

鉄骨(スチール)で作られた階段に興味があるという方もいるのではないでしょうか。鉄骨階段は、そのデザイン性の高さ、空間を広々と見せられる点において、ここ10年ほどで徐々に人気が上昇し、2026年現在では50%ほどの戸建住宅で採用されています。
本記事では、鉄骨階段のメリット・デメリットについて解説します。また、鉄骨階段をできるだけ安く設置するポイントについてもまとめました。
本記事を読むことで、鉄骨階段について知見を深められ、鉄骨階段を設置すべきか検討できます。鉄骨階段について詳しくなりたいという方はぜひお読みください。
鉄骨階段とは?

写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
鉄骨階段とは、部材に鉄骨(スチール)を使用した階段を指します。階段の骨組みがスチール製のものを主に呼称し、手すり、段板など他の構成部材をスチールで作るケースもあります。
2000年ごろまでは一般住宅の階段は木で作られるのが当たり前でした。しかし、最近は鉄骨階段も人気を集めています。特に、デザイン性が高いことからリビングに設置する事例が増えています。
シースルー階段(蹴込み板なし)にすることもある

シースルー階段とは、ささら桁(骨組み)と段板(足を乗せる板)のみで構成された階段を指します。画像のように階段には、蹴込み(地面に対して垂直である部分)に板があることが多いです。蹴込み板はつまづきを防止したり、昇降時の恐怖感をなくしたりする役割を持っています。
しかし、シースルー階段には蹴込み板がありません。蹴込み板をあえてなくすことで、開放感が出るようにしています。
鉄骨階段はシースルー階段にすることも多いです。シースルー階段にすれば、鉄骨階段の「細いデザインにして開放感を出せる」というメリットをより活かせるのでおすすめです。
鉄骨階段のメリット

写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
鉄骨階段には木で作られた階段に比べて次のようなメリットがあります。
- 強度が高い
- デザインがスタイリッシュ
- 開放感を高められる
- 採光性を高められる
このようなメリットがあるため、鉄骨階段を選択する事例が増えています。ひとつひとつの鉄骨階段のメリットについて詳しく見ていきましょう。
強度が高い
鉄骨(スチール)は木に比べて単位体積あたりの質量(重量)が約8倍〜20倍と大きく、強度が高いのが特徴です(※)。木のように材質によって強度が変わることもなく、一定の強度になるのもメリットです。蹴込み板がないシースルー階段にしても、安定した強度を維持できます。※木材は樹種によって質量が異なるため、◯倍と固定させることができない
鉄骨階段はある程度細いデザインにしても強度を保つことができます。階段の手すりやささら桁(段板を支える構造体)などを細くすることで、すっきりした印象にすることが可能です。
デザインがスタイリッシュ
鉄骨階段は強度が高いので、細くてスタイリッシュなデザインにできます。このデザイン性の高さから、鉄骨階段は玄関ホールではなくリビングに設置されることも多いです。
リビングに鉄骨階段を設置することで、リビング全体の印象も大きく変化します。リビング全体をおしゃれでかっこよく見せることができます。
木の階段は温かみがあるのが特徴ですが、鉄骨階段はシンプルで引き締まった印象なのが特徴と言えます。
開放感を高められる
鉄骨階段をシースルー階段にした場合は特に、開放感を高めることができます。開放感がある=実際の面積より広く見えるということなので、特に狭小地に住宅を建てる場合におすすめだと言えます。
シースルー階段にすると、蹴込みが空いているので、階段が視界を遮ることがありません。視線が抜ける分、開放感を高めることができ、リビングを広く見せることができます。
また、鉄骨階段は細いデザインを選択できるので、手すりやささら桁を細くすることで、圧迫感を最小限に抑えることが可能です。
採光性を高められる
これもシースルー階段と組み合わせた場合のメリットですが、採光性を高めることができます。2階の窓からの光を階段が遮ることなく1階のリビングまで通してくれます。リビングに自然光を多く取り入れることは、家族が気持ちよく過ごせることに繋がります。
また、同様の理由で、空気も循環させやすくなります。窓から取り込んだ新鮮な空気をスムーズに循環させられます。新鮮な空気によって、家族が気持ちよく健康的に過ごせます。
鉄骨階段のデメリット

