

皆さん、こんにちは。カツデンの編集部です。
リビング階段に興味があるものの、設置すべきか決めかねている方も多いのではないでしょうか。リビング階段は魅力的な側面が多くある反面、設置前に確認しておきたい注意事項もいくつかあります。
本記事ではリビング階段のメリット・デメリットについて解説します。また、リビング階段を設置する際のポイントについてもまとめました。
本記事を読むことでリビング階段の特徴が分かり、リビングに階段を設置すべきか、それとも玄関ホールに設置すべきか判断できるようになるでしょう。リビング階段に興味がある方はぜひ参考にしてください。
リビング階段とは?

写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA PREMIUM」
リビング階段は文字通りリビング内に設置された階段を指します。「リビングイン階段」と呼ばれることもあります。
昔、階段は玄関ホールに設置するのが一般的でした。家の景観を損ねないように、できるだけ目立たない場所に設置するイメージを持つ方も多いかと思います。
しかし最近はあえてリビングという、家の中で最もよく利用するスペースに設置する人が増えています。おしゃれな階段をリビングに設置することでデザイン性が向上します。リビングと階段を繋げる場合、玄関ホールや廊下のスペースを階段用に広く取る必要がなくなり、コンパクトな家を作れるメリットもあります。
見た目以外にもリビング階段にはさまざまなメリットがあります。一方で、設置にあたり、いくつか気をつけなければいけない点もあるので、それらに関して本記事で解説していきます。
リビング階段のメリット

写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA PREMIUM」
まず、リビング階段のメリットから解説していきます。リビング階段のメリットは次の3つです。
- 家族の様子を見やすい
- 家族との会話が増えやすい
- リビングを広く見せられる
- 吹抜けとの相性が良い
- 動線を集約できる
玄関ホールに階段を設置する場合、これらのメリットを享受するのは難しくなります。これらのメリットが良いと感じるなら、リビング階段と相性が良いのかもしれません。
1つ1つのメリットについて詳しく解説していきます。
家族の様子を見やすい

写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
リビング階段は家族の様子を確認しやすいことがメリットとして多くの方が認識しています。
例えば2階に子ども部屋を作った場合、部屋に入るには必ずリビングを通過することになります。そのため、子どもが学校から帰ってきたら確認することが可能です。学校終わりの子どもの表情を確認することができ、子どもに異変があったときに、察してあげることができるでしょう。
特に思春期になると、いつの間か家に帰宅し自分の部屋に直行して、場合によっては良からぬ友人関係を作ってしまう可能性も増えるので、家族との関わりを増やすためにも、リビング階段を設置するのは有効です。
また、子どもが小さいうちは階段で転倒しないか心配な方も多いかと思います。リビングに階段を設置すれば、子どもの昇り降りを見守りやすくなります。子どもだけでなく、お年寄りの方も同様ですね。
家族との会話が増えやすい

写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
リビング階段を設置することで、家族との会話が増えやすくなるメリットがあります。リビングの居心地が良くなり、自然とリビングにいる時間が増えていくため、家族間のコミュニケーションも活発になるはずです。
また、リビングから2階にいる子どもに声をかけやすい点も挙げられます。
加えて、リビング階段は椅子やテーブルとして使ったり、懸垂代わりとして使ったり、洗濯物を干したりと、様々な用途が考えられます。そのため、やはり家族がリビングに集まりやすくなります。
リビングを広く見せられる

写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
リビング階段を設置することで、視覚効果によってリビングを広く見せることが可能です。階段があると、もちろんその分のスペースは取られますが、感覚的にはむしろ広く感じることもあります。
広く見えた方がリビングでくつろぎやすくなり、お客さんも招きやすくなります。
ちなみに、更にリビングを広く見せる方法としては、家具を低い高さのもので統一する、壁や天井を明るい色でまとめる、などが挙げられます。部屋の圧迫感を減らすことがポイントですね。
吹抜けとの相性が良い

