2階以上の戸建てや、ロフトのある住宅の場合必ず登場するのが「階段」。
学校や駅、ショッピングモールなどでも多く見かけるものだからこそ、細部まで注目されないこともしばしば。
しかし、階段も空間を彩るデザインの一部。階段を付ける場所や、階段そのものの形状で暮らしが変わると言っても過言ではない、家づくりに重要なパーツの一つです。
そこで、今回は「階段の基礎知識」ということで階段の構成要素を紹介、近年人気が高まっているシースルー階段とそれ以外の階段の違いやメリットおよびデメリットまでご説明します。
-目次
1.階段の構成要素とは?各パーツの名称を紹介
2.シースルー階段とは?
3.シースルー階段のメリット/デメリット
4.シースルー階段の施工例
5.まとめ
1.階段の構成要素とは?各パーツの名称を紹介
階段のパーツにはそれぞれ名称がついていることをご存じでしょうか?
新築・リフォームにかかわらず、ハウスメーカーや工務店との打合せでは専門用語が使われることも多く戸惑ってしまうことも。
そんなときのために、各パーツの名称をご紹介していきます。
【踏み板(ふみいた)/段板】
踏み板とは階段の中で足を乗せる板のことで、段板と呼ばれることも多いです。
木製が多いですが、スチールやアルミ、ガラスなど異なる素材の段板もあります。
フローリングと色を揃えるか否かでお部屋の雰囲気も変えることができます。
【踏み面(ふみづら)】
段板は1枚の板全てを指しますが、足が乗る部分を踏み面と呼びます。
脚が乗る面の奥行きを示す場合もあり、建築基準法では15㎝以上が必要とされています。
階段がL型やコの字型、らせんなどの場合は、踏み面の狭い方の端から30㎝の場所が幅15㎝以上である必要があります。
【段鼻(だんばな)】
段板の先端部分を段鼻といいます。
滑り止めを付ける場合はこの場所につけるのが一般的で、木製段板の場合は階段を下りるときに段ごとの縁の切れ目を視認しやすいよう溝が彫られていることが多いです。
【蹴上げ(けあげ)】
階段の1段の高さを示します。
建築基準法では23㎝以下と定められています。
蹴上を低く設定することで緩やかな階段にすることが可能ですが、その分段数が増えてしまい、かえってつまずきの原因になるため、適度な高さの設定が必要です。
【蹴込み(けこみ)】
段鼻の先端の垂直ラインから、下段段板の奥までの奥行きを蹴込みと呼びます。
この部分が長いと、上るときに足が引っ掛かりやすくなるため、一般的には3㎝以下が良いとされています。
【蹴込み板(けこみいた)】
段板と段板の間を垂直につなぐ板を蹴込み板と呼びます。
蹴込み板がないものは「シースルー階段(スケルトン階段、オープン階段、ストリップ階段)」と呼ばれ、圧迫感なく設置できることでリビングに置く階段としても人気です。
2.シースルー階段とは?
続いては階段の種類、強いてはシースルー階段についてご説明します。
蹴込み板の説明で触れましたが、一番のポイントは「蹴込み板の有無」です。
シースルー階段は「蹴込み板」がなく、さらに階段の構造体である「ささら桁」が露出する点が特徴です。
【ささら桁】
段板を支えるパーツ。
段板の両サイドにある場合「側桁(がわげた)階段」、段板の下にある場合「力桁(ちからげた)階段」と呼びます。
木製・スチール製・アルミ製など様々な素材が使われます。
【トップレール】
手すりの上部のことを示します。単純に「手すり」と呼ぶことも多いです。
建築基準法では1000mm以上の階高の場合、最低限片側に手すりを付けることが必須となっています。
【支柱】
トップレールを固定するための柱となるパーツを支柱と呼びます。
75~85㎝の高さが一般的です。
3.シースルー階段のメリット/デメリット
最近では雑誌やInstagramでもよく見かけるシースルー階段。
蹴込み板の有無がポイントである点、ご理解いただけましたか?
シースルー階段は開放的でおしゃれという魅力がありますが、理想の住宅を完成させるために、メリットデメリットを理解したうえで選ぶようにしましょう。
<シースルー階段のメリット>
・開放感のある空間にできる
→吹抜け空間に設置すると効果が大幅にUP
・空間が圧迫されない
→リビングに設置しやすい
→個室までの導線でリビングを通るため、家族のコミュニケーションが円滑になる
・内装デザインのグレードを引き上げる
→高級な家に見える
<シースルー階段のデメリット>
・階段下を収納スペースにしづらい
・費用が高い
・子どもやペット、年配の家族が落下する危険性がある
・蹴込みからごみが落ちる
・冷暖房効率がやや落ちる
→近年各住宅メーカーの気密性・断熱性の向上により、吹抜けなどの大空間でも「冷暖房の効きが…」という悲しい声も少なくなってきました。
4.シースルー階段の施工例
それではカツデンの階段を使った施工例をいくつかご紹介します。
Case➀
「言われてみれば、階段前でよく話をしちゃってます!部屋があるのになんでここで話してるんだろうってなりますね。明るくて広いからですかね?不思議ですよね。」
この実例をもっと詳しく→
ペットも人も心地よいリビング空間
Case➁
「昼なら明るくてちょうど良いです。キッチンから目が届くので、子供が遊んだり勉強したりする場所としても良いかもしれないですね。」
この実例をもっと詳しく→
階段下をワークスペースに
Case➂
「1階のリビングに階段があって、そこを昇ってそれぞれ部屋に行くような間取りが理想だったんです。そうすれば、例えば子どもが大きくなってコミュニケーションが疎遠になっても部屋に行く姿が見えるなって。」
この実例をもっと詳しく→
アンティーク家具に負けないシンボル階段
Case➃
「初めは普通の階段と違って下が見えているから昇り降り怖いかなと思いましたがそんなことはなく、不満もないですね。まあ昇り降りは感覚というので色々展示場には見に行って昇り降りはしました。私はもう今は降りるときにゆっくり景色が広がる様子とか、見た目が他の階段より好きですね。」
この実例をもっと詳しく→
2階から階段を通じて広がる景色
5.まとめ
家を建てるときに役立つ階段パーツの名称から、シースルー階段のメリット/デメリットまで一挙にご紹介しました。
カツデンでは、ささら桁・段板・手すりなど様々な種類からカスタムすることが可能です。
是非形状の違いや、設置ポイントについてのブログも参考にして、理想の空間づくりを目指してくださいね。