔らかい触り心地を楽しめますし、段板を木にすることで足の裏から暖かみを感じられます。
住宅のデザインに統一感を出せる
木製階段にする場合、木質テイストの住宅の場合は、床と同じ素材を選択できる可能性もあります。床と階段の色や雰囲気を合わせることで、住宅のデザインに統一感を出すことが可能です。
統一感を出すことで、落ち着ける空間にすることができます。リビングに階段を設置した場合も、階段が悪目立ちすることもなく、リビングに溶け込んでくれます。
軽い傷程度なら修繕しやすい
木製階段の場合、軽い傷程度なら自分で修繕できるのもメリットです。ホームセンターなどで修繕道具を揃えれば、小さい傷などなら簡単に修繕できます。業者を呼ばなくて良いため、メンテナンス費用を抑えることが可能です。
とはいえ、修繕できるのはあくまで軽い傷のみです。傷みがひどい場合は専門家に行ってもらった方が失敗のリスクもなく安心できます。
木製階段のデメリット
写真:木製階段
ネット出典:fevecasa(フェブカーサ)
続いて、木製階段のデメリットについて解説します。デメリットは次の3つです。
- オリジナリティを出しにくい
- 空間にメリハリを付けられない
- 水に弱いので屋外階段としては不向き
木製階段にしようか悩んでいる方は、これらのデメリットも知っておくべきです。場合によっては、木製階段よりもスチール製階段の方が相性良いこともあります。
1つ1つのデメリットについて詳しく解説していきます。
オリジナリティを出しにくい
木製階段はオリジナリティを出しにくいのもデメリットです。日本の住宅の多くは木製階段であり、実家や知り合いの家も木製階段という方が多いでしょう。「せっかくマイホームを建てるなら他とは違う雰囲気にしたい」という方には、木製階段は不向きです。
逆に、「階段にはそこまでこだわりがない」という場合は、コストを抑えやすい木製階段が向いています。
空間にメリハリを付けられない
木製階段のメリットは「住宅のデザインに統一感を出せること」と解説しましたが、裏を返せば、「空間にメリハリを付けられない」ということになってしまいます。
たとえば、木製階段をリビングに設置した場合、階段がアクセントになってくれず、単調な印象になってしまう恐れがあります。視界の変化を楽しむということができないのです。
水に弱いので屋外階段としては不向き
木は水に弱く、適切な表面処理をしないと、濡れることで腐ってしまいます。屋内階段の場合は問題ないのですが、屋外階段の素材としては木は不向きと言えます。
建築基準法施行令第121条の2では「屋外階段は基本的に木造としてはならない」と記載されていますが、「準耐火構造の基準を満たし、かつ有効な防腐措置を講じた場合は除く」とも記載されており、木製階段は屋外用として絶対に使えないというわけではありません。
そうは言っても、木製階段が屋外用として最適であるとは言い難いです。もし仮に木で作る場合、メンテナンスを高頻度で行うことが必要になってきます。
スチール製階段とは?
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
スチールも、階段の素材として多く使われています。カツデンは、スチール製階段のメーカーとして、累計6万物件に納入しています。普及率は木製階段の方が高いですが、スチール製階段にも多くの魅力があるので、新居を建てる際はスチール製階段も知っておくことをおすすめします。
スチール(鋼)とは、鉄に少量の炭素などを混ぜて作る合金のことです。鉄はそのままではもろく、素材として使うことはできません。鉄に炭素を混ぜることで強度が高くなり、住宅の階段や床などの素材として使うことができます。
スチール製階段は、アイアン(鉄)製階段と呼ばれることもありますが、実際は鉄ではなくスチールで作られています。
木製階段とスチール製階段の比較
写真(左):カツデン/シースルー階段「ObjeA」
写真(右):箱型階段
ネット出典:吉野桧
続いて、スチール製階段と木製階段の違いについて、次の4つの面から解説します。
- コスト面
- 強度
- デザイン性
- 開放感・採光性
日本での普及率が高いのは木製階段ですが、スチール製階段にも多くの魅力があります。導入後に後悔することがないよう、スチール製階段との違いを把握しておきましょう。
コスト面
スチール製階段よりも木製階段の方がコストは抑えられます。先ほど解説したとおり、材料費が安いうえに、木は加工がしやすいためです。スチールも、アルミなど他の金属に比べれば加工しやすいのですが、木には劣ります。
