こんにちは。品質管理部の坂田光穂です。
最近散歩がてら外を歩くことがありますが、公園に寄ったときに昔よりも子どもが遊んでいないような気がしています。
そもそも公園で遊んだのなんてもう10年以上前なので、記憶違いになってるのかもしれませんが、
もしかして公園が減っているから子どもが公園で遊んでいないのでは・・・?
それならおうちを公園にしたほうがいいのでは・・・?
いやいやその前にまず現状について調べてみよう、ということで日本の公園の現状についてまとめてみました。
目次
実は公園は増えている
正確に言うと、子どものための遊具が減っている
公園はもはや子どものための場所ではない?
運動能力ってどうなってるの?
令和の公園は?
自宅で一緒に運動できる場所を造ってしまおう!
実は公園は増えている
画像:都市公園データベース
意外ですよね。
これだけ都市部は過密状態なのに、実際は公園の面積も数も増えているんです。
なぜかというと、都市計画法で新しい住宅地を作る場合には、ある一定の大きさの公園を作らないといけないと定められいるからなのです。
「あれ?でも最近子どもが遊べる場所が減ってるなんていうニュース聞いたことあるけど」
と思った方もいるでしょう。
それは情報として間違っている訳ではありません。
残念ながら遊具は減っているんです。
正確に言うと、子どものための遊具が減っている
シーソーやジャングルジムなど、事故が少しでも起きる可能性の高い遊具は、老朽化したものを撤去したまま新設していないところが多いようです。
さらに2005年〜2009年にかけて回転塔31.7%減、ゆりかご型ぶらんこ25.6%減、ジャングルジム12.2%減と、事故が起きやすいと思われるものは大きく数を減らしています。
一方で数を増やしたのは、健康遊具57.5%増、複合遊具(鋼製)15.9%増、スプリング遊具9.1%増と、明らかにターゲットが子どもからお年寄りになっています。
[参照:国土交通省 都市公園における遊具の安全管理に関する調査の集計概要について]
実際昔あった遊具は安全性が不十分で、普通に使っていても支柱のボルトがとれていて指の切断事故が多発したり、負傷したりなど傷が絶えなかったうえに、子どもは予期せぬ遊び方をするものなので、少しでも安全性をとった結果とも言えなくもありません。
冒頭で紹介したベトナムの事情と重なります。
私はこちらに来てから街中の公園に目を向けるようになりましたが、日本でも同じ状況だったんですね。
写真:「PAKUTASO」より
公園はもはや子どものための場所ではない?
これは2015年女性セブンの記事ですが、お年寄りが子どもを排除するような状況も近年しばしば見受けられます。
公園縄張り争い 子供のボール遊びNGで高齢者ゲートボールOK
「半年ほど前に、自治会から近所の公園でのボール遊びは禁止するようお達しがでました。小学校2年生の息子とは『残念だけど仕方ないね』と話していたんですが、その数日後、平日の昼間に公園の前を通るとお年寄りがゲートボールをしているんです。
自治会の役員さんに問い合わせたところ『実はボール遊びを禁止したのは、ボールで遊ぶ子供の声がうるさいと近隣から苦情があったからなんです。子供だけ禁止するわけにいかないので一律にボール遊びを禁止にしました。でも、お年寄りはうるさくないからいいんです』と。その公園ではゲートボール大会も開かれています。確かに子供は声が大きいけれど、納得いかない気持ちでいっぱいです」
お年寄りのための公園になると、当然遊びたい盛りの子供たちとはニーズが変わり、発言力を持つ人も変わります。
公園で広がる中高年用「健康遊具」 健康づくり・老化防止へ自治体推進
国土交通省の調査によると、全国の健康遊具は10年の5690台から22年には2万583台と、4倍近くに増えている。
その一方で、健康遊具を使った小学生や幼児が落下したり、衝突したりして、骨折や打撲などのけがを負うケースも報告されている。健康遊具の対象年齢は中学生以上だが、公園内にあるだけに子供が利用する機会も多く、同省では、健康遊具は子供用遊具とは別の場所に設置するなどの安全指針の改定を検討している。
同省公園緑地・景観課は「全国の公園で増えている健康遊具は高齢者の健康増進に効果があるが、対象でない子供が利用してけがをするケースもある。一層の安全対策を講じていきたい」としている。
近所の方の苦情があるというのは止めようがないし、単純に人数が増えていく高齢者の需要に自治体が合わせてしまうのも仕方ないといえば仕方ないのかもしれません。
「みんなもう少し心を広く持ちましょう」と言ったところで、そんなのは何の解決の手段にもならないです。
そもそもこんな状態だったら、子どもにとって「遊ぶ場所=公園」ではもうないのでは?と思って調べてみると・・・
参照:文部科学省 子どもの育ちをめぐる現状等に関するデータ集
これまた少し古くて2009年のデータですが、学校や公園などの屋外は子どもが過ごす場所として挙げる割合は30%ほどとのこと。
おそらくスマホやタブレットが普及した現在ではこの割合は増えていると推測されます。
クラブや部活をしている子たちを除けばさらに屋外で過ごす子どもの割合は減るでしょう。
子どもといえば放課後ランドセルを家において公園に集合!みたいなのはもうあまりないのかもしれません。
そう考えると子どもは部活や授業以外で運動はしていないのでは・・・?