写真:カツデン/吹抜け手すり
リビング階段は吹抜けとの相性が良いです。吹抜けとは1階の天井がなく、上下階が繋がっている空間を指します。吹抜けと合わせると、縦に広々としているように感じられ、リビングの開放感がより高まります。
敷地面積が限られていてリビングを広くできない場合、階段部分を吹抜けにして開放感を高めるのもおすすめです。
更に開放感を高めるなら、スチール階段を選択する手もあります。スチールは耐久力が高いため階段を細くてシンプルにできるので、圧迫感を少なくできるのがメリットです。
動線を集約できる
リビングに階段を置くことで余計なスペースを作らなくて済みます。特に狭小地に家を建てる場合、敷地の有効活用がポイントになりますが、玄関ホールや廊下に階段を置いてしまうと、当然、それらのスペースを階段用に広く取る必要が出てきます。
リビングに階段を置けば、玄関や廊下を最小限のスペースにする、もしくは無くすことができ、その分リビングを広く取ることができます。
ただし、「リビングに階段を置く」だけでは圧迫感が出てしまうため、開放感を演出できるシースルー階段が有効に作用します。
リビング階段のデメリットとその対策

写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
続いて、リビング階段のデメリットについて解説します。デメリットは次の5つです。
- プライバシーの確保問題
- 音や臭いが広がりやすい
- 来客時の対応を考えないといけない
- 階段のホコリがリビングに落ちてしまう
- 冷暖房の効きが悪い
- 暖房の効きが悪いので寒さ対策が必要
リビング階段には、「開放感がある」「コミュニケーションを取りやすい」などのメリットがありますが、それらのメリットも裏を返せばデメリットになることもあります。メリットとデメリットを両方考慮したうえで、どのような階段を設置するか決めることが大切です。
1つ1つのデメリットとその対策方法について詳しく解説します。
プライバシーの確保問題

写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
リビング階段はプライバシーの確保をどうするか考える必要があります。2階の部屋に行くには、リビングを必ず通らないといけません。毎回顔を合わせないといけないのは、ときにはデメリットになります。
例えば、学校や会社で嫌なことがあって機嫌が悪いときなど、誰にも会わず部屋に入りたいことも、たまにはあるかもしれません。機嫌が悪いときまで顔を合わせていると、むしろ家族との関係性を悪くしてしまう可能性はあります。
また、子どもが大きくなってくると、いちいち顔を合わせることを嫌がる場合もあります。友達や恋人を部屋に招く際にプライバシーが確保されていないと感じてしまうかもしれません。
対策1:階段の設置場所をリビングの入り口付近にする

写真:カツデン/フレキシブル階段「FRIS」
プライバシー対策としては、階段の設置場所をリビングの入り口付近にする方法があります。入り口付近に設置すれば、リビングの中央まで行かなくても2階の自分の部屋まで行くことが可能です。そのため、顔を合わせたくない場合でも、気まずい思いをしなくて良くなります。
また、玄関に階段を設置する場合と異なり、リビングに一応顔は出すわけですから、コミュニケーションは減りにくいです。子どもが学校から帰ってきたことも確認しやすいでしょう。
音や臭いが広がりやすい
リビングと2階が繋がっているため、音や匂いが2階まで伝わりやすくなります。
例えばリビングでテレビを観ていると、2階までテレビの音が聞こえてしまい、子どもが勉強に集中できなくなってしまう可能性があります。音が伝わりやすいのは家族がいることを感じやすいというメリットでもあるのですが、鬱陶しいと感じる場合もあるのです。
また、食事の臭いが2階まで広がってしまう可能性もあります。食べているときは気にならないかもしれませんが、翌朝起きたときに臭いが気になる場合もあるでしょう。
対策1:個室に防音ドアを設置する

写真:防音ドア ノンケーシング 室内ドア
出典:Yahoo!ショッピング
リビングの騒音対策としては、個室に防音ドアを設置する方法があります。防音ドアは通常のドアと異なり、ゴムパッキンが使用されドアの隙間を埋めているため、音が部屋の中まで入ってきません。
防音ドアに関しては、後からリフォームで変更することも可能です。なので、ひとまず普通のドアを設置して、リビングのテレビや喋り声が気になるなら防音ドアに変更するというのも良いでしょう。
対策2:階段の位置をキッチンから離す

写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
臭い対策に関しては、階段の位置をキッチンから離すのがおすすめです。そうすれば、キッチンの臭いが2階まで昇ってくることが少なくなります。臭いが気になりそうという場合は、できるだけ距離を離すように設計してもらいましょう。
対策3:換気扇、レンジフードを強力にする