あくまで目安ですが、スチール製階段は木製階段の4〜5倍程度の値段になることが多いです。
ただ、スチール製階段でも、ある程度はコストを抑える方法はあります。また、そもそもコスト面だけに着目して選ぶのはあまり良くはありません。安全面やデザイン面もバランスよく見ることが大切です。コストが安い階段は、仕上げに粗があったり、デザインの選択肢が少なかったりする場合もあります。
強度
スチールは強度が高いのが大きなメリットです。強度が高いということは、ある程度骨組みを細いデザインにしても階段としての耐久性を保てるということです。
細いデザインにすることで、シンプルでシャープな見た目にすることができます。
デザイン性
木製階段とスチール製階段はデザインの方向性が異なります。木製階段は柔らかみがあって暖かい感じのデザインになりますし、スチール製階段はスタイリッシュで引き締まったデザインになります。
また、木製階段の場合は床と色や雰囲気を合わせることができ、住宅に統一感を出すことが可能です。一方スチール製階段は、階段が良いアクセントになってくれて、空間にメリハリを付けることができます。
開放感・採光性
スチール製階段は開放感・採光性に優れていると言われています。ただ、これはスチール製階段だからというよりは、スチールとシースルー階段(階段の蹴込み板がないもの)や吹き抜け(天井がなく、上下階が繋がっている空間)を組み合わせた場合のメリットです。
スチール製階段は細いデザインを選択することができます。加えて、シースルー階段にすることで、蹴込み板が視界を塞がなくなり、開放感を出すことが可能です。更に、階段部分を吹き抜けにすれば、2階の窓からの光が下まで差し込んでくるようになります。
木とスチールを組み合わせた階段にすることも可能
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
木製階段とスチール製階段の違いについて解説しました。スチール製階段にはデザイン性の高さや強度の高さなど多くのメリットがあります。とはいえ、コストを抑えられるのは木製階段の方なので、「スチール製階段に憧れるけど手を出しにくい」方もいるかと思います。
コストを抑えたい方におすすめなのが、木とスチールを組み合わせることです。たとえば、以下のような組み合わせ方が考えられます。
- スチール製階段に木の段板を組み合わせる
- 木製階段にスチールの手すりを付ける
各組み合わせの詳細および具体的な製品事例について詳しく解説していきます。
スチール製階段に木の段板を組み合わせる
スチール製階段に木の段板を組み合わせるのも選択肢の1つです。スチール製階段を提供するメーカーによっては、段板を木に変更できる場合があります。
段板を木にすることで、コストを抑えることが可能です。また、木の暖かみを足の裏から感じることができますし、木の香りも楽しむことができます。
カツデンのObjeAなどの製品は、段板を「ゴム集成材段板」にすることが可能です。「ゴム集成材段板」は、ラバーウッドと呼ばれる天然ゴムの原料になる樹木を使って作られたものであり、比較的安価なのが特徴です。
木製階段にスチールの手すりを付ける
予算を抑えたいなら、木製階段にスチールの手すりを付けるのもおすすめです。手すりは階段のパーツの中でも目に入りやすいものです。そのため、手すりだけでもスチールにすることで、空間を引き締めたり、部屋を広く見せたりする効果があります。
カツデンは階段だけでなく、階段手すり単体も提供しています。カツデンの手すりはシンプルで細いデザインであり、木製階段とも相性が良いです。
また、手すりのバリエーションも豊富で、プレーンだけでなく、横桟やワイヤーが付いたものやガラスパネルが付いたものもあります。
「階段手すり」の詳細・価格>>
まとめ
本記事では木製階段の特徴およびスチール製階段との違いについて解説しました。
木製階段にもスチール製階段にもメリット・デメリットがあります。双方の良い面・悪い面を知ったうえで、階段の素材を選択することが大切です。
日本の住宅には木製階段が多いですが、デザイン性の高さからスチール製階段も人気があります。また、細いデザインを選択できるため、採光性や開放感をアップさせやすいです。
一方で木製階段は、コストを抑えられるメリットがあります。ただし階段はコスト面だけでなく、デザイン面や安全面なども総合的に踏まえたうえで選択することが大切です。安さだけに着目すると、しばらく経って愛着が持てなくなってしまう恐れもあります。