写真:カツデン/シースルー階段「FRIS」
鉄骨階段のデメリットは次の2つです。
- 価格が高くなりやすい
- 冬場は冷たさを感じる
ひとつひとつのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
価格が高くなりやすい
鉄骨(スチール)階段は木に比べて3〜5倍程度値段が高いです。そのため、階段すべてを鉄骨で作るとかなり値段が上がってしまいます。
その理由は材料コストではなく、加工コストにあります。スチールは木材と比べて、加工設備の初期コストとランニングコストが高価なこと、切削、溶接、塗装などに時間がかかります。そのため、原価償却費や電気代、人件費などが高くついてしまうのです。
鉄骨階段の価格が高くなってしまうのは、どうしても避けられません。しかし、できる限り価格を抑えるというのは可能ですので、後ほど詳しく解説します。
冬場は冷たさを感じる
鉄骨階段は冬場に直に触れたときに冷たさを感じやすいです。ただし、屋内では暖房や全館空調で室温を調整していることがほとんどなので、極端に不快感を覚える方は多くありません。
ちなみに、カツデンの製品の場合はオプションで、手すりのトップレールにぬくもりのある木製カバー(木笠木)を付けることも可能です。このようなオプションがあるなら、鉄骨階段の冷たさを気にしなくてよくなります。
鉄骨階段の価格をできるだけ下げるには?

写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
鉄骨階段の最大のデメリットはやはり価格面です。鉄骨階段に憧れているものの、価格の高さから断念してしまう方もいます。
そこで、鉄骨階段の価格をできるだけ下げる方法を紹介しましょう。鉄骨階段の価格を下げるポイントは次の3つです。
- 既製品・セミオーダーを選ぶ
- シンプルなデザインにする
- 階段の一部のみ鉄骨(スチール)にする
ひとつひとつのポイントについて詳しく解説します。
既製品・セミオーダーを選ぶ
価格を下げるなら、オーダーメイドよりも既製品を選ぶことが大切です。オーダーメイドとは、顧客の要望に合わせて製品を作成することを指します。一方で既製品とは、すでに完成された状態で販売されている製品のことです。
住宅メーカーによっては、鉄骨階段が規格化されていて、それを既製品と呼ぶ場合もあります。その住宅メーカーに合わせて設計されたものであれば、自由に形状を変更することはできないですが、図面を描くコストを削減することで通常よりも価格を落とせるということです。
もし、初期段階から鉄骨階段を設置したい場合は、住宅メーカー選びのときに、「御社では鉄骨階段は規格化されていますか?されているならいくらのオプションで設置できますか?」と聞いてみましょう。60万円以下の追加費用で設置可能であれば、かなりお買い得と言えます。品質やデザインが十分に満足いくものであるかも同時にチェックしましょう。
また、セミオーダーに分類される製品もあります。セミオーダーとは、デザインや構造がすでに決められているものの、寸法や段数、色などをカスタマイズできる製品のことです。フルオーダー(完全に1から製品を作ること)に比べてセミオーダーは価格を抑えることができます。
カツデンはセミオーダーの鉄骨階段メーカーであり、フルオーダーより安価かつ高品質で作ることができます。
また、少人数で経営している鉄工所で製作する場合、人件費や設備にかかる費用を抑えることで、安い価格で購入できます。ただし、強度上のエビデンスや品質を一定以上で安定させるのが難しいケースがあるという点に注意が必要です。
シンプルなデザインにする
価格を抑えるなら、シンプルなデザインの鉄骨階段にするのも大切です。階段にはさまざまな形状がありますが、まっすぐなストレート階段がもっとも安く作れます。ただ、ストレート階段はスペースに余裕がないと設置が難しいので注意が必要です。
また、ささら桁の形状や手すりの種類なども、自由に選べる製品が多いので、それらもなるべくシンプルなものを選択すると価格を抑えやすくなります。

上記の画像は、カツデンのシースルー階段『ObjeA』です。
形状はストレート、ささら桁はもっともシンプルでリーズナブルなセミクローズタイプを選択しています。手すりはコストと安全性、デザインのバランスが取れた横桟タイプを選択し、全体的にすっきりまとまった印象を受けます。このようにシンプルなパーツを選択すると、デザイン性を重視しながらも、コストを抑えられます。
シンプルな方が周囲の家具と合わせやすいというメリットもあります。逆に、個性的なデザインの階段は、家具もそれに合ったものにしないと、浮いてしまう恐れがあります。
階段の一部のみ鉄骨(スチール)にする
どうしても予算が足りないなら、階段の一部のみ鉄骨(スチール)にするのもおすすめです。例えば最初の8段だけスチールにするプランであれば、価格をかなり下げることができます。一部だけ鉄骨階段にするのも、空間にメリハリをつけられるというメリットがあります。
また、手すりだけ鉄骨(スチール)にするのもおすすめです。スチールの手すりは木の階段にとって優れたアクセントになってくれます。
鉄骨階段(スチール階段)の採用事例は増えている
デザイン性・機能性に優れている鉄骨階段は、昨今人気が高まっています。
カツデンでは鉄骨階段(スチール階段)の普及率がどの程度か調査するために、住宅設計者を対象にアンケートを行いました。
「この1年間で計画・建築した物件のうち、どれくらいの割合でリビングにスチール製階段を採用したのか」の調査・分析結果がこちらです。