写真:レンジフード
出典:ノーリツ
階段の位置をキッチンから離すのが難しい、あるいはもう間取りは変更できない、という場合は換気扇を強力なものに変更するのがおすすめです。換気能力の高いモデルなら、料理の臭いが家に充満するのを極力防ぐことができます。
来客時の対応を考えないといけない

写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
リビング階段を設置する場合、来客時の対応を考える必要があります。
リビングを通過しないと2階に行けないため、例えば子どもの友達が来た場合も、リビングを掃除しないといけなくなるかもしれません。また、会社の人などがきた場合、家族全員が服装に気を使わないといけなくなる可能性があります。
来客が少ないなら気にする必要はありませんが、多い場合はこのあたりの対応をしっかりできるか、家族と相談する必要があります。
階段のホコリがリビングに落ちてしまう

写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
リビングに階段を設置すると、階段のホコリがリビングに落ちてしまいます。ホコリはどうしても発生してしまうものなので、対策を考えておく必要があります。
特にリビングとキッチンが近い場合、ホコリが料理に入ってしまう可能性があります。
対策:階段の位置を工夫してホコリが落ちても困らないようにする

写真:カツデン/シースルー階段「ObjeA」
階段をこまめに掃除するのは大変です。そこで、階段の位置を工夫して、ホコリが落ちてもあまり困らないようにするのが良いでしょう。
具体的には、階段とキッチンの位置を離すことをおすすめします。料理にホコリが入ってしまうのは衛生的にも良くありませんし、不快に感じる方は多いでしょう。また、先ほど解説したように、階段とキッチンを離すのは臭い対策にもなります。
加えて、階段下にはほこりが落ちてきても問題ないように、思い出の品など大切なものは置かないようにするのが良いでしょう。何かを置く場合は、透明なカバーをつけるだけでこほりが被るのを防ぐことが可能です。
暖房の効きが悪いので寒さ対策が必要

写真:【2023年】20畳以上向けのエアコンのおすすめ18選 部屋の特徴に合わせて選ぼう
出典:ビックカメラ
リビング階段の場合、暖房の効きが悪くなる可能性があります。リビングと2階が繋がり、エアコンの風が2階まで行ってしまうためです。暖気は上に流れるため、特に冬場は寒いと感じるかもしれません。
とはいえ、今の住宅は断熱性や気密性が改善されていますので、昔よりも寒さを感じなくなりました。そのため、寒冷地でない限り、このデメリットは気にする必要がないとする見解が一般的です。
暖房をしっかり効かせたいのであれば、いくつか対策がありますので次の項目で紹介します。
対策1:シーリングファンを設置

写真:照明つき天井扇
出典:Wikipedia
夏の暑さ対策でおすすめなのが、天井にシーリングファンを取り付けることです。シーリングファンで空気を循環させれば、エアコンの冷たい風がリビング全体に行き渡りやすくなります。また、シーリングファンはリビングのレイアウトとしても優秀です。ただし、ホコリが溜まりやすく手入れが大変なので、メンテナンスや掃除方法を考えたうえで選択しましょう。
対策2:家全体の断熱性能を上げる

写真:マンションの断熱|住まい選びのコツ
出典:リノベーションの株式会社リビタ
冬の寒さ対策を行うなら、家全体の断熱性能を上げることを意識しましょう。具体的には家の隙間を少なくすることで、暖房が外に逃げにくくなります。窓の数を少なめにしたりFIX窓にして開閉できないようにしたりする方法があります。
他にも、家の天井や床に断熱材を貼り付けるなど、いくつか方法はありますので、地域の気候に応じて対策を行うと良いでしょう。また、寒い地域の場合は床暖房にしてしまうのも選択肢の1つです。床暖房にすれば、床から効率良くリビング全体を暖めることができます。
リビング階段はどんな人におすすめ?
ここまでリビング階段のメリット・デメリットを解説してきました。それらを踏まえて、リビング階段が向いている人、玄関ホール階段が向いている人の特徴をまとめました。
リビング階段が向いている人の特徴
リビング階段が向いている人の特徴は次のとおりです。
- リビングの開放感を高めたい
- 家族とのコミュニケーションを取ることを重視したい
- 来客が少ない
リビング階段は開放感を高められるのがメリットです。階段部分を大きな吹抜けにしたり、スチール階段を選択したりすることで、開放感を更に高められます。また、家族とのコミュニケーションも取りやすいです。
玄関ホール階段が向いている人の特徴
玄関ホールに階段を設置するのは、昔ながらの家に多い間取りです。玄関ホール階段が向いている人の特徴は次のとおりです。
- 家族のプライバシーを重視したい
- 来客が多い
家族のプライバシーを重視したいなら、玄関ホール階段の方が向いていると言えます。また、来客が頻繁にある場合も、玄関ホール階段の方が都合が良い可能性があります。ただし、玄関ホール階段だと家族のコミュニケーションが減ってしまうリスクはあります。
おしゃれなリビング階段の施工事例
最後に、リビング階段の施工事例についてまとめました。カツデンの階段製品を設置した事例を紹介します。
- 事例1:家族の距離が近くなるリビング階段
- 事例2:コミュニケーションツールとしてのリビング階段
- 事例3:限られた空間で最大限の開放感を出すリビング階段
- 事例4:大きな吹抜けと組み合わせたリビング階段
リビング階段のメリットをおさらいしつつ、ひとつひとつの施工事例について解説していきます。
事例1:家族の距離が近くなるリビング階段
リビング階段の代表的なメリットは、家族とのコミュニケーションを増やしやすいことです。2階に上がるために必ずリビングを経由する必要があるためです。
こちらにお住まいの方は、実家では玄関を入ってすぐに階段がある間取りだった関係で、兄弟と会う機会が少なくなってしまったとのことです。リビング階段なら、毎日必ず顔を合わせられるということで、この間取りに決めました。
リビング階段にした結果、家族の距離が縮まった気がすると語っています。
事例2:コミュニケーションツールとしてのリビング階段

2つ目はコミュニケーションツールとして機能しているリビング階段です。この方は、家族の気配をいつでも感じられるようにと、リビング階段を選択したとのことです。リビング階段にすると、写真のように階段に座って話をするということもできます。
今回はリビングの中央に階段が設置されています。階段を中央にするなら、抜け感があることが大切だと考え、スチール階段を選択しました。細いデザインのスチール階段だからこそ、閉塞感のない空間が生まれています。
また、階段のささら桁はカツデンの『ObjeA』の中でも特に細い「サンダー」を選択しています。ささら桁を細くすることで、すっきりした印象が生まれます。
コミュニケーションツールとしてのリビング階段 | KATZDEN
事例3:限られた空間で最大限の開放感を出すリビング階段

この方は、敷地のスペースが限られていても、開放感を出せるようにすることをテーマに家造りをしていたようです。できるだけ開放感を出すために、2階すべてをリビングにし、リビングの中央に階段を設置しました。
階段を設置することで、狭いスペースでも開放感を出せるようになります。また、シースルー階段を採用し、できる限り広く見えるようにしています。シースルー階段は蹴込み板がないため、視線が抜けるようになって開放感が高まります。
事例4:大きな吹抜けと組み合わせたリビング階段

リビング階段は吹抜けとの相性も良いです。こちらはリビングに大きな吹抜けを設置した事例です。大きな吹抜けは縦の繋がりを意識させてくれます。
シースルー階段にすることで、開放感はもちろんのこと、採光性も高めていることがわかります。蹴込み板がないので、蹴込みからも光を通してくれます。
吹抜け手すりはペットの猫が飛び越えられないようにと、標準より少し高くしています。更に、子どもの安全のために、普段は吹抜け手すりにネットを付けているとのことです。吹抜け階段でもしっかり安全対策を行えば安心して使えます。
まとめ
本記事ではリビング階段のメリット・デメリットについて解説しました。リビング階段に関する理解が深まったかと思います。
リビング階段は「開放感」や「コミュニケーションの取りやすさ」が魅力である反面、「プライバシー確保の難しさ」や「音や匂いの広がりやすさ」など難点もいくつかあります。
とはいえ、リビングの間取りを工夫したり、シーリングファンや換気扇を設置したりすることで、解決できる問題も多くあります。
また、間取りだけでなく階段の形状や素材なども考慮し、リビングの雰囲気に合わせていきましょう。大切なのは、リビング階段のメリット・デメリットを正しく把握し、どのような階段にするか家族間で話し合いを行うことです。