運動能力ってどうなってるの?
ここまでに公園で遊びづらくなり屋外でアクティブに遊ぶ子どもが減っていることがわかりましたが、そうなると気になるのは屋外で遊んでいた時代との運動能力や学習能力の比較です。
昭和60年(1986年)から令和元年(2019年)の運動能力の推移を見ると…
[参照:「令和元年度体力・運動能力調査」の概要(スポーツ庁)]
平成17年頃を境に少し向上はしていますが、依然として昭和60年頃の水準には達していません。
ただこの頃を境に上がっているのは、平成20年から2年間、全ての小・中学校を対象に全国体力調査が行われ、
学校と教育委員会の体力への関心が高まり、新体力テストの重要性が認識されたことが大幅な実施率の増加へつながったと考えられています。
これは持久走の結果ですが、文部科学省は身体を操作する能力の低下を指摘しています。 さらに肥満についても。
[参照:令和元年度学校保健統計調査(学校保健統計調査報告書)(文部科学省)]
同じく平成17年頃を境目に改善はしているものの、昔に比べてジャンクフードが増える食生活や、ゲームやYoutubeなど身体を動かさず楽しめる遊びが増えてしまったことが要因となっています。
令和の公園は・・・
・公園に子どもにとって楽しめる遊具が減っている
・そもそも公園が子どものためではなくなってきている
・屋外より屋内で遊ぶ方が子どもたちにとって標準になってきている
・運動能力が未だ完全な改善ができず
以上のようになります。
「自分に子どもが生まれても、外で遊ぶことよりも室内で遊ぶことしかしなくなったらもったいない・・・」
と悲観しそうになりますが、一方でこんな調査もあります。
文部科学省がまとめた運動能力に関する調査まとめで、朝食と運動能力の関係などがまとめられていますがその中に「家の人と子どもとの運動やスポーツへの関わり合い」という項目があります。
[参照:全国体力調査によって明らかになったこと 第2章(文部科学省)]
この調査によると、男女ともに家族と運動やスポーツをする頻度が高いほど体力が多く、するだけでなく一緒に「見る」「話す」等でスポーツとかかわりを持つだけでも、体力向上に好影響を与えていると考えられています。
なので、一緒に運動をすればいいのです!
それなら簡単!とはいきませんね。今は共働きが多い現代。
子どもに付き添って遊ぶのも週末しかできないという人もいるのでは?
自宅で一緒に運動できる場所を造ってしまおう!
そんな悩める親御さんのために、実はカツデンアーキテックは2015年に良い商品をリリースしていたんです。
それが『AthleticSeries(アスレチックシリーズ)』。
製品紹介
詳細
公園に行っても遊具がない。
でも少しでも体力をつけるために一緒に運動をしてスポーツの楽しみを味わってほしい。
であれば室内で運動をしようということで、家の中にアスレチックを作ってはどうだ?という発想を形にしました。
運動するための機能はもちろん、デザイン性や施工性までも兼ね備えた製品です。
壁を登ったり天井を渡ったり、屋外では環境の変化によりできなくなりつつある動きを、室内なら保護者の目も届き安心して運動習慣を作ることができるようになります。
一緒に運動できるだけでなく、家の中なら急に道路に飛び出さないか不安…なんて心配もする必要がありません。
また、2016年に開催されたリオデジャネイロ五輪で活躍した池江璃花子選手が自宅内にあった『うんてい』で鍛えたことが話題になったり、『うんてい』を取り付けたり、はたまた吹抜け空間にボルダリングの器具を取付けたりする家庭が雑誌に取り上げられたりと、室内での運動に注目が集まっています。
実はそもそもそんなアスレチックシリーズを開発した経緯としては、ここまで書いたように運動機会が減少していることから、お客様から住宅メーカーへ備え付け方式のスチール製『うんてい』の要望があったためです。
その住宅メーカーの担当者は、希望スペックのうんていの販売をしている会社をなかなか見つけられず、当社へオーダーするに至りました。
子育ての面からも、大人達の運動不足解消の面からも有用な室内アスレチックを是非ご活用くださいという告知で締めたいと思います!