皆さん、こんにちは。カツデンの編集部です。
おしゃれで使いやすい階段を注文住宅に設置したいと考えているものの、階段メーカーについて詳しく知らない、という方は多いのではないでしょうか。一般ユーザーが階段メーカーと関わる機会はあまり多くないため、ご存知なくても無理はありません。
本記事では代表的な階段メーカーを7つ紹介します。各階段メーカーの特徴や製品例などについてまとめました。
本記事を読むことで階段メーカーに関する知識を深めることができます。「注文住宅を建てる際に、階段にはこだわりたい」という方はぜひ参考にしてください。
そもそも階段メーカーとは?
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
注文住宅を建てる際は、ハウスメーカーなどの住宅施工会社とやり取りを行う場合が多いかと思います。そのため、住宅施工会社に関してはご存知の方もいるでしょう。しかしながら、階段メーカーに関しては、注文住宅に興味がある方でも知らないことが多いかと思います。それもそのはずで、一般ユーザーが階段メーカーと関わる機会はあまりありません。
階段メーカーとはその名の通り、階段製品の製造・販売をしているメーカーのことです。注文住宅を建てる際、階段のみを別途階段メーカーから購入することができます。
階段メーカーに発注した後は、住宅施工会社と階段メーカーがやり取りを行い、階段の大きさや間取りなど施工内容の擦り合わせを行っていきます。
施工主が階段メーカーについて知っておくメリット
階段メーカーによって取り扱っている製品は大きく異なります。例えば、A社は木製の階段が中心でB社やスチール製が中心、といったように、メーカーごとに得意分野が違います。
各メーカーの得意分野を知っておくことで、自分の好みに合った階段を作ってくれるメーカーをいち早く見つけることができます。住宅施工会社の担当者の言う通りに会社を選ぶだけでなく、主体的に選ぶことが可能です。
階段をメーカーから購入する方法には3種類ある
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
階段をメーカーから購入する場合、方法は大きく分けて3つあります。
- 既製品
- セミオーダーメイド
- フルオーダーメイド
3つの違いやそれぞれのメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
既製品
既製品の階段は、デザインや色、形状などがあらかじめ決められています。大量生産することが可能であるため、比較的安価なのがメリットです。また、どういった階段にするのか考える手間を省けるのもメリットでしょう。
ただし、既製品の場合、オリジナリティを出すのは難しくなります。階段の要所要所を自分好みにすることができません。たとえば、「もっと安全性を高めたい」とか「家の家具や床材に合うデザインにしたい」といったことが実現しない可能性があります。
既製品はたしかに費用を抑えられますが、費用だけ見て決めるのも良くはないでしょう。
セミオーダーメイド
セミオーダーメイドの階段は、細部を自分好みに変更することが可能です。施工主の希望に合わせて変更できる分、費用は高額になりますが、オリジナリティを高めることができます。また、高額になるといっても、1から設計するよりは安く抑えられます。
ただし、セミオーダーメイドの場合、階段のどの箇所をカスタマイズできるかはメーカーによって異なるので注意が必要です。たとえば、カツデンではセミオーダーメイドの形式を取っていますが、次の箇所をカスタマイズすることができます。
- ささら桁のデザイン
- 手すりのデザイン
- 段板のデザイン
- 階段の形状
他のメーカーではこういった箇所は変更できない可能性があります。カスタマイズ対象はどこなのか、あらかじめ確認しておくことが重要です。
フルオーダーメイド
フルオーダーメイドの場合は、自分の家のためだけに1から設計することになります。階段の形状や色など何から何まで最初から作ります。そのため、費用はもっとも高額になりますが、セミオーダーメイドよりもさらに細部を自分好みにすることが可能です。
ただ、1から設計するとなると取っ掛かりがないため、どういった階段にすれば良いか分からなくなる方もいるかもしれません。
加えて、オリジナリティ溢れるデザインにすると、強度や安全性の検証ができない、もしくは検証に時間・費用がかかってしまう場合があります。また、メンテナンスに難があったり、施工後の製品保証をしてもらえなかったりするケースもあります。
階段メーカーを選ぶポイント
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
続いて、階段メーカーを選ぶポイントについて解説します。ポイントは次の4つです。
- 施工事例を比較して良いと思ったメーカーを選ぶ
- ショールームで実際の製品を見てみる
- 製品が豊富なメーカーを選ぶ
- 販売数や売上金額が多いメーカーを選ぶ
1つ1つのポイントについて詳しく解説していきます。
施工事例を比較して良いと思ったメーカーを選ぶ
まずは各階段メーカーの施工事例を確認しましょう。ホームページには施工事例が掲載されていることが多いです。また、資料請求することで、施工事例の詳細や実際の費用などを確認できる場合があります。
施工事例を見てピンと来たものや、憧れを抱いたものがあるなら、その製品をマークしておきましょう。また、施工事例には設置した人の感想が掲載されている場合もあり、それも参考になるでしょう。
ショールームで実際の製品を見てみる
ショールームにて実際の製品を見てみるのもおすすめです。階段メーカーによっては、自社製品の階段を見学したり触ったりできる機会を設けている場合があります。
ショールームでは実際に昇り降りしてみたり、手すりの感触を確かめたりできる可能性があります。写真で見るよりも実感が湧きやすく、良し悪しをしっかり判断できるようになります。また、ショールームに参加することで他の製品にも興味を持てるようになるでしょう。
階段メーカーのショールームの情報は、建材ナビなどの検索サイトで調べることが可能です。建材ナビは建築・建材専門の検索サイトであり、800社以上の情報が掲載されています。
製品が豊富なメーカーを選ぶ
製品が豊富なメーカーを選ぶことをおすすめします。メーカーによっては階段以外の事業が中心であることもあって、製品が少ない可能性もあります。また、製品が豊富なだけでなく、カスタマイズのバリエーションも豊富だとなお良いです。細かいところにこだわりたくてもこだわれない、といった状況を避けられるようにしましょう。
販売数や売上金額が多いメーカーを選ぶ
販売数や売上金額が多いメーカーを選ぶことも重要です。販売数や売上金額が多いということは、それだけ製品の品質が優れているという証でもあるためです。このようなデータは会社のホームページなどから簡単に確認できます。
代表的な階段メーカー7選
階段メーカーの中でも代表的な会社を7つ紹介します。
- カツデン
- AIネクスト
- 横森製作所
- LIXIL
- デザインアーク
- アイチ金属
- 南海プライウッド
それぞれの階段メーカーのメリット・デメリットや、製品例について詳しく解説していきます。
1.カツデン
写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
カツデンはセミオーダーメイドを請け負っている階段メーカーです。階段以外にも、インテリアやエクステリア、薪ストーブといった製品も提供しています。
カツデンの特徴は、顧客満足度が高いことです。その理由として、溶接、塗装などの品質が高いことが挙げられます。2022年度の顧客満足度アンケートでは、97%の人がデザイン性の高さを評価しています。(期待以上+まあ満足の値)
また、カツデンは製品の種類が豊富です。シースルー階段を始め、片持ち階段やらせん階段など、幅広い階段を提供しているのもメリットです。全体的に無駄のない洗練されたデザインの階段が多くそろっています。また、階段のささら桁や段板などを自分好みに変更できるよう、多くのバリエーションが用意されています。
シースルー階段は蹴込みがない階段であり、1階の床が見えるようになっているため、階段の圧迫感を減らすことが可能です。片持ち階段はそこから更にささら桁を取り除き、片方の壁のみで段板を支えており、徹底的に無駄が省かれています。
ただし、品質を高めることに注力している関係で、カツデンの製品は他社よりも値段が高めになっています。できるだけ予算を下げてシースルー階段を導入したいという方は、注意が必要です。
2.AIネクスト
写真:ユニ・クール 《style-SO》
ネット出典:AIネクスト
AIネクストはユニ・クールというスチール階段を提供しています。ユニ・クールは価格がリーズナブルなのが特徴です。
AIネクストという会社自体がローコストを追求しており、組織運営のスリム化や広報活動の最小化を図っています。それに加えて、ユニ・クールでは搬入と施工を同時に行うことで、運賃を低く抑えるようにしています。
リーズナブルでありながら、バリエーションは比較的豊富です。力強いデザインから柔らかいデザインまであります。
また、他のメーカー同様に、オプションで踏板のカラーを変更することも可能です。カラーバリエーションは6種類、そのうちブラックとホワイトは木目出し・塗りつぶしを選択できます。
更に、手すりや踊り場の形状も選択可能です。
施工にも対応していますが、エリアは原則関東~関西となっている点は注意が必要です。購入する際は、Webにて自分で詳細を記入して見積もり依頼を出す必要があります。
3.横森製作所
写真:システア
ネット出典:横森製作所
横森製作所は国内最大の施設用スチール階段メーカーです。
1951年から半世紀以上にわたり階段を作り続けてきた会社であり、実績が豊富です。東京スカイツリーやあべのハルカスなどの有名建造物にも、横森製作所の階段が使われています。