『半数以下で採用(20〜50%)』が53.7%ともっとも多い結果でした。また、『半数以上で採用(50%〜)』も2割程度います。『採用なし』はわずか9.2%でした。
スチール階段をリビングに採用する人が増えていることが分かります。
【なぜスチール階段が選ばれるのか】スチール階段は“家の印象を決めるデザイン材”へ
鉄骨階段(スチール階段)を採用する理由とは?
住宅設計者が鉄骨階段(スチール階段)を採用する理由についてもアンケートを取りました。その結果がこちらです。

鉄骨階段はデザイン性の高さや高級感が評価されていると分かります。
また、木よりもスチールの方が「デザインの自由度が高い」という意見も多いです。スチールは強度が高いので、木よりも細いデザインにできます。また、蹴込み板をなくしてもある程度は強度を保つことが可能であり、自由度が高いと言えます。
鉄骨階段の設置を考えている方は参考にしてください。
鉄骨階段(スチール階段)のメーカーに求めるポイントとは?

住宅設計者が階段メーカーを選ぶ際に重視する点についても、アンケートを取りました。
住宅設計のプロは価格だけでなく、品質・デザインとのバランスを考慮してメーカーを選ぶ傾向があると分かります。当然のことではありますが、階段や手すりのような強度が求められ、かつ万が一の事故があった場合に命に関わるような製品は、品質を最重要視する方が多いです。
なお、鉄骨階段メーカーであるカツデンは、品質やデザイン性を高く評価されています。次の項目から、カツデンで販売する鉄骨階段の特徴について紹介していきます。
カツデンの鉄骨階段(スチール階段)の製品
最後に、カツデンの鉄骨階段(スチール階段)の製品を紹介します。
- シースルー階段『ObjeA』
- 箱段板階段『Gradea』
- フレキシブル階段『FRIS』
- 片持ち階段『DANDEL』『WAVES DANDEL』
- 立体トラス階段『DEROUS-Dan-』『DEROUS-Joe-』
各製品の特徴やメリットについて詳しく見ていきましょう。
シースルー階段『ObjeA』

『ObjeA』はカツデンの代表的な鉄骨階段(スチール階段)製品です。
鉄骨階段らしいシンプルでスタイリッシュなデザインが特徴的です。リビングに設置することで、リビングのかっこよさを高められます。家族が自然とリビングに集まるようになり、コミュニケーションが増える効果も期待できます。
また、ささら桁や手すり、段板のカスタマイズの自由度も魅力です。
施工事例.景観を魅せる、洗練された住空間

『ObjeA』のシンプルでスタイリッシュなデザインが活かされた事例です。
家族が住みやすくてこだわりの詰まった家にしたい。そのために、吹抜け×鉄骨階段は絶対に導入したいと考えていたとのことです。
蹴込み板のないシースルー階段は揺れについて不安に思う方が多いですが、『ObjeA』に関してはまったく揺れを感じないとのことです。
また、部屋の明るさも強く意識しています。上階の窓を大きくし、光を多く取り込んでいます。おかげで部屋全体が明るくなり、開放感も演出することができています。
箱段板階段『Gradea』

『Gradea』は2024年6月27日より販売開始したカツデンの新製品です。
段板に銘木挽板、突板を使用したラグジュアリーな印象を与えるボリューミーなデザインの階段です。階段の構造部となる「ささら桁」を箱状の段板で隠すことによって、重たい質量のものが宙に浮いているような錯覚を起こし、それによって高級感を演出します。
最近は鉄骨階段の設置事例も増えていますが、『Gradea』のように段板を強調したデザインにすることで、その中でもオリジナリティを出すことが可能です。
施工事例.空間になじみつつ、圧倒的なインパクトで暮らしの中心に

こちらは「PHOTO CONTEST 2024」で最優秀賞を獲得した写真です。『Gradea』の特徴でもあるフロート感をデザインに活かしており、華奢なイメージのあるスチール階段とは一線を画しています。
背後の天然石と階段の色合いもマッチしています。大きな吹抜けも相まって、部屋全体の高級感が高まっていると感じます。
フレキシブル階段『FRIS』

『FRIS』はスチール製のロッドで段板を支えるという斬新なデザインが特徴です。
『ObjeA』や『Gradea』と違い、段板を支えるためのささら桁がありません。本当に最小限のパーツのみで構成されています。階段の圧迫感を最小限に抑えており、視線や光を遮らないように設計されているので、リビングの開放感を高めることが可能です。
また、同スペックの階段と比較すると価格が抑えられている点も特徴です。
施工事例.細く開放的なデザインを求めて

こちらの写真では『FRIS』を導入しています。『FRIS』は良い意味で存在感がなく、空間デザインの邪魔をしないと感じたため導入したとのことです。
こちらの物件のように、2階から3階への階段で『FRIS』を採用すると、落下防止柵としての機能を兼ねられることによって、コストとスペースを削減できる点にも注目。
「狭小住宅に3階建て」というような物件におすすめの鉄骨階段です。
また、リビング階段にしたことで、家族の気配を感じられるようになったとのこと。家族が帰宅したことが2階からでも分かるのも、リビング階段のメリットです。
片持ち階段『DANDEL』『WAVES DANDEL』

片持ち階段とは、階段の片側のみが壁や柱に固定されているのが特徴です。
段板が宙に浮いているような美しいデザインが魅力的です。耐久力が低そうに見えますが、『DANDEL』はデザインと強度をしっかりと両立しています。
更に、『WAVES DANDEL』という片持ち階段も提供しています。1枚の板を曲げたように見えるシンプルなデザインが特徴です。「まるでアート作品のよう」とも評されています。
製品紹介
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施工事例.視線を遮らず、空間を際立たせる片持ち階段

こちらは「PHOTO CONTEST 2024」で優秀賞を獲得した写真です。設置されているのは『DANDEL ARMS』という種類で、細いアーム状の構造体が特徴です。壁から突き出たデザインがユニークな空間を作り出します。
大きな吹抜けのあるリビングと鉄骨階段の相性の良さも分かります。リビングが広々としていて、ソファーに座ってリラックスできそうです。
また、こちらの住宅では『ObjeA』の吹抜け手すりも採用しています。『ObjeA』の吹抜け手すりはシンプルで無駄のないデザインで、リビングの開放感をより高めてくれます。
立体トラス階段『DEROUS-Dan-』『DEROUS-Joe-』

『DEROUS-Dan-』は立体トラス構造(三角形に繋ぎ合わせた骨組み)を採用した製品です。シンプルながら飽きの来ないデザインが特徴です。
DEROUSはDeformed Round Steel(異形丸鋼)の略です。異形丸鋼は鉄筋コンクリートの骨組みに用いられる素材であり、力強くて無骨な印象を受けます。ヴィンテージ風空間に特にマッチする鉄骨階段です。
異形丸鋼で組まれたものが『DEROUS-Dan-』であり、通常の丸鋼で組まれたものが『DEROUS-Joe-』です。『DEROUS-Joe-』は、力強さを残しつつも、ヴィンテージテイストの空間以外にもマッチしやすくなっています。
製品紹介
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施工事例.人生を共にするRPGの世界

コンセプトは「中世ヨーロッパ風のRPGの世界」です。クリエイター職の方が考えた住宅で、非常に独創性が高く、遊び要素が多いのも特徴です。
『DEROUS -Dan-』を採用したのは、家の開放感やデザインの一体感を重視したため。また、存在感がありながらも、すっきりしたデザインが良いと感じたとのことです。
また、階段の手すりに季節に合った飾り付けができるのも魅力とのこと。『DEROUS』はこのような遊び心を発揮できる階段でもあります。
まとめ
本記事では鉄骨階段のメリット・デメリットについて解説しました。鉄骨階段は木で作られた階段に比べてどのような特徴を持つのかがお分かりいただけたかと思います。
鉄骨は木に比べて強度が高いので、細いデザインを選択できます。細いデザインにすることで、実際の面積よりも空間を広く見せることができるため、よっぽど空間を持て余しているのでない限りは、ほとんどの方におすすめです。リビングに鉄骨階段を設置すれば、リビング全体のかっこよさを高めることができます。
また、シースルーデザインの鉄骨階段を選ぶことで、視界を阻害する要素が減り、さらに開放感を高めることができます。採光性も上がり、場合によっては日中は照明を付けずに生活することもできるでしょう。
ただし、鉄骨階段は価格が高いのがデメリットです。鉄骨階段の価格を抑えるなら、フルオーダーよりもセミオーダーを選択したり、シンプルなデザインを選んだりすることが大切です。また、階段のすべてではなく一部のみ鉄骨を取り入れることも検討しましょう。