これまで手掛けてきた階段は74万フロア以上であり、多くのノウハウが蓄積されています。そのノウハウを注ぎ込んだのが、システアという住宅向けの階段製品です。
システアはささら桁デザインによって、5つのシリーズに分かれていています。その中でもサンダー(階段の形状に合わせてギザギザになっているささら桁)は、角部分に安全クッションを付けられるという、珍しいオプションが用意されています。
また、手すりのバリエーションも7種類と豊富です。段板色は4種類ですが、特注色にも対応しています。更に、段板はグレーチング対応が可能です。
4.LIXIL
写真:LIXIL | リビング・寝室・居室 | 階段
ネット出典:LIXIL
LIXILは住設設備や内装建材全般を扱っているメーカーです。アルミ階段のFisという製品を提供しています。
アルミは軽くて錆びにくいという特徴を持っています。また、美しい光沢を持ち、空間にアクセントを加えることが可能です。
Fisでは直線やL型、Uターンなど6種類もの形状から選択することが可能です。また、特注でLEDフットライトを付けることもできます。フットライトの設置は、段差を見やすくして踏み外しを防ぐことができるメリットがあります。
ささら桁はアルミですが、段板は木で作られています。色は5種類から選択可能です。手すりに関しては、木とアルミのどちらかを選択できます。
更に、特注により段板と段板の間にPET製の蹴込み板を付けることが可能です。開放感は減ってしまいますが、小さなお子さんがいる場合は落下防止になるメリットがあります。
また、システア同様に2年の保証がつくのも安心です。
5.デザインアーク
写真:デザインアーク 室内用シースルー階段
ネット出典:デザインアーク
デザインアークは大手住宅総合メーカーであるダイワハウスのグループ会社であり、幅広いインテリア製品を提供しています。製品の中には、室内用シースルー階段もあります。
ささら桁がスチール、段板が木というシンプルデザインとなっています。手すりは基本スチールですが、オプションで木に変更することも可能です。
また、カラーバリエーションに関しては、スチール部は6色、木部は9色となっています。
デザインアークは、現場の状況に合わせたオーダーメイド対応を得意としています。空間全体を総合的に考えて最適な階段を提案してくれます。
それができる理由は、一気通貫のビジネスモデルにあります。デザインアークは企画・設計・開発から生産・施工までをワンストップで対応しており、各部門が連携を取りやすくしています。
デザインアークは、三重・つくばに自社工場を設けています。一貫した生産体制による高品質な製品作りを実現しています。
また、施工後も状況に応じて、メンテナンスを行ってくれます。
6.アイチ金属
写真:階段が描くメタルスパイラル。 – Aichi Metal
ネット出典:アイチ金属
アイチ金属はオーダーメイド建築部材を製造している会社であり、ドアやカウンターの開発実績が豊富です。スチールなどの金属階段の施工も依頼することができます。
アイチ金属は、年間600棟もの施工を行っています。加えて、金属に関する研究開発に力を注いでおり、高い技術力を備えているのが特徴です。
具体的には、ドイツ製の液体金属塗料「VeroMetal」を活用しているなど。後は、モールテックスに対応が可能です。モールテックスとは、高い意匠性と優れた機能性を併せ持った左官塗材のことであり、滑らかでツヤがあります。
アイチ金属では、依頼後は仕上げ、施工までオールインワンで対応してもらえます。また、施工後のメンテナンスにも対応可能です。
フルオーダータイプなので、どんな階段を作れるのかイメージできない方もいるでしょう。公式ホームページには過去の階段の施工事例も掲載されているので、見てみると良いです。
7.南海プライウッド
写真:アルフィール
ネット出典:南海プライウッド
南海プライウッドはインテリア建材の開発、製造、販売を行っている会社です。製品の中には、アルミ製のオープン(シースルー)階段もあります。
代表製品はアルフィールです。アルフィールはシンプルでスタイリッシュなオープン階段となっています。ライトなアルミの存在感が、空間にメリハリをつけてくれます。
段板は暖かみのある木目柄となっており、カラーバリエーションは3種類です。
アルフィールの特徴としては、長期使用に耐えられるように、段板には特殊コートシートを採用している点が挙げられます。
また、段板の視認性を高めて踏み外しを防止するために、足掛りの溝を深くした設計を採用しています。
まとめ
本記事では代表的な階段メーカーについて解説しました。意外にも世の中にはさまざまな階段メーカーがあることがお分かりいただけたかと思います。階段メーカーによって販売している製品の種類やバリエーションの数などは異なります。
せっかくマイホームを建てるなら階段には拘りたいところです。階段は毎日使うものであるうえに、家の印象を大きく変えるものでもあります。単に昇り降りしやすいだけではなく、デザイン性やオリジナリティに拘った階段を設置するのがおすすめです